学制中貸費生規則並官私学校設立願方追補

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条文構成

○第五十一号(四月十七日)

貸費生規則頒布

貸費生規則[1][2]

第百六十章 第五十四章ニ学資ヲ貸スヘキ生徒ノ検査法及証書式ハ別冊アルヲ示シ既ニ貸費生徒検査法ノ一冊ヲ公布スト雖モ今少シク訂正シテ此ニ追加ス因テ前ニ公布スル検査法ノ一冊ハ自今之ヲ廃ス則チ明治六年三月十日ノ議定ナリ

第百六十一章 生徒学業勉強才敏ニ行正シク将来成業ノ目的ナレトモ其家貧窮ニシテ自ラ衣食ヲ弁スルコト能ハサルモノハ其学業ヲ検査シ式ニ当ルモノハ学資ヲ給貸ス之ヲ貸費生ト名ツク

第百六十二章 第五十五章費用ヲ給貸スル生徒ハ大中小学ニ拘ラサルヲ示スト雖モ従前ノ生徒就学ノ年序多ク遅緩ナルヲ以テ当今年齢十五歳以上二十五歳以下ニ限ル可シ而シテ其年齢ト学業ノ進級トヲ比例シテ学業年次ニ及ハサルモノハ之ヲ許サス

第百六十三章 大学即チ法学校医学校理学校文学校ノ生徒学資ヲ借ランヿヲ乞フモノハ中学教科卒業ノ証アツテ其学科成業ノ目的アルモノハ之ヲ許ス

但当今医学校ノ生徒ハ第八級ノ学科研業スル以上ニ非サレハ之ヲ許サス

第百六十四章 中学ノ生徒学資ヲ借ランヿヲ乞フモノハ小学ヲ経テ上等中学第六級ノ学科研業スル以上ニ非サレハ之ヲ許サス

但中小学未タ完全ナラサルカ故ニ今暫ク外国教師ニテ教授スル下等中学第一級以上ノ学科ヲ以テ標準トシ諸学校ニ於テ其学術右第一級ノ学科ニ相当スルモノハ貸費ヲ乞フニ妨ケナシトス

第百六十五章 大中小学ニ拘ラス其修学ノ年間ト進級ノ次第ト比較シテ学術非凡優等ナルモノハ第百六十一章ノ年数ニ拘ラス格別ノ検査ヲ遂ケ貸費ヲ許スヿアリ

第百六十六章 仮令ヒ現今貸費ヲ乞フノ学力アリト雖モ修学ノ年間学級ノ進歩ニ比シテ其年長キモノハ之ヲ許サス

第百六十七章 公私学校ニ於テ生徒学資ヲ借ランヿヲ欲スルモノハ其本人ヨリ願書ヲ出ス可シ書式左ニ示ス

願書雛形料紙美濃紙二ツ折三通ヲ出スヘシ一通ハ其学校ニ留メ二通ハ本省ニ出ス其内一通ハ指令ト共ニ下附ス

一年号何月日於何中小学或ハ何所何学 中学科小学科或
ハ皇漢洋学等
起業教師某誰ヘ従
学何学科 著述人名
用書名
一何年間修業 事故アリテ転学或ハ中絶ノ
モノハ其次第ヲ認ムヘシ
一年号何月日当学ヘ入門
従前官費ヲ受クルモノ
ハ左ノ一条ヲ記ヘシ
一何千何百円 何年何月ヨリ何年何月迄於何学一
ケ月金何円ツヽ拝借或ハ官費修業
私儀当時何学何級ニテ修業罷在候処従来貧窮ニテ全ク自費ヲ以テ卒
業難仕就テハ当明治何年何月ヨリ向フ何年何月迄何ケ年間学資御給
貸被 仰付度候尤在学中ハ勿論成業ノ後ハ御規則之趣聊カ違背仕間
敷候仍テ従前学科卒業ノ証書相添奉願候間何卒御許容被成下度此段
奉懇願候也
年号 月 日

