<<すべて神の栄を顕すやうに行ふべし>>
家を建築する者は壁を造らんと欲して縄線を角より角に引き、かくの如くして屋宇を成すときは、其の平面に少しも高低あらざるべし、此の如く実に我等も縄線にかへて左の言を用いん、『或は食ふか、或は他の何事を行ふか、すべて神の栄を顕すやうに行ふべし』〔コリンフ前十の三十一〕我等は或は祈祷せんか、或は禁食せんか、罪せんか或は免さんか、賞賛せんか或は非責せんか、出でんか或は入らんか、売らんか或は買はんか、黙せんか或は語らんか、或は他の何事を行はんか、すべて神の栄をあらはすやうに行はん、然れども神の栄を顕はすに助けざらんものは、行ふことも言ふことも必ず為すべからず、我等は此の格言を以て大なる鐵に代へ、武器又は盾に代へ、無数の宝に代へて、何の処にありとも、これを心に銘みて、自らこれを佩びん、我等且為し且言はんも、すべて神の栄をあらはさんやうに謀り、此世を逝りし後も、これによりて栄をうけんが為なり。