薩哈嗹州派遣軍民事手数料令

薩哈嗹州派遣軍民事手数料令（さがれんしゅうはけんぐんみんじてすうりょうれい）

• 法令番号: 大正9年薩軍令第13号
• 公布: 1920年（大正9年）9月21日 → 大正9年9月21日薩哈嗹軍政部官報第6号33頁
• 施行: 1920年（大正9年）9月21日 → 附則
• 改正前: 薩哈嗹州派遣軍民事手数料令/公布時
• 改正: 薩哈嗹州派遣軍民事手数料令中改正 → 薩哈嗹州派遣軍民事手数料令
• 失効: 1925年（大正14年）5月15日正午 → 日本国及「ソヴィエト」社会主義共和国聯邦間ノ関係ヲ律スル基本的法則ニ関スル条約議定書（甲）第3条 → 北「サガレン」行政ノ引渡及占領ノ終了ニ関スル細目協定第1条 → 薩哈嗹州派遣軍司令官布告 (1925年5月14日)
• 註: このページでは、法令沿革が不明なため現在表示されている文章が最新の条文（廃止・消滅・実効性喪失しているのならば、その直前の条文を指す。）という保証はできません。なお特に説明がない場合は、公布された直後の条文を載せています。
• 註: 本文中の漢字については、原則字体差を基準に選択した。本文中選択されている漢字の中にはデザイン差であると判断される場合もあるが、字体差とデザイン差の基準が必ずしも明確ではないため、デザイン差が判別でき、かつ技術的に表現できるUnicode（IVSを含む。）の範囲内で文字を選択した。デザイン差が判別できない、又は表現できない字形については、Unicodeにおける標準となる字体を選択した。
• 註: 以下のリストに掲載される漢字はJIS X 0208外の異体字であり、Unicode表のBMP（基本多言語面、0面）が正しく表示できない環境によっては正しく記されない可能性がある。尚U+FA30からU+FA60の文字は、JIS X 0213対応のフォント（IPAフォント等）による記述を行っている。

  • 凡例

    親字 → 異体字 (Unicode番号) ; 異体字の説明。

  • 郎 → 郞 (U+90DE) ; 偏が「良」となる字形
  • 内 → 內 (U+5167) ; 「人」の部分が「入」となる字形
  • 産 → 產 (U+7522) ; 「偐」の旁から「彡」を除き「生」を足した字形
  • 毎 → 每 (U+6BCF) ; 「毋」の部分が「母」となる字形
  • 難 → 難 (U+FA68) ; 艸冠が「廿」となり、9画目が上に飛び出る字形
  • 掲 → 揭 (U+63ED) ; 旁が「曷」となる字形
  • 者 → 者 (U+FA5B) ; 「偖」の旁部分となる字形
  • 状 → 狀 (U+72C0) ; 偏が「爿」となる字形
  • 絶 → 絕 (U+7D55) ; 7、8画目の部分が「刀」となる字形
  • 類 → 類 (U+F9D0) ; 「大」の部分が「犬」となる字形
  • 閲 → 閱 (U+95B1) ; 門構えを除いた部分が「兌」となる字形
  • 署 → 署 (U+FA5A) ; 「者」の部分が「偖」の旁部分となる字形
  • 告 → 吿 (U+543F) ; 「靠」の「非」を除いた字形
• 註: 異体字セレクタに対応したブラウザ及びフォントを利用することで、以下のリストのとおり原文に近い字体を表現することができます。対応していない場合は、基底となる文字がそのまま表示されます。
  • 號 → 號󠄂（U+865F U+E0102）
  • 派 → 派󠄄（U+6D3E U+E0104）
  • 遣 → 遣󠄃（U+9063 U+E0103）
  • 通 → 通󠄃（U+901A U+E0103）
  • 次 → 次󠄄（U+6B21 U+E0104）
  • 納 → 納󠄃（U+7D0D U+E0103）
  • 請 → 請󠄃（U+8ACB U+E0103）
  • 判 → 判󠄃（U+5224 U+E0103）
  • 公 → 公󠄃（U+516C U+E0103）
  • 又 → 又󠄂（U+53C8 U+E0102）
  • 前 → 前󠄃（U+524D U+E0103）
  • 遺 → 遺󠄃（U+907A U+E0103）
  • 消 → 消󠄃（U+6D88 U+E0103）
  • 更 → 更󠄃（U+66F4 U+E0103）
  • 謄 → 謄󠄃（U+8B04 U+E0103）
  • 吏 → 吏󠄄（U+540F U+E0104）
  • 契 → 契󠄅（U+5951 U+E0105）
  • 分 → 分󠄃（U+5206 U+E0103）
  • 及 → 及󠄃（U+53CA U+E0103）
  • 達 → 達󠄃（U+9054 U+E0103）
  • 扱 → 扱󠄃（U+6271 U+E0103）
  • 訟 → 訟󠄃（U+8A1F U+E0103）
  • 朝 → 朝󠄃（U+671D U+E0103）
  • 券 → 券󠄃（U+5238 U+E0103）
  • 幣 → 幣󠄃（U+5E63 U+E0103）
  • 起 → 起󠄃（U+8D77 U+E0103）
  • 過 → 過󠄃（U+904E U+E0103）
  • 半 → 半󠄃（U+534A U+E0103）
  • 障 → 障󠄂（U+969C U+E0102）
  • 成 → 成󠄃（U+6210 U+E0103）
  • 割 → 割󠄅（U+5272 U+E0105）
  • 認 → 認󠄃（U+8A8D U+E0103）
  • 全 → 全󠄃（U+5168 U+E0103）
  • 連 → 連󠄃（U+9023 U+E0103）
  • 文 → 文󠄃（U+6587 U+E0103）