貫属
族卒僧侶平民
何郡何所或ハ何
住某 長男二男
或ハ弟
苗字
当何月何歳何月
学区取締或ハ戸長
苗字
第幾大学区或ハ第幾中学区
大中小学御

但当人ヨリ差出ス学科卒業ノ証書ハ其学校ニテ調査ノ上写ヲ取リ置キ本人ヘ返却スルヿトス

第百六十八章 貸費ヲ願出ルモノハ於其学校学力等試験ノ上左ノ雛形ノ通リ添書シ地方官添書ヲ以テ其学区督学局ヘ願出テ同局ヨリ本省ヘ差出スヘシ第五十五章ヲ見ルヘシ

但大学校並ニ本省直轄ノ学校ハ直ニ文部省ヘ願出ツヘシ

願書雛形料紙美濃紙二ツ折三通ヲ出スヘシ内一通其学校ニ留メ二通ハ本省ニ出ス其内一通ハ指令ト共ニ下附ス


貫属
族卒僧侶平民
何郡何所或ハ何
住某 長男二男
或ハ弟
苗字
当何月何歳何月
右学業勉強才敏行正既ニ何学第幾級ニ進歩将来成業ノ目的有之候処
貧困ニシテ衣食自弁難相叶候ニ付即今ヨリ向フ何ケ年間学資御貸渡
被下度旨当人ヨリ願出候ニ付則チ従前学科卒業証書写並現今研業教
科明細書相添差出申候此段御詮議相成度候也 学科卒業証書等未タ受ケサル
モノハ出スニ及ハス故ニ従前
修業ノ履歴等ヲ詳
記シ差出スヘシ
年号 月 日 第幾大学区何
管内
或ハ
何郡第幾中学区何所


学教師
学長アルモノハ
同学長
但学長異見アルモノハ別
封ヲ以テ進達スヘシ
文部卿某殿
或ハ
大中少督学殿

第百六十九章 検査ヲ経テ学資ヲ借ルモノハ左ノ雛形ニ因テ証書ヲ本省ニ出スヘシ第五十四章ヲ見ルヘシ

願書雛形料紙美濃紙二ツ折



何学第幾級従前公費
私費ノ区別ヲ記ス

貫属
族卒僧侶平民
何郡何所或ハ何
住某 長男二男
或ハ弟
苗字
当何月何歳何月
私儀貧窮ニテ自費修業難相成今般学費御貸下ケ奉願候処学術御検査
ノ上向フ幾年間学資御貸渡シ被下置難有奉存候然ル上ハ勉強修業可
仕ハ勿論卒業ノ上御規則ニ因テ右拝借ノ金高年割ヲ以テ償還仕候ト
モ又ハ年限ヲ以テ官役相請候トモ一切公命ニ随ヒ聊無二念相勤可申
依テ証書差出候也

年号 月 日


右之通聊為致違背間敷依テ奥印仕候也






父兄或ハ証
本貫属
何学校教

但教師ノ名ヲ書スハ
多ク私学校ニアリ
文部卿某殿
或ハ
大中少督学殿

第百七十章 貸費ヲ願フ者仮令幾年間ト定ムルト雖モ自費修業ノ道ヲ得ハ速ニ之ヲ辞スヘシ

但既ニ借ル所ノ金額ハ規則ニ因テ償還スヘシ

第百七十一章 貸費ヲ乞フ者其撰ニ当リ既ニ幾年間貸費ノ許可ヲ得ルト雖モ一期或ハ二期ヲ過キ学業試問ニ於テ等級進マサルモノハ貸費ヲ止ム

但前ニ借ル所ノ金額ハ規則ニ因テ償還スヘシ[3]

第百七十二章 生徒貸費中学業不勉強或ハ学則ヲ犯シ不行状等コレアリ退学スルモノハ既ニ借ル所ノ金額ヲ一時ニ償還セシメ其科ヲ鳴シ府県一般ニ布告スヘシ

但公罪ニカヽルモノモ之ニ同シ

第百七十三章 貸費生親族病気等ニテ不得止一時帰省下宿等ヲ願フ者巳ニ給与ノ衣服靴傘類ノ外日用ノ給貸ヲ止メ再ヒ帰校スルノ日ヨリ旧ニヨリ貸付スルヲ以テ法トスヘシ

但償還ノ法ハ帰省下宿等ノ為メニ貸付セサル金数ヲ算シ借スヘキ金額ノ内ヨリ其余ル所ノ金数ヲ引キ全ク貸付スル金高ヲ以テ規則ノ通リ償還セシムヘシ休業中帰省下宿スルモノモ之ニ同シ

