凡奉者當心,提者當帶。執天子之器則上衡,國君則平衡,大夫則綏之,士則提之。凡執主器,執輕如不克。執主器,操幣、圭、璧,則尚左手,行不舉足,車輪曳踵。立則磬折垂佩。主佩倚,則臣佩垂;主佩垂,則臣佩委。執玉:其有藉者,則裼;無藉者,則襲。
〈訳:NDLJP:1047122/105 凡そ奉ぐる者は心に當て、提ぐる者は帶に當つ。
天子の器を執れば則ち衡より上にし、國君には則ち衡と平にし、大夫には則ち之を綏し、士には則ち之
を提ぐ。
凡そ主の器を執れば、輕きを執るも克へざるが如くす。主の器を執り、幣圭璧を操れば、則ち左手を尚に
し、行くに足を擧げず、車輪のごとく踵を曳く。
NDLJP:1047122/106 立てば則ち磬折して佩を垂る。主の佩倚すれば則ち臣の佩垂れ、主の佩垂るれば則ち臣の佩委す。玉を執
るに、其の藉ある者は則ち裼し、藉無き者は則ち襲す。〉
國君不名卿老、世婦,大夫不名世臣、姪、娣,士不名家相、長妾。君、大夫之子,不敢自稱曰「余小子」;大夫、士之子,不敢自稱曰「嗣子某」,不敢與世子同名。
〈國君は卿老、世婦に名いはず。大夫は世臣、姪娣に名いはず。士は家相、長妾に名いはず。
NDLJP:1047122/107 君大夫の子は敢て自ら稱して余小子と曰はず。大夫士の子は敢て自ら稱して嗣子某と曰はず。敢て世子と
名を同じくせず。〉
君使士射,不能,則辭以疾;言曰:「某有負薪之憂。」侍於君子,不顧望而對,非禮也。
〈君士をして射せしむるに、能はざれば則ち辭するに疾を以てす。言つて曰く、某負薪の憂ありと。
NDLJP:1047122/108 君子に侍するとき、顧望せずして對ふるは禮に非ざるなり。〉
君子行禮,不求變俗。祭祀之禮,居喪之服,哭泣之位,皆如其國之故,謹脩[1]其法而審行之。去國三世,爵祿有列於朝,出入有詔於國;若兄弟宗族猶存,則反告於宗後。去國三世,爵祿無列於朝,出入無詔於國。唯興之日,從新國之法。
〈君子禮を行ふに、俗を變ずることを求めず。祭祀の禮、喪に居るの服、哭泣の位、皆其の國の故の如くし、
謹みて其の法を脩めて審かに之を行ふ。國を去る三世まで、爵祿朝に列する有れば、出入國に詔ぐる有
り。若し兄弟宗族猶ほ存すれば、則ち反りて宗の後に告ぐ。國を去る三世にして爵祿朝に列する無けれ
ば、出入國に詔ぐる無し。唯だ興るの日、新國の法に從ふ。〉
君子已孤不更名。已孤暴貴,不為父作謚。居喪,未葬,讀喪禮;既葬,讀祭禮;喪復常,讀樂章。居喪不言樂,祭事不言凶,公庭不言婦女。
〈NDLJP:1047122/109 君子已に孤なれば名を更めず。已に孤にして暴に貴ければ、父の爲に諡を作らず。
喪に居るに、未だ葬らざれば喪禮を讀み、既に葬れば祭禮を讀み、喪畢りて常に復れば樂章を讀む。喪に
居りては樂を言はず。祭事には凶を言はず。公庭には婦女を言はず。〉
振書、端書於君前,有誅。倒筴、側龜於君前,有誅。龜筴、几杖、席蓋、重素、袗絺綌,不入公門。苞屨、扱衽、厭冠,不入公門。書方、衰、凶器,不以告,不入公門。公事不私議。
〈NDLJP:1047122/110 君の前に書を振ひ書を端せば誅あり。君の前に筴を倒にし龜を側せば誅あり。
NDLJP:1047122/111 龜筴几杖、席葢重素、袗の絺綌しては公門に入らず。苞屨、扱衽、厭冠しては公門に入らず。書方、衰、
