讃美歌訳詞者の確認についてお願い

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はじめまして。庚寅五月と申します。荒野の果てにの訳詞者の確認ご苦労様です。 ところで、荒野の果てに以外の5つの讃美歌(ああベツレヘムよ天にはさかえいざ歌えいざ祝えいつくしみふかき聖なる聖なる)も訳詞者が明確になっていません。J-WIDの情報では、訳詞者が讃美歌編集委員会もしくは日本基督教団讃美歌委員会となっているのですが、少なくとも『讃美歌』1954年版かそれ以前に発表されているとみられるにもかかわらず、パブリックドメイン扱いではなく無信託扱いとなっており、個別の訳詞者の著作権が存続している可能性があります。当方では手近な場所で『讃美歌略解』を参照できないため、もしよろしければ、これらの訳詞者についてもお手元の『讃美歌略解』でご確認いただけると幸いです。よろしくご検討お願いします。--庚寅五月 2011年2月14日 (月) 12:36 (UTC)返信

了解いたしました。のちほど確認してみます。報告は各トークページでよろしいですね。--Ohgi 2011年2月15日 (火) 10:37 (UTC)返信
みたところ、邦訳者が『略解』の方に掲載されていたのはいざ歌えいざ祝えのみであり、トーク:いざ歌えいざ祝えに報告したとおり、これだけはパブリックドメインとみて問題ないものと考えられます。他のものについては別途調査し、わかればその都度各トークページへ報告することにいたします。--Ohgi 2011年2月15日 (火) 10:59 (UTC)返信
お返事ありがとうございます。お引き受けいただき幸いです。情報が判明した場合には、ご提案通りトークページで指摘されるとよいと思われます。
ついでながら、既に挙げた5曲の讃美歌に貴きみかみよを加えた計6曲は、底本の情報を欠いています。これらは複数の讃美歌集に収録されており、底本の特定には手間がかかりそうですので、『讃美歌』1954年版などを底本に指定して歌詞を修正すればよいのではないかと考えているのですが、当方では環境上実行できずにおります。機会がございましたらぜひこの点もご検討ください。--庚寅五月 2011年2月15日 (火) 12:03 (UTC)返信
w:讃美歌 (1903年版)など一部の讃美歌集は、パブリックドメインとして国立国会図書館の近代デジタルライブラリーで公開されております。1903年版の『讃美歌』などに掲載されているものは、国立国会図書館がパブリックドメインであることを検証したと考えられますので、パブリックドメインとしていいのではないかと思います。底本からの歌詞の修正については近代デジタルライブラリーからも可能ですので、私もやるつもりでいますが、庚寅五月さんもやってみてはいかがでしょうか。(私はとりあえず、天にはさかえにちょっと手を加えてみようと思っています)--Ohgi 2011年2月15日 (火) 12:12 (UTC)返信
天にはさかえに手を加えるのはちょっと著作権的に怖くなったので、かわりにいざ歌えいざ祝えに手を加えてみました。天にはさかえには複数の版があるようで、今載っている版が、1954年以前に公表されているようにはみえませんでした。ちょっと調査が必要みたいです。--Ohgi 2011年2月15日 (火) 12:57 (UTC)返信
さっそくの歌詞修正ご苦労様です。
ご指摘のあった近代デジタルライブラリーで閲覧可能な資料は私もチェックしており、『讃美歌』1903年版および『讃美歌第二篇』1910年版に掲載されているかみにはさかえ聖なるせいなるああベツレヘムよについては既に打ち込みが終わっているのですが、近代デジタルの書誌情報では「讃美歌委員会」名義で著作権保護期間満了となっているので個別の歌が検証済なのか定かでない、J-WIDのデータではパブリックドメイン扱いでない、という点から保護期間満了という判断できず、編集を実行していません(仮に初出が1903年版で訳詞者が公になっていなかった場合、1934年にはパブリックドメインになっているはずですが、そうではない可能性も考えられます)。また、現在掲載されている歌詞と近代デジタルで閲覧可能な歌詞との間には、3曲とも表記上に止まらない差異がみられるため、やはり別途の調査が必要と思われます。--庚寅五月 2011年2月16日 (水) 12:26 (UTC)返信