使役ノ法ハ帰省下宿等ノ為メ廃業スル日数ヲ合算シ三ケ月以上五ケ月ニ及フモノハ使役半年ヲ減シ六ケ月以上八ケ月ニ及フモノハ使役一年ヲ減スヘシ仮令ヒ多クモ一度ノ帰省三ケ月ヲ限リトス

第百七十四章 諸学校ノ貸費生年限中退学相成ラサルハ勿論諸官員等ニ登庸スルヿヲ得ス

第百七十五章 貸費生病気事故等有テ不得止退学スルモノハ既ニ借ル所ノ金額ハ規則ニ依リ年割ヲ以テ償還ス可シ[3]

但貸費五ケ月ニ満タサルモノハ一時ニ償還スヘシ

第百七十六章 貸費生其年限ヲ終リ使役ヲ受ケス規則ニ依リ償還スル者ハ其金額本省ニ出スヘシ

但各大学区督学局完全ナルトキハ其学区督学局ニ出スモノトス

第百七十七章 官立中小学校ヲ設立スルヿヲ願フ者ハ左ノ文例ヲ以テ地方官ヨリ其大学区督学局ヘ伺出同局ニテ検査ノ上聞届ケ之ヲ本省ニ開申スヘシ但督学局未タ備ハラサル区内ハ本省ヘ直ニ届出スヘシ

官立学校設立伺文例

一学校位置[4]
第幾大学区何
管下第幾中学区内 何村
何町
一学校名称
第幾番
女児小学或ハ村落小学等ナ
レハ何々小学ト書スヘシ
一学科
小学中学或ハ工業学商業学農業学或ハ通弁学等
一教則別冊ニ認ムルモ妨ケナシトス
教科ノ等級並課業 即チ何ケ月間何々ノ書ニテ一日何時ツヽ授
クル等ノ類略ホ小学教則ノ体裁ニ傚フヘシ
一校則
入学退学等ノ手続並ニ入学ノ上生徒ノ守ルヘキ規則等
一舍則 生徒ノ寄宿ナキモ
ノハ記ニ及ハス
一教員履歴 小学教員ハ男女
共ニ之ヲ用フ

貫属
族卒僧侶平民[5]
苗字
当何月何歳何月
大中小学等級卒業ノ証或ハ師範学校卒業免状ノ有無
第幾大学区何
何所何学校ニ入リ或ハ何某ヘ従ヒ何年何月ヨリ何
年何月迄都合何ケ年何学修業或ハ海外何国何処留学何学修業等諸
官省其他何処ニ於テ何年何月ヨリ何年何月迄何官何役勤務或ハ何
業相勤等
一教員給料
一ケ年
一ケ月
何程
但一人ニ付何程
一生徒員数
何百何十人程
一生徒授業料
一ケ年
一ケ月
何程
但一人ニ付何程
一学校費用
書籍器械等入費 一ケ年何程
一ケ月何程
営繕入費並諸雑費〔 筆墨紙薪炭
油等ノモノ
一ケ年何程
一ケ月何程
雇人 世話掛番人
小遣等ノ類
給料 一ケ年
一ケ月
何程
右費用総計 一ケ年
一ケ月
何程出納見積何程此内御委托金凡何程遣払ノ積
リ等云々
右之通設立仕度此段奉伺候也

年号 月 日




文部卿某殿 督学局アル地ハ大
中少督学ノ名宛

但料紙美濃紙

第百七十八章 官立学校即チ公学ハ文部省額金或ハ学校普及扶助ノ為メ府県ヘ委托スル金等ヲ以テ設立スルモノ尤官ノ扶助アルモノハ私費半ハヲ過クトモ[6]公学ト称スヘシ

第百七十九章 第四十三章ニ掲示スル私学私塾家塾等開業ヲ願モノハ左ノ文例ヲ以テ学区取締ヲ経テ其管轄庁ヘ差出シ之ヲ督学局ニ伺出テ同局検査ノ上聞届ケ之ヲ本省ニ開申スルヲ法トス

