暫定衆議院規則

三月三十一日本院において議決した暫定衆議院規則は、次の通りである。

暫定衆議院規則

第一條 議員は、召集詔書に指定された期日の午前十時に、衆議院に集会しなければならない。

第二條 議員は、当選証書を事務局に提示し、これと当選人名簿との対照を受けなければならない。

第三條 集会した議員が総議員の三分の一に達したときは、議院は、議長の選挙を行う。

議長の選挙は、單記無名投票でこれを行う。

第四條 議員は、点呼に應じて、投票及び木札の名刺を持参して、演壇に至り投票する。

甲参事は名刺を、乙参事は投票を受け取り、議員に代つて夫々名刺箱及び投票箱に投入する。

第五條 現在議員が、投票を終つたときは、事務総長は、投票箱の閉鎖を宣吿する。この宣吿があつた後は、投票することができない。

第六條 投票が終つたときは、事務総長は、参事をして直ちに名刺及び投票を計算し、投票を点檢させる。

投票の数が名刺の数に超過したときは、更に投票を行わなければならない。但し、選挙の結果に異動を及ぼさないときは、この限りでない。

第七條 投票の点檢が終つたときは、事務総長は、選挙の結果を報吿する。

第八條 投票の過半数を得た者を当選人とする。投票の過半数を得た者がないときは、投票の最多数を得た者二人について決選投票を行い、多数を得た者を当選人とする。但し、投票数が同じときは、くじで当選人を定める。

第九條 選挙について疑義が生じたときは、事務総長は、議院に諮りこれを決する。

第十條 議長の選挙が終つたときは、議院は、副議長の選挙を行う。

副議長の選挙については、議長の選挙の例による。

第十一條 議長及び副議長の選挙が終つたときは、事務総長は、議長及び副議長を議院に紹介し、議長を議長席に導く。

第十二條 議員の議席は、会期の始めに議長がこれを定める。但し、必要があるときは、これを変更することができる。

議席には、号数及び氏名標を附する。

第十三條 臨時会及び特別会の会期は、その会期の始めに両議院の議長が協議した後、議院がこれを議決する。

前項の議決の結果は、直ちにこれを参議院及び內閣に通知する。

第十四條 委員会の委員の員数は、議院がこれを定める。

委員の選任は、すべて議長の指名による。

第十五條 常任委員長の選挙については、議長の選挙の例による。

議院は、常任委員長の選任を議長に委任することができる。

第十六條 事務総長の選挙については、議長の選挙の例による。

議院は、事務総長の選任を議長に委任することができる。

第十七條 內閣総理大臣の指名は、單記記名投票で指名される者を定め、その者について議決する。

投票の過半数を得た者を指名される者とする。投票の過半数を得た者がないときは、投票の最多数を得た者二人について決選投票を行い、多数を得た者を指名される者とする。但し、投票数が同じときは、くじで指名される者を定める。

議院は、投票によらないで、動議その他の方法により指名される者を定めることができる。

第十八條 開会式の日時及び場所は、衆議院議長が参議院議長と協議してこれを定める。

この規則は、日本國憲法施行後の最初の國会に適用するものとし、あらたに衆議院規則が議決されたときに、その効力を失う。

大正十四年三月二十四日議決の衆議院規則の中、日本國憲法、國会法及びこの規則に反しない規定は、あらたに衆議院規則が議決されるまで、その効力を有する。

関連項目

両院共通

衆議院

参議院及び貴族院

 

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  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

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