別途の調査が必要である旨、了解いたしました。「いざ歌え」に手を入れていただいてありがとうございます。wsには慣れていないので、ビシバシ修正してしまっていただければ非常にありがたいです。

  • 『讃美歌21』の後ろのほうの「著作権一覧表」をみてきましたが、ああベツレヘムよ聖なる聖なる聖なるかなについては掲載がありませんでした。この2曲には、主張されている著作権がないということだと判断できるかと思います。
  • いつくしみ深きについては、手元の『讃美歌略解』には他の聖歌集にもこの聖歌が掲載されているかのように書いてあります。他のどの聖歌集に入っていたのか、調査していただければありがたいのですが、お願いできませんでしょうか。個人的にはw:讃美歌 (1931年版)あたりに掲載されていたのではないかと疑っています。
  • 天にはさかえについて、邦訳版の初出は日本聖公会の『古今聖歌集 譜附』の「かみにはさかえ」で間違いないのでしょうか。おそらく『古今聖歌集 譜附』の版はwpに載っている1903年版『讃美歌』や、日本聖公会の『改訂 古今聖歌集 譜附』『古今聖歌集』『日本聖公会聖歌集』に掲載されているものとも同じもののはずです。しかし現在wsに載っているのは、1954年版『讃美歌』のもので、こちらの邦訳者の情報がまったくつかめません。『讃美歌略解』には「邦訳は古語が改められた。」と書いてあるだけで、邦訳者名や邦訳の初出は記載されておらず、これはお手上げかもしれません。もしかしたら、wpからtranswikiしてしまった方がいいのかもしれません。

一応、『改訂 古今聖歌集 譜附』『古今聖歌集』はみてきたのですが、日本聖公会は邦訳者の著作権を重んじていない、あるいは主張していないらしく、邦訳者名などは掲載されていませんでした。調査は続けます。--Ohgi 2011年2月16日 (水) 14:23 (UTC)返信

複数の資料に当たっていただきありがとうございます。さしあたり私の方でも、訳者不明の4曲と原詞が同じ讃美歌について、戦前の掲載情報を確認できる範囲で整理しましたのでご報告します(『古今聖歌集』1902年版と『讃美歌』1931年版は近代デジタルで公開されておらず、手近な図書館でも所蔵していないため、参照には時間がかかりそうです)。
Hark! the herald angels sing(天にはさかえ
  • 『新撰讃美歌』1888年版・1890年版・1891年版 第六十 あまつつかひの [1][2][3]
  • 『聖公会讃美歌』1891年版・1892年版 第三十五 かみにはさかえ [4][5]
  • 『基督教聖歌集』1891年版 第三十七 あもりしきみの [6]
  • 『基督教聖歌集』1895年版 第四十七 あもりしきみの [7]
  • 『古今聖歌集』1902年版 第四十四 [未確認]
  • 『讃美歌』1903年版 第六十 かみにはさかえ [8]
  • 『讃美歌第一編』(『讃美歌』1915年再版) [未調査](第六十 かみにはさかえ [9]?)
  • 『古今聖歌集』1922年版 第四十三 かみにはさかえ [10]
  • 『讃美歌』1931年版 [未調査]
※上記の『讃美歌第一編』とみられる画像に「古今四十四」という注記があるので、『古今聖歌集』1902年版に第四十四として掲載されていると考えられます。また、『聖公会讃美歌』の歌詞は現在掲載されている歌詞と共通点が多く、元になっていると判断できますが初出かどうかはわかりません。なお、ウィキペディア掲載の歌詞は2番の5行目が『讃美歌』1903年版および『古今聖歌集』1922年版と異なっており、これはこれで底本を特定する必要がありそうです。
Holy, Holy, Holy, Lord God Almighty(聖なる聖なる聖なるかな
  • 『新撰讃美歌』1888年版・1890年版・1891年版 第三十一 聖なるかな聖なるかな [11][12][13]
  • 『聖公会讃美歌』1891年版・1892年版 第九十六 いときよきかな [14][15]
  • 『基督教聖歌集』1891年版 未収録
  • 『基督教聖歌集』1895年版 第十 せいなるかな [16]
  • 『古今聖歌集』1902年版 第百十一 [未確認]
  • 『讃美歌』1903年版 第三十五 聖なるせいなる [17]
  • 『讃美歌第一編』(『讃美歌』1915年再版) [未調査] (第三十五 聖なるせいなる [18]?)