○薩軍令第十三號󠄂

薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍民事手數料令左ノ通󠄃定ム

大正九年八月三十日

薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍司令官 兒島惣次󠄄郞

薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍民事手數料令

第一章 總則

第一條 薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍占領地域內ニ於テ取扱󠄃フ民事訴訟󠄃公󠄃證不動產證明及󠄃非訟󠄃事件ノ手數料ハ本令ニ依ル

第二條 千數料ハ帝國ノ通󠄃貨軍用手票又󠄂ハ朝󠄃鮮銀行券󠄃ヲ以テ納󠄃付ス可シ

第三條 訴訟󠄃物ノ價額、法律行爲ノ目的ノ價額、假差押ノ請󠄃求金額、判󠄃決和解ノ執行債權額競賣金額及󠄃財團價額ハ總テ帝國ノ貨幣󠄃ヲ以テ之ヲ算定ス

第四條 訴訟󠄃物ノ價格算定ニ關シテハ帝國民事訴訟󠄃法第三條乃至第六條ノ規定ヲ準用シ法律行爲ノ目的ノ價格算定ニ關シテハ帝國公󠄃證人手數料規則第三條乃至第十二條ノ規定ヲ準用ス

第二章 民事訴訟󠄃

第五條 財產上ノ請󠄃求ニ係ル訴訟󠄃ヲ提起󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ左ノ區別ニ依ル

訴訟󠄃物ノ價額    千數料

五拾圓迄    五圓

百圓迄    拾圓

參百圓迄    拾五圓

五百圓迄    貳拾圓

千圓迄    參拾圓

參千圓迄    四拾圓

五千圓迄    五拾圓

五千圓ヲ超過󠄃スルトキハ千圓ニ達󠄃スル迄每ニ五圓ヲ加フ

價額ヲ算定シ難キ訴訟󠄃物ノ價額ハ之ヲ百圓ト看做ス

第六條 財產權上ノ請󠄃求ニ非サル訴訟󠄃ヲ提起󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ拾圓トス

第七條 支拂命令ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ其ノ訴訟󠄃物ノ價額ニ從ヒ第五條ノ規定ニ依ル手數料ノ半󠄃額トス