凶器は、以て告げざれば公門に入らず。公事は私議せず。〉
君子將營宮室:宗廟為先,廄庫為次,居室為後。
〈NDLJP:1047122/112 君子將に宮室を營まんとすれば、宗廟を先と爲し、廐庫を次と爲し、居室を後と爲す。〉
凡家造:祭器為先,犧賦為次,養器為後。無田祿者不設祭器;有田祿者先為祭服。君子雖貧,不粥祭器;雖寒,不衣祭服;為宮室,不斬於丘木。大夫、士去國,祭器不踰竟;大夫寓祭器於大夫,士寓祭器於士。大夫、士去國:踰竟,為壇位,鄉國而哭。素衣、素裳、素冠,徹緣,鞮屨、素簚,乘髦馬,不蚤鬋,不祭食,不說人以無罪;婦人不當御。三月而復服。大夫、士見於國君,君若勞之,則還辟,再拜稽首。君若迎拜,則還辟,不敢荅拜。大夫、士相見,雖貴賤不敵,主人敬客,則先拜客;客敬主人,則先拜主人。凡非弔喪,非見國君,無不荅拜者。大夫見於國君,國君拜其辱;士見於大夫,大夫拜其辱;同國始相見,主人拜其辱。君於士,不荅拜也;非其臣,則荅拜之。大夫於其臣,雖賤,必荅拜之。男女相荅拜也。
〈凡そ家の造るものは祭器を先と爲し、犧賦を次と爲し、養器を後と爲す。田祿無き者は祭器を設けず、田
祿有る者は先づ祭服を爲る。君子は貧しと雖も祭器を粥らず、寒しと雖も祭服を衣ず。宮室を爲るに丘木を斬らず。
NDLJP:1047122/113 大夫士國を去るとき、祭器は竟を踰えず。大夫は祭器を大夫に寓せ、士は祭器を士に寓す。
大夫士國を去るとき、竟を踰ゆれば壇位を爲り國に郷ひて哭し、素衣、素裳、素冠し、縁を徹し、鞮屨素
簚、髦馬に乘り、蚤鬘〔ママ〕せず、食を祭らず。人に説くに罪無きを以てせず。婦人御に當らず。三月にして而
して後に服に復る。
NDLJP:1047122/114 大夫士國君に見ゆるとき、君若し之を勞すれは則ち還辟し、再拜稽首す。君若し迎へ拜すれば則ち還辟し、
敢て答拜せず。
大夫士相見ゆるとき、貴賤敵せずと雖も、主人客を敬すれば則ち先づ客を拜し、客主人を敬すれば則ち先
づ主人を拜す。
凡そ喪を弔するに非ず、國君に見ゆるに非ざれば、答拜せざる者無し。
NDLJP:1047122/115 大夫國君に見ゆれば國君其の辱きを拜し、士大夫に見ゆれば大夫其の辱きを拜す。同國始めて相見れ
ば主人其の辱きを拜す。君は士に於ては答拜せず、其の臣に非ざれば則ち之に答拜す。大夫は其の臣に
於ては賤しと雖も必ず之に答拜す。男女は相答拜す。〉
國君春田不圍澤;大夫不掩群,士不取麛卵。
〈國君は春の田には澤を圍まず、大夫は羣を掩はず、士は麛卵を取らず。〉
歲凶,年穀不登,君膳不祭肺,馬不食穀,馳道不除,祭事不縣。大夫不食(梁)〔粱〕,士飲酒不樂。君無故,玉不去身;大夫無故,不徹縣;士無故,不徹琴瑟。士有獻於國君,他日,君問之曰:「安取彼?」再拜稽首而后對。大夫私行出疆,必請;反,必有獻。士私行出疆,必請;反,必告。君勞之,則拜;問其行,拜而后對。
〈NDLJP:1047122/116 歳凶にして年穀登らざれば、君の膳に肺を祭らず。馬は穀を食はず。馳道は除せず。祭事に縣せず。大夫
は粱を食はず。士は酒を飮むに樂せず。
君故無ければ玉は身を去らず。大夫故無ければ縣を徹せず。士故無ければ琴瑟を徹せず。
NDLJP:1047122/117 士國君に獻ずること有るに、他日君之に問うて、安くにか彼を取れると曰へば、再拜稽首して后に對ふ。