  • 『古今聖歌集』1922年版 第百四十一 せいなるせいなる [19]
  • 『讃美歌』1931年版 [未調査]
※「かみにはさかえ」と同じ理由で『古今聖歌集』1902年版に掲載されていると考えられ、また同じく『聖公会讃美歌』の歌詞が元になっていると判断できます。『新撰讃美歌』、『基督教聖歌集』の訳詞は、共通する語句が見られるものの別の作品と判断して良いのではないかと思います。
O little town of Bethlehem(ああベツレヘムよ
  • 『新撰讃美歌』1888年版・1890年版・1891年版 未収録
  • 『聖公会讃美歌』1891年版・1892年版 第三十四 ともよみな [20][21]
  • 『基督教聖歌集』1891年版・1895年版 未収録
  • 『古今聖歌集』1902年版 [未確認]
  • 『讃美歌』1903年版 未収録
  • 『讃美歌第二篇』1910年版 第六十四 ああベツレヘムよ [22]
  • 『讃美歌第一編』(『讃美歌』1915年再版) [未調査]
  • 『古今聖歌集』1922年版 第四十八 ふゆのよふけゆき [23]
  • 『讃美歌』1931年版 [未確認]
※今のところ確認できた、「ああベツレヘムよ」の最も早い掲載は『讃美歌第二篇』1910年版です。『古今聖歌集』1922年版は別の訳詞なので、1902年版も同様と推測しています。
What a Friend We Have in Jesus(いつくしみ深き
  • 『新撰讃美歌』1888年版・1890年版・1891年版 第百六十 たへにたふとしや [24][25][26]
  • 『聖公会讃美歌』1891年版・1892年版 未収録
  • 『基督教聖歌集』1891年版 第百卅六 みのうさつらさも [27]
  • 『基督教聖歌集』1895年版 第二百卅五 みのうさつらさも [28]
  • 『古今聖歌集』1902年版 [未確認]
  • 『讃美歌』1903年版 第二百四十三 たふときわが友 [29]
  • 『讃美歌第一編』(『讃美歌』1915年再版) [未調査]
  • 『古今聖歌集』1922年版 第四百七十一 たふときわがとも [30]
  • 『讃美歌』1931年版 [未確認]
※今のところ、上記の讃美歌集に「いつくしみ深き」の掲載は確認できません。これも『古今聖歌集』1902年版は別の訳詞と推測しています。が、『讃美歌』1903年版と『古今聖歌集』1922年版の歌詞「たふときわが友」は「いつくしみ深き」と共通点が多く、元になっていると判断できます(当初の照合が不十分でした)。『古今聖歌集』1902年版もこれらと同じ歌詞だと推測しています。『讃美歌』1931年版の収録状況によりますが、“他の聖歌集にも掲載されている”というのは「たふときわが友」のことだとも考えられます。--庚寅五月 2011年2月17日 (木) 14:02 (UTC)  2011年2月18日 (金) 11:02 (UTC)、2011年2月18日 (金) 12:48 (UTC)、2011年2月19日 (土) 13:22 (UTC)修正返信
こんばんは。調査ありがとうございます。こんなに丁寧に調査していただけるなんて思っておらず、恐縮しております。
本日は、日本福音連盟の『新聖歌』(2001年、教文館)を借りてきました。4つともに掲載されております。巻末に「著作権一覧表」というのがありましたが、今回の4つについては掲載されておらず、現在主張されている著作権はないのではないかと思われます。天にはさかえについては、出典として「讃 98」と記載があり、この「讃」は『讃美歌』のことであると載っていますので、やはり1954年版『讃美歌』が出典となっているのでしょう。
天にはさかえのウィキペディアの歌詞の2番5行目が異なる件は、ウィキペディア執筆者の誤植ではないでしょうか。ここだけ訳を変えるっていうのはありえないのではないかと。
某図書館のOPECで検索したところ、おそらく1931年版の『讃美歌』と思われる本を取り寄せることができそうですので、明日取り寄せ依頼を出してきます。月曜には届くでしょう。『古今聖歌集』なのですが、1902年版はないのに「1900年版」と「1901年(12月)版」がみつかるという不思議な事態になっております。こちらはとりあえず明日からしあさってまでに参照してきます。
私も混乱してきて、どの本を参照したらいいかわからなくなってきました。参照すべき本がありましたら、私に参照可能な文献かもしれませんので、お申し出いただければと思います。