異議ノ申立ニ因リ訴訟󠄃ヲ提起󠄃シタルモノト看做サレタル場合ニハ前󠄃項ノ手數料ハ之ヲ本訴訟󠄃ノ手數料ニ算入ス

第八條 左ニ揭クル申請󠄃又󠄂ハ申立ヲ爲ス場合ニ於ケル手數料ハ壹圓トス

一 故障󠄂、原狀囘復

二 假差押、假處分

三 從參加

四 證據調󠄃

五 判󠄃決又󠄂ハ和解ノ送󠄃達󠄃

六 判󠄃決書又󠄂ハ和解調󠄃書ノ正本、謄󠄄本、抄本下附

七 强制執行ノ停止、續行又󠄂ハ執行處分ノ取消󠄃

八 配當要󠄃求

九 差押､假差押､競賣調󠄃書ノ謄󠄄本下附

前󠄃項ノ場合ニ於テ外國語譯文󠄃ヲ要󠄃スルトキハ壹圓ヲ加フ

第九條 假差押ノ執行ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ左ノ區別ニ依ル

請󠄃求金額    手數料

百圓迄    壹圓

五百圓迄    貳圓

千圓迄    參圓

千圓ヲ超過󠄃スルトキ  五圓

第十條 判󠄃決又󠄂ハ和解ノ執行ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ左ノ區別ニ依ル

執行債權額    手數料

百圓迄    壹圓五拾錢

五百圓迄    參圓

千圓迄    五圓

千圓ヲ超過󠄃スルトキハ千圓ニ達󠄃スル迄每ニ貳圓ヲ加フ

第十一條 假差押ヲ爲シタルモノニシテ本執行ヲ爲スヘキ場合ハ假差押ノ手數料ハ之ヲ本執行ノ手數料ニ算入ス

第十二條 假處分󠄃執行ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ貳圓トス

第十二條ノ二 差押財產ノ競賣ニ付テノ手數料ハ左ノ區別ニ依ル

競賣金額    手數料

五拾圓迄    貳圓

百圓迄    參圓

五百圓迄    五圓

千圓迄    八圓

千圓ヲ超過󠄃スルトキハ千圓ニ達󠄃スル迄每ニ貳圓ヲ加フ

第三章 公󠄃證

第十三條 法律行爲ニ付テノ證書作成󠄃ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ左ノ區別ニ依ル

法律行爲ノ目的ノ價額 手數料

百圓迄    壹圓

貳百五拾圓迄    壹圓五拾錢

五百圓迄    貳圓

千圓迄    參圓

參千圓迄    四圓

五千圓迄    五圓

五千圓ヲ超過󠄃スルトキハ五千圓ニ達󠄃スル迄每ニ壹圓ヲ加フ

第十四條 左ニ揭クル事項ニ付證書作成󠄃ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ前󠄃條ノ區別ニ從ヒ其ノ十分󠄃ノ五ノ割󠄅合トス

一 承認󠄃、許可又󠄂ハ同意

二 當事者見方ノ履行セサル契󠄅約解除

三 遺󠄃言ノ全󠄃部又󠄂ハ一部ノ取消󠄃

四 薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍公󠄃證令ニ依リ證書ニ作成󠄃セラレタル法律行爲ノ補充又󠄂ハ更󠄃正

第十五條 法律行爲ニ付テノ證書作成󠄃手數料ハ證書紙數四枚ヲ超過󠄃スルトキハ超過󠄃シタル部分󠄃ニ付一枚每ニ五拾錢ヲ加フ

第十六條 法律行爲ニ非サル事實ニ付テノ證書作成󠄃ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ證書一枚ニ付五拾錢トス

第十七條 祕密證書ニ依ル遺󠄃言狀ノ方式ニ關スル記載ヲ爲スコトヲ申請󠄃シ又󠄂ハ委任狀、受取書若ハ拒絕證書ヲ作成󠄃スルコトヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ證書一通󠄃ニ付壹圓トス