大夫私に行くに、疆を出づれば必ず請ふ。反れば必ず獻ずる有り。士私に行くに、疆を出づれば必ず請
ふ。反れば必ず告ぐ。君之を勞せば則ち拜す。其の行を問へば、拜して后に對ふ。〉
國君去其國,止之曰:「奈何去社稷也。」大夫,曰:「奈何去宗廟也!」士,曰:「奈何去墳墓也!」國君死社稷,大夫死眾,士死制。
〈NDLJP:1047122/118 國君其の國を去るとき、之を止むるに曰く、奈何ぞ社稷を去るやと。大夫には曰く、奈何ぞ宗廟を去るや
と。士には曰く、奈何ぞ墳墓を去るやと。國君は社稷に死し、大夫は衆に死し、士は制に死す。〉
君天下曰「天子」。朝諸侯,分職授政任功,曰「予一人」。踐阼,臨祭祀:內事曰「孝王某」,外事曰「嗣王某」。臨諸侯,畛於鬼神,曰「有天王某甫」。崩,曰「天王崩」。復,曰「天子復」矣。告喪,曰「天王登假」。措之廟,立之主,曰「帝」。天子未除喪,曰「予小子」。生名之,死亦名之。
〈天下に君たるに天子と曰ひ、諸侯を朝し、職を分け政を授け功に任ずるに、予一人と曰ふ。
NDLJP:1047122/119 阼を踐み祭祀に臨むに、内事には孝王某と曰ひ、外事には嗣王某と曰ふ。
諸侯に臨み、鬼神に畛するに、天王某甫ありと曰ふ。
崩ずるに天王崩ずと曰ひ、復するに天子復れと曰ふ。
NDLJP:1047122/120 喪を告ぐるに天王登假すと曰ひ、之が廟を措き、之が主を立つれば帝と曰ふ。天子未だ喪を除かざれば予
小子と曰ふ。生けるとき之に名いへば、死するにも亦之に名いふ。〉
天子有后,有夫人,有世婦,有嬪,有妻,有妾。天子建天官,先六大,曰大宰、大宗、大史、大祝、大士、大卜,典司六典。天子之五官:曰司徒、司馬、司空、司士、司寇,典司五眾。天子之六府:曰司土、司木、司水、司草、司器、司貨,典司六職。天子之六工:曰土工、金工、石工、木工、獸工、草工,典制六材。五官致貢曰享。
〈天子には后あり、夫人あり、世婦あり、嬪あり、妻あり、妾あり。
NDLJP:1047122/121 天子天官を建つるに六大を先にす。大宰、大宗、大史、大祀、大士、大卜と曰ひ、六典を典司す。天子の
五官を司徒、司馬、司空、司士、司寇と曰ひ、五衆を典司す。天子の六府を司土、司木、司水、司草、司
器、司貨と曰ひ、六職を典司す。天子の六工を土工、金工、石工、木工、獸工、艸工と曰ひ、六材を典制
す。五官貢を致すを享と曰ふ。〉
五官之長曰伯:是職方。其擯於天子也,曰「天子之吏」。天子同姓謂之「伯父」;異姓謂之「伯舅」。自稱於諸侯曰「天子之老」;於外曰「公」;於其國曰「君」。九州之長,入天子之國曰「牧」。天子同姓,謂之「叔父」,異姓謂之「叔舅」,於外曰「侯」,於其國曰「君」。其在東夷、北狄、西戎、南蠻,雖大曰「子」。於內自稱曰「不穀」,於外自稱曰「王老」。庶方小侯,入天子之國曰「某人」,於外曰「子」,自稱曰「孤」。天子當依而立。諸侯北面而見天子,曰覲。天子當宁而立,諸公東面,諸侯西面,曰朝。
〈NDLJP:1047122/122 五官の長を伯と曰ふ、是れ方を職る。其の天子に擯するや天子の吏と曰ふ。天子は同姓なれば之を伯父
と謂ひ、異姓なれば之を伯舅と謂ふ。自ら諸侯に稱するに天子の老と曰ひ、外に於ては公と曰ひ、其の國
に於ては君と曰ふ。九州の長天子の國に入りては牧と曰ふ。天子は同姓なれば之を叔父と謂ひ、異姓なれ