それと、User:Evangelicalさんに、この調査への協力を依頼するメールを送ってみました。最近Evangelicalさんは活動していらっしゃらないようですが、協力してくださるといいですね。--Ohgi 2011年2月18日 (金) 14:48 (UTC)返信
連日の調査たいへんご苦労様です。文献の取り寄せまで行っていただき、こちらこそ恐縮です。また、Evangelicalさんに調査協力を依頼していただきありがとうございます。協力が得られれば心強いですね。
さて、既にご存知のものがあるかもしれませんが、参考となりそうなタイトルの文献をお知らせします。直接的な調査をほとんどお任せする形になっており申し訳ないです。
  • 手代木俊一監修『明治期讃美歌・聖歌集成 第36巻 古今聖歌集』大空社、1998年7月 ※1902年(明治35年)版の復刻
  • 佐藤裕著『聖歌の友 : 古今聖歌集作詞者略解』聖公会出版、1986年1月
  • 佐藤裕著『聖歌のしらべ : 古今聖歌集作曲者略解』聖公会出版、1987年12月
  • 手代木俊一著『日本プロテスタント讃美歌・聖歌史事典 明治篇』港の人、2008年3月
「天にはさかえ」の差異については、おっしゃるように誤記かもしれません。ところで私はTranswikiの運用について明るくないのですが、Transwikiする場合、ウィキペディア側に元の歌詞情報は残さないということでしょうか。ウィキペディアにはパブリックドメインとなった歌詞を掲載している記事が少からず見られますが、プロジェクトとしてのウィキペディアに歌詞を掲載することの是非に関してはあまり議論の蓄積がないようなので(さしあたりw:Wikipedia:井戸端/subj/楽曲の項目の歌詞w:ノート:二宮尊徳#二宮金次郎 (唱歌) の統合に目を通しました)、今後論点になると思われます。--庚寅五月 2011年2月19日 (土) 13:22 (UTC)返信
とりあえず、『日本プロテスタント讃美歌・聖歌史事典 明治篇』は週明け月曜から閲覧可能です。それ以外もすべて参照可能なようですが、『明治期讃美歌・聖歌集成 第36巻 古今聖歌集』は参照は可能だけれども参照しにくい文献のようです(1904年の改訂版の原版の方が参照しやすいのはなぜだろう)。さしあたり、『聖歌の友 : 古今聖歌集作詞者略解』をみてみようかと思います。こちらは火曜日に見られると思います。transwikiの件はまた後日。--Ohgi 2011年2月19日 (土) 17:47 (UTC)返信
1931年版『讃美歌』を借りてくることができました。
  • 天にはさかえ」について、1954年版『讃美歌』と同じく「あめにはさかえ」であるものの微妙に違う歌詞が91番に出てきました。『讃美歌略解』74ページに、「邦訳は古語が改められた。」とありまして、各編の「今ぞ生まれし」のところが1931年版では「いまあれましし」になっているだけなので、この変更点の創作性は否定されるでしょう。
  • 聖なるせいなるせいなるかな」は54番にありまして、1954年版の歌詞とは「聖徒らも」が1931年版では「ひじりらも」になっている点が異なります。
  • ああベツレヘムよ」も106番に載っておりますが、1954年版とは3節がほとんど異なります。
  • いつくしみ深き」は、1954年版とまったく同じ歌詞で539番に載っていました。
それと、例の「1900年版」と「1901年(12月)版」の『古今聖歌集』もみてきました。内容は同一で、片方には歌詞だけが掲載されているものでした。「かみにはさかえ」「せいなるせいなる」はそれぞれ44番、111番に掲載されておりましたが、それぞれ「讃六十」「讃三十五」の注記がついておりました。この「讃」は1903年版『讃美歌』のことを指しているものと考えられますが、一年前に刊行されたものなのになぜそんな注記がついているのか不思議でたまりません。もっとも、図書館にあったものは明治43年12月1日発行の「第8版」だったので、改訂時につけたのかもしれません。なお、「ベツレヘム」はありませんでしたが、「いつくしみ」は「たふときわがとも」が390番にありました。
さて、明日届くと思っていた『聖歌の友 : 古今聖歌集作詞者略解』が今日届きました。本件の訳詞者に関する新しい情報はありませんでした。興味深いことに、1959年版『古今聖歌集』には23番に「ああベツレヘムよ」が掲載されておりますが、24番にも「ふゆのよふけゆき」が掲載されており、「古今には2通りの翻訳が収められている」(同書114ページ)のだそうです。調査は継続します。--Ohgi 2011年2月21日 (月) 13:26 (UTC)返信