第十八條 法律行爲ト共ニ之ト牽連󠄃スル事實ニ付證書ヲ作成󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ第十六條ノ例ニ依ル但シ其ノ額カ法律行爲ノミニ付テノ證書作成󠄃手數料ノ額ヨリ少ナキトキハ其ノ多キ額ニ依ル

第十九條 數個ノ牽連󠄃セサル事實ニ付證書ヲ作成󠄃スル場合ニ於テハ手數料ノ額ハ各事實ニ付之ヲ算定ス

第二十條 證書ノ正本、謄󠄃本、抄本又󠄂ハ附屬書類ノ謄󠄃本ヲ請󠄃求スル場合ニ於ケル手數料ハ一枚ニ付五拾錢トス

第二十一條 第十五條第十六條及󠄃前󠄃條ノ紙數ハ一行二十字詰二十四行ヲ以テ一枚トス但シ一枚ニ滿タサルモノト雖之ヲ一枚トス

第二十二條 證書ノ原本又󠄂ハ附屬書類ノ閱覽ヲ請󠄃求スル場合ニ於ケル手數料ハ一囘ニ付貳拾錢トス

第二十三條 公󠄃正證書ノ外國語譯文󠄃ノ下付ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ一行二十字詰十二行半󠄃枚ニ付壹圓トス但シ半󠄃枚言ニ滿タサルトキト雖之ヲ半󠄃枚トス

第二十三條ノ二 私署證書認󠄃證ノ手數料ハ公󠄃正證書作成󠄃手數料ノ半󠄃額トス

第二十四條 私署證書ニ確定日附ヲ附スルコトヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ每一件ニ付參拾錢トス

第四章 不動產證明

第二十五條 證明ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ每一筆ニ付貳圓トス

第二十六條 證明簿ノ謄󠄃本又󠄂ハ抄本ノ下付ヲ申請󠄃スル場合ニ於ケル手數料ハ一枚ニ付貳拾錢トス

前󠄃項ノ場合ニ於テ外國語譯文󠄃ノ下付ヲ申請󠄃スルトキハ一枚ニ付壹圓ヲ加フ

第二十七條 證明簿又󠄂ハ其ノ附屬書類ノ閱覽ヲ請󠄃求スル場合ニ於ケル手數料ハ一囘ニ付貳拾錢トス

第二十八條 證明官吏󠄄ノ決定又󠄂ハ處分󠄃ニ對シ抗吿ヲ爲ス場合ニ於ケル手數料ハ參圓トス

第五章 非訟󠄃事件

第二十九條 左ニ揭クル申請󠄃又󠄂ハ申立ヲ爲ス場合ニ於ケル手數料ハ第八條ノ例ニ依ル

一 假差押

二 證據調󠄃

三 裁判󠄃上代位

四 競賣

五 破產宣吿

六 支拂猶󠄄豫󠄂

七 配當要󠄃求

八 書類ノ正本、謄󠄄本、抄本下附

九 吿知、催吿、拒絕證書作成󠄃

前󠄃項以外ノ申請󠄃又󠄂ハ申立ヲ爲ス場合ニ於ケル手數料ハ五拾錢トス但シ外國語譯文󠄃ヲ要󠄃スルトキハ五拾錢ヲ加フ

第三十條 競賣ニ付テノ手敷料ハ第十二條ノ二ノ例ニ依ル

第三十一條 破產手續ニ付テノ手數料ハ破產財團中ノ貸方金額ニ應シ左ノ區別ニ依ル

財團價額    手數料

五拾圓迄    五圓

百圓迄    拾圓

五百圓迄    參拾圓

千圓迄    五拾圓

參千圓迄    八拾圓

五千圓迄    百圓

五千圓ヲ超過󠄃スルトキハ千圓ニ達󠄃スル迄每二拾圓ヲ加フ

協諧契󠄅約ニ依リ破產手續ヲ止メタルトキハ前󠄃項ノ手數料ヲ半󠄃額トス

附則

本令ハ公󠄃布ノ日ヨリ之ヲ施行ス