但家塾ハ地方官ニテ之ヲ聞届クヘシ

私学私塾開業願ノ文例


位置[4]
第幾大学区何
管下何郡何大区何ノ小区何村何町或ハ何
又ハ何
某居宅何学舍ト唱フ
一学校費用ノ概略
何々
但私塾ハ之ヲ記セス
一教員履歴 教員外国人ナレハ何国何某年齢
学科免状有無雇入方詳細可記事

貫属
族卒僧侶平民
苗字
当何月何歳何月
何某ヘ従ヒ何年何月ヨリ何年何月迄都合何ケ年何学研究
何某ヘ従ヒ何年何月ヨリ何年何月迄都合何ケ年何学研究
何官省等何処ニテ何年何月ヨリ何年何月迄何役勤務或ハ何業等相
一教師給料
何々
但私塾ハ之ヲ記セス
一学科
一教則
一塾則
右之通開業仕度此段奉願候也
年号 月 日
貫属
族卒僧侶平民
苗字
或ハ
結社




苗字

庁宛

但料紙美濃紙

第百八十章 公学私学私塾家塾開業許可ノ印章及ヒ書式左ノ如シ

公学開業許可ノ書式

伺ノ通
開学許可

文部
但督学局アル所ハ
同局ノ印章ヲ用フ

私学私塾開業免許ノ書式

開学許可

文部
但督学局アル所ハ
同局ノ印章ヲ用フ

開業御差許相成候


但コノ書式ハ開業願書ヘ右ノ印章ヲ
押シ下ル上ニテ地方官ニ於テ書記シ
相渡スモノトス

家塾開業免許ノ書式地方官ニ於テ許スモノトス

家塾開業聞届候事



第百八十一章 地方官ニ於テ其管内ニアル公学私学及私塾ノ数並ニ教員ノ数ヲ表トシ毎年二月中之ヲ督学局ニ出スヘシ

但其表ハ第六号式ノ如クスヘシ

第百八十二章 学士ノ称号ヲ分テ五等トス一等学士ヲ上等トシ五等学士ヲ下等トス

第百八十三章 中学教科卒業大学ヘ入リ大学ハ法学校医学校理学校文学校ナリ修業凡ソ一ケ年ノ後及第スル者ニ五等学士ノ称号ヲ与フ

第百八十四章 大学ニ進ムノ後一二学科一学科トハ化学解剖学性法等ノ類或ハ四五学科ヲ修ムル者ニハ五等学士或ハ四等学士ノ称号ヲ与フ

第百八十五章 大学科大学科トハ法科医科理科分科ヲ云フヲ終ルモノニハ三等学士ノ称号ヲ与フ

第百八十六章 二等学士一等学士ノ称号ニ至テハ大学科成業ノモノ追々実地研究シ熟達ノモノニ与ルモノニシテ即チ智識ノ美称ト云フヘシ

第百八十七章 五等学士ノ称号ハ全ク学術ニ関スルヿ等ヲ新ニ発明シ或ハ希有ノ著書及ヒ大部ノ書籍ヲ新ニ著述スルモノ等ニ与フルヿアリ

第百八十八章 学士ノ称号ヲ与フルモノハ大学等ヨリ具状シ文部卿 奏聞ノ上之ヲ補ス[7]


学制第百八十一章第六号表式
但料紙美濃紙ノ事

公私学校私塾及教員一覧
何大学
何府



音教
何番中小 何大中学
何郡何町


何番中小





  1. 明治6年文部省布達第57号により専門学校生徒への学費給貸に関する条文(第208章)を、明治6年文部省布達第99号により数ヶ国語を学ぶ外国語学校生徒への学資貸給に関する条文(第212章)を、明治明治6年文部省布達第102号により貸費生疾病時入費に関する条文(第213章)を追補。
  2. 明治6年文部省布達第141号による改正の箇所(明治7年文部省布達第26号により改正取消)。
  3. 3.0 3.1 明治6年文部省布達第117号による改正の箇所。
  4. 4.0 4.1 明治7年文部省布達第19号により中小学区番号の記載を指示。
  5. 底本には「民」ではなく「氏」と印字されているが、公文録および『文部省布達全書』と照合した上で、明らかな誤植と見なして訂正を加えた。
  6. 「トモ」は合字。
  7. 明治6年文部省布達第57号により専門学校卒業者への学士称号授与に関する条文(第209章)を追補。

関連項目

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外部リンク

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この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。