引き続き調査いただきありがとうございます。「天にはさかえ」「いつくしみ深き」という歌い出しは、『讃美歌』では1931年版以降に掲載されているということになりますね。『古今聖歌集』の初版に関しては、『讃美歌』1903年版の序に「この事業[=共通讃美歌編纂事業]は明治三十四年八月に成り、計一百二十五首の讃美歌を得たり。これは共通讃美歌と称し、同年十二月日本聖公会にて用ゐるため出版せられたる古今聖歌集にまづ載せられつ。而してまたこの書にも編入せられたり。」[31]という記述がありました。つまり、「かみにはさかえ」「聖なるせいなる」「たふときわが友」の3曲は1901年8月にまとめられた共通讃美歌125曲に含まれる曲で、『古今聖歌集』初版、『讃美歌』1903年版双方に掲載されているようです。この経緯から考えると、初版に『讃美歌』の曲番が記載されている可能性もあり得るのかもしれません。出版年については、「譜附」の1902年(明治35年)版の存在は間違いないようですが[32][33][34][35]、1900年版というのは上記の序と矛盾するので、何らかの間違いということは考えられないでしょうか。1901年版については、もし、「歌詞だけが掲載されているもの」というのが1901年版の方であれば、「譜附」の前年に歌詞だけのものが発行されていたということになりそうですが、そうでない場合は解釈が難しいですね。
また、私の方では『讃美歌21略解』を参照することができましたが、日本語訳の成り立ちに関してはほとんど手がかりがありませんでした(「聖なる聖なる」「いつくしみ深い」「ああベツレヘムよ」の各項目では日本語訳に言及なし、「天にはさかえ」の新訳「聞け、天使の歌」の項目では「日本では、『讃美歌』(1903)以来、「あめにはさかえ」という歌いだしの格調高い翻訳で親しまれてきました。」という不正確な言及に止まっています。また、Ohgiさんの調査で旧『略解』に1954年版の訳詞者が明記されていることが判明している「血しおしたたる」、「いざ歌えいざ祝え」の項目も参考までに見てみましたが、どういうわけか日本語訳についての言及がありません)。--庚寅五月 2011年2月22日 (火) 11:59 (UTC)返信
ああ、報告を忘れておりました。『讃美歌21略解』は、一番最初に見て、調査の参考となる記述が載っていなかったものでした。お手間をとらせてしまい申し訳ないです。
さて、今日は『日本プロテスタント讃美歌・聖歌史事典 明治篇』を借りてくることができました。こちらは讃美歌集について書いてあるもので、讃美歌そのものについては詳しく語られてはいません。
『古今聖歌集』の件、歌詞だけの版が、1901年12月刊のもののようです。『日本プロテスタント讃美歌・聖歌史事典 明治篇』の242ページには、「『古今聖歌集』(歌詞だけの版)は、明治34[1901]年12月に刊行された」という記述があり、これとは矛盾しません。「1900年」というのはOPECがそう言っているもので、残念ながら「1900年版」にどう書いてあったかについてはメモしてくるのを忘れてしまいました(両方とも本の状態が非常に悪く複写不能。貴重書であったため、貸し出しも不可)。「間違い」というのは十分考えられるでしょう。しかし、これが1902年版『古今聖歌集』だというのはおそらく間違いない事実でしょう。
『日本プロテスタント讃美歌・聖歌史事典 明治篇』と『聖歌の友 : 古今聖歌集作詞者略解』に参考になりそうな文献が載っているため、今後はこちらを調べてみることにいたします。--Ohgi 2011年2月22日 (火) 13:15 (UTC)返信
『古今聖歌集』初版の疑問が解けました。継続調査よろしくお願いいたします。--庚寅五月 2011年2月23日 (水) 15:00 (UTC)返信
遅くなって申し訳ありませんが、現在までに調査していただいた情報を元に4曲の訳詞を改めて整理してみます。
1954年版の訳詞に関しては、『讃美歌略解』『讃美歌21略解』および、『讃美歌21』の「著作権一覧表」で具体的な訳詞者が確認できないということなので、少なくとも日本基督教団讃美歌委員会は団体名義の翻訳物として4曲を公表しているといえます(J-WIDでも、訳詞者は「讃美歌委員会」もしくは「日本基督教団讃美歌委員会」。著作権管理状況は「無信託」扱いで「消滅」ではないものの、「未確定」という注記があるため、初出もしくは初出の訳詞者が特定されていない状況だと推測されます)。1954年版の訳詞のうち、上記の資料とJ-WIDで具体的な訳詞者が確認できないものは、著作権法の規定により公表後50年を経た2005年に著作権が消滅したと判断できるのではないでしょうか。
1954年版以前の訳詞に関しては、少なくとも以下のものが確認できます(軽微なフレーズの変更は区別せず)。
天にはさかえ
  1. 『聖公会讃美歌』35番(かみにはさかえ)
  2. 『古今聖歌集』1901年版44番、『讃美歌』1903年版60番(かみにはさかえ) …復唱部分などを変更
  3. 『讃美歌』1931年版90番、同1954年版98番(天にはさかえ) …復唱部分などを変更
  4. 『讃美歌21』262番(聞け、天使の歌) …別の訳詞
聖なる聖なる聖なるかな
  1. 『聖公会讃美歌』96番(いときよきかな)
  2. 『古今聖歌集』1901年版111番、『讃美歌』1903年版35番、同1931年版54番、同1954年版66番(聖なるせいなる) …復唱部分などを変更
  3. 『讃美歌21』351番(聖なる聖なる) …別の訳詞
いつくしみ深き
  1. 『古今聖歌集』1901年版390番、『讃美歌』1903年版243番(たふときわが友)
  2. 『讃美歌』1931年版539番、同1954年版312番(いつくしみ深き) …復唱部分などを変更
  3. 『讃美歌21』493番(いつくしみ深い) …全体的に変更
ああベツレヘムよ
  1. 『讃美歌第二篇』1910年版、『讃美歌』1931年版106番(ああベツレヘムよ)
  2. 『讃美歌』1954年版66番(ああベツレヘムよ) …三番を変更
  3. 『讃美歌21』267番(ああベツレヘムよ) …別の訳詞
最初に「讃美歌委員会」名義で「天にはさかえ」「聖なる聖なる聖なるかな」「いつくしみ深き」が公表されたのは1901年、「ああベツレヘムよ」は1910年のようですが、当時の訳詞の著作権は旧著作権法第6条の規定により、公表後30年を経た1932年および1941年に消滅したと考えられます(既にご指摘のように『讃美歌』1903年版、『讃美歌第二篇』1910年版は国立国会図書館が保護期間満了と判断して画像を公開中。『古今聖歌集』は館内のみの公開ですが、これは編者の一人の没年が判明していないためと推測されます)。また1931年版で変更された訳詞の著作権についても、公表後30年を経た1962年に消滅したと考えられます。
なお、初出が特定できていないため、「讃美歌委員会」名義での公表以前に『聖公会讃美歌』以外にも元になる訳詞が公表されている可能性がありますが、『略解』や「著作権一覧表」に明記されていない以上、元の訳詞の著作権は既に消滅していると判断できるのではないでしょうか。
まだ不明確な部分もありますが、ご意見をいただければ幸いです。--庚寅五月 2011年2月25日 (金) 23:56 (UTC)返信
「せいなるせいなる」以外の3曲について、日本福音連盟の『新聖歌』では、それぞれ1954年版『讃美歌』を出典としており、現在ウィキソースに掲載されているものと歌詞が同一であることを確認しました。そして、巻末の「著作権一覧表」に、この3曲が掲載されていないことも確認しました。たとえば、日本聖公会系の聖歌集では日本聖公会が二次著作権を認めていないらしく、「著作権一覧表」には訳詞者の著作権は掲載されないようですが、こちら『新聖歌』では他の曲については訳詞者についても掲載されており、2001年の時点で訳詞者の著作権が切れているか、あっても主張されていないものと考えられます。
「せいなるせいなる」についても『新聖歌』の「著作権一覧表」には掲載されていませんでしたが、『新聖歌』では出典に「讃21」すなわち『讃美歌21』を使用しており、現在ウィキソースに掲載されている歌詞についてのものではありません。しかし、少なくとも1901年以前にこの歌詞を翻訳された方が、2011年の50年前まで生きていたとは考えにくいです。
以上により、理由は違うにしても、この4曲について著作権は切れているものと考えています。--Ohgi 2011年2月27日 (日) 12:26 (UTC)返信
お返事いただきありがとうございます。1954年版の著作権を確認できる「著作権一覧表」は『讃美歌21』ではなく『新聖歌』の方ですね。混乱があって申し訳ありません。初出の訳詞者個人の著作権が存続している可能性が考えにくい点は同感です。
なお、『讃美歌21』版の「聖なる聖なる」は1954年版とは別の訳詞といってもいいほど変更が加わっているようでして、明らかに著作権保護期間中と思われます。にもかかわらず一覧に掲載がないということは、『新聖歌』の一覧に掲載されているのは個人の著作権者のみで、団体名義の著作権者は表記されていないということでしょうか。もしそうであれば、一覧表に掲載がないことをもって著作権消滅と考えることは注意が必要だと思いますが、少なくとも訳詞者不明もしくは団体名義の翻訳物として扱われているという判断はできそうですね。
とりあえず現時点で1954年版以前の訳詞の著作権は消滅していると判断し、1903年版、1931年版の歌詞を追加しようと思います(1931年版については1954年5月の改訂版を参照できました。Transwikiが可能な「かみにはさかえ」「聖なるせいなる」1903年版は追加せず、ひとまず現状維持とします)。
『略解』に止まらず、複数の関係文献を継続的に調査していただき、誠にありがとうございました。ずいぶんお手数をかけていただき恐縮です。もし更に判明することがありましたら、お知らせいただければ幸いです。--庚寅五月 2011年2月28日 (月) 12:29 (UTC)返信
それなら、近いうちにまた『讃美歌21』を確認してまいります。できるようなら、一緒に『日本聖公会聖歌集』も確認してくることにいたします。
さて、『新聖歌』の「著作権一覧表」の最後の注記を見逃しておりました。4曲すべてについて「日本基督教団讃美歌委員会の承認を得て掲載。」という記載がございました。一番最後にまとめて掲載されていたため、見逃していたようです。申し訳ございません。
というわけなので、この4曲を掲載するには「日本基督教団讃美歌委員会の承認を得」なければならない可能性が発生してきました。
しかし、たとえば中山昌樹が翻訳したとされております『新聖歌』129番「ものみなこぞりて」(1954年版『讃美歌』では75番の模様、『讃美歌』と『略解』は今日返却してしまい、検証はしておりません)についても「日本基督教団讃美歌委員会の承認を得て掲載。」とありまして、日本基督教団讃美歌委員会は著作権の切れている曲についても承認を要求しているのでしょうか。これについても『讃美歌21』あるいは『日本聖公会聖歌集』で検証してくることにいたします。
それと、1954年版『讃美歌』とその『略解』はまたすぐに借りることができますので、さらに検証してみます。--Ohgi 2011年2月28日 (月) 12:56 (UTC)返信
更にお手数をおかけして申し訳ありませんが、検証よろしくお願いいたします。
なお、『新聖歌』が出版された2001年当時は『讃美歌』1954年版出版後50年を経ておらず、個人名義ではない訳詞を1954年版から転載する場合には明らかに日本基督教団讃美歌委員会の許諾が必要だったはずなので、保護期間満了後の現在とは事情が変わってくると思われます。『新聖歌』出版の前年に著作権が消滅しているはずの中山昌樹訳の扱いの意味するところはよくわかりませんが、J-WIDでは「ものみなこぞりて」の訳詞者が日本基督教団讃美歌委員会名義のもの(作品コード:088-9564-3)と中山昌樹名義のもの(作品コード: 087-1470-3)の両方が見つかりますので、中山昌樹と讃美歌委員会の共同名義だったとも考えられます(両方とも讃美歌75番と併記されています。w:中山昌樹に記述がある讃美歌のうち「久しく待ちにし」は同様にデータが複数見つかりますが、「ちからの主を」「めぐみゆたけき主を」「父の神よ、夜は去りて」「エサイの根より」「もろびと声あげ」「いざうたえ」「貴きみかみよ」「まことなるみかみ」「いつわりの世に」は中山名義のものしか見つかりません)。
『日本聖公会聖歌集』の出版された2006年には1954年版の著作権が消滅しているはずなので、『日本聖公会聖歌集』で4曲がどう扱われているかは注目できると思います([36]を見たところでは、「いつくしみ深き」「ああベツレヘムよ」は1954年版が、「かみにはさかえ」は1901年以来の訳詞が収録されているようです)。
また『讃美歌21』に関しては、「聖なる聖なる」だけでなく「聞け、天使の歌」「ああベツレヘムよ」も『讃美歌』1954年版とはほぼ別の訳詞になっているようですので(「いつくしみ深い」も、別の訳詞というまでではないにしろ全体的に変更されているようです)、「著作権一覧表」によって訳詞が個人名義でないことは判断できても、1954年版の訳詞が保護期間中かどうかという判断はできないと思います。
いずれにしても、(1)「聖なるせいなる」以外の3曲の1954年版訳詞は少なくとも2001年時点までは団体名義の翻訳物として公表されていた、(2)これらの団体名義翻訳物としての著作権は2005年に消滅した、という部分は動かないのではないでしょうか(ひとまず編集の実行は見合わせます)。--庚寅五月 2011年3月1日 (火) 20:33 (UTC)返信
『日本聖公会聖歌集』を確認してきました。
『日本聖公会聖歌集』に掲載の歌詞は、1903年版と同じ「かみにはさかえ」以外wsに掲載されているものと同一でした。そして、うしろの方の「著作権一覧表」には、この4曲についての記載はありませんでした。由木康さんが邦訳した曲などについては、日本基督教団がどうとかかいてありましたが、この4曲についてはそのような記載もありませんでした。『新聖歌』には書いてあったのに『日本聖公会聖歌集』には書いてないということは、庚寅五月さんのご判断が正しいということなのでしょう。
さて、気になっていたのですが、聖なる聖なる聖なるかなの一番下にある詩は一体なんなんでしょう。私が調査した中では、どの聖歌集にも載っていなかったものです。検索した限りでは、このウェブサイトに載っているものと同一でした。このウェブサイトにも載っているようですが、「感謝の賛歌」というものなのでしょうか。出所・著作権が不明なので、あとから版指定削除ができるよう、除去しておくことにします。--Ohgi 2011年3月4日 (金) 13:45 (UTC)返信
調査ありがとうございます。一覧には『新聖歌』のような注記もないという理解で間違いないでしょうか。
補足になりますが、日本バプテスト連盟新生讃美歌編集委員会の『新生讃美歌』のサイトにウィキソース掲載のものと全く同じ表記で4曲が掲載されていることがわかりました([37][38][39][40]。「聖なる聖なる」は本文見本で版面自体も見ることができます)。このサイトには著作権保護期間中である「牧人ひつじを」「荒野のはてに」「きよしこの夜」といった歌詞が掲載されておらず、また日本バプテスト連盟が著作権を持つ歌詞には「Tr. (c) 1998 日本バプテスト連盟」などと明記されているので、4曲のように訳詞の著作権が明記されていないものは訳詞者不明もしくは保護期間満了として扱われていると考えられますが、由木康訳とされる「栄えの主イエスの」「血しおしたたる」が掲載されていたり、1901年頃から邦訳がある「天なる神には」「神共にいまして」「主よみもとに」「千歳の岩よ」「もろびとこぞりて」の本文が掲載されていなかったりするので断定はできません(後者は1954年版ではなく『讃美歌21』版なのかもしれません)。
「感謝の賛歌」については私も気になっていました。カトリックのミサ曲のようで、いつラテン語から日本語に訳出されたのかまでは分かりませんでしたが[41]によれば『公教聖歌集』(1948年)または『カトリック聖歌集』(1966年)に収録されているようです。また、ドイツ語訳から重訳されたものに『讃美歌』1954年版546番、『讃美歌第二編』1967年版85番および236番、『讃美歌21』83番があるようです([42][43][44])。共通讃美歌の「聖なるせいなる」とは「聖なるかな」という文言が共通ですが、「聖なる聖なる聖なるかな」という記事名の下に並列することが妥当なのかどうかは判断がつきません。--庚寅五月 2011年3月4日 (金) 23:30 (UTC)返信
『日本聖公会聖歌集』には、『新聖歌』と同じような日本基督教団がどうのという注記が最後に確かにありましたが、この4曲についてではなく、由木康が訳詞した作品などについての注記でした。
『新生讃美歌』のサイトを拝見しました。各曲と漢字表記まで同一ですね。削除された血しおしたたるについてもIRCで管理者にきいてみましたが、こちらも漢字表記まで同一だったそうです。おそらく、初版投稿者さんはこのサイトから歌詞をコピーして持ってきたのでしょうね。
「感謝の賛歌」について、それなら、「聖なる聖なる聖なるかな」の下に並列するのは明らかにおかしいでしょう。まったく違う曲なのですから。確認したところ、1954年版『讃美歌』の歌詞(『略解』290頁によると「邦訳者は由木康」)とは、冒頭の「聖なるかなせいなるかなせいなるかな」以外、まったく違うものでした。--Ohgi 2011年3月5日 (土) 07:19 (UTC)返信
お返事ありがとうございます。讃美歌委員会の許諾を得た形跡がない旨了解しました。なお、『新生讃美歌』のサイトは少なくとも2004年から現在と同じ状態で歌詞を掲載しており[45]、ご指摘のように底本となったことは十分考えられそうですが、そうなると著作権消滅が本当に2005年だったのか疑問です。ともあれ、前述の作業は実行に移します。
「聖なるかな」の並立に関しては、曖昧さ回避の方針如何で必ずしも排除されないと考えますが、原則的にはおっしゃるように区別した方がいいですね。ウィキソースではこのあたりの整備があまり進んでいないようです。--庚寅五月 2011年3月5日 (土) 12:21 (UTC)返信

ご迷惑おかけしました。

編集

こちらで訂正しますので有難うございます。--シックザール 2011年2月20日 (日) 08:16 (UTC)返信

ご協力ありがとうございました。--Ohgi 2011年2月20日 (日) 10:44 (UTC)返信