ば之を叔舅と謂ふ。外に於ては侯と曰ひ、其の國に於ては君と曰ふ。其の東夷、北狄、西戎、南蠻に在る
は、大なりと雖も子と曰ひ、内に於ては自ら稱して不穀と曰ひ、外に於ては自ら稱して王老と曰ふ。庶方
の小侯天子の國に入りては某人と曰ひ、外に於ては子と曰ひ、自ら稱して孤と曰ふ。
NDLJP:1047122/124 天子依に當りて立ち、諸侯北面して天子に見ゆるを覲と曰ふ。天子宁に當りて立ち、諸公は東面し、諸侯
は西面するを朝と曰ふ。〉
諸侯未及期相見,曰遇;相見於郤地,曰會;諸侯使大夫問於諸侯,曰聘;約信,曰誓;涖牲,曰盟。
〈諸侯未だ期に及ばずして相見ゆるを遇と曰ひ、卻地に相見ゆるを會と曰ふ。諸侯大夫をして諸侯を問はし
むるを聘と曰ふ。約信を誓と曰ひ、牲に涖むを盟と曰ふ。〉
諸侯見天子曰「臣某侯某」;其與民言,自稱曰「寡人」。其在凶服,曰「適子孤」。臨祭祀,內事曰「孝子某侯某」,外事曰「曾孫某侯某」。死曰「薨」,復曰「某甫復矣」。既葬見天子曰類見。言謚曰類。諸侯使人使於諸侯,使者自稱曰「寡君之老」。天子穆穆,諸侯皇皇,大夫濟濟,士蹌蹌,庶人僬僬。天子之妃曰后,諸侯曰夫人,大夫曰孺人,士曰婦人,庶人曰妻。公、侯有夫人,有世婦,有妻,有妾。夫人自稱於天子曰「老婦」;自稱於諸侯曰「寡小君」;自稱於其君曰「小童」。自世婦以下,自稱曰「婢子」。子於父母則自名也。列國之大夫入天子之國曰「某士」,自稱曰「陪臣某」。於外曰「子」,於其國曰「寡君之老」。使(者)自稱曰「某」。
〈NDLJP:1047122/125 諸侯天子に見ゆるに臣某侯某と曰ひ、其の民と言ふときは自ら稱して寡人と曰ひ、其の凶服に在るときは
適子孤と曰ひ、祭祀に臨むに、内事には孝子某侯某と曰ひ、外事には曾孫某侯某と曰ふ。死するに薨ずと
曰ひ、復するに某甫復れと曰ふ。既に葬りて天子に見ゆるを類見と曰ひ、諡を言ふを類と曰ふ。諸侯人を
して諸侯に使ひせしむるとき、使者自ら稱して寡君の老と曰ふ。
NDLJP:1047122/126 天子は穆穆たり。諸侯は皇皇たり。大夫は濟濟たり。士は蹌蹌たり。庶人は僬僬たり。
天子の妃を后と曰ひ、諸侯に夫人と曰ひ、大夫に孺人と曰ひ、士に婦人と曰ひ、庶人に妻と曰ふ。公侯は
夫人あり、世婦あり、妻あり妾あり。夫人自ら天子に稱して老婦と曰ひ、自ら諸侯に稱して寡小君と曰ひ、
自ら其の君に稱して小童と曰ふ。世婦より以下自ら稱して婢子と曰ふ。子は父母に於ては則ち自ら名い
ふ。列國の大夫、天子の國に入るときは某士と曰ひ、自ら稱して陪臣某と曰ひ、外に於ては子と曰ひ、其
の國に於ては寡君の老と曰ひ、使者自ら稱して某と曰ふ。〉
天子不言出,諸侯不生名。君子不親惡;諸侯失地,名;滅同姓,名。為人臣之禮:不顯諫;三諫而不聽,則逃之。子之事親也:三諫而不聽,則號泣而隨之。
〈NDLJP:1047122/127 天子には出づと言はず。諸侯は生けるに名いはず。君子は惡に親しまず。諸侯地を失へば名いひ、同姓を
滅ぼせば名いふ。
NDLJP:1047122/128 人臣たるの禮は顯はに諫めず。三たび諫めて聽かれざれば則ち之を逃る。
子の親に事ふるや、三たび諫めて聽かれざれば則ち號泣して之に隨ふ。〉
君有疾,飲藥,臣先嘗之;親有疾,飲藥,子先嘗之。醫不三世,不服其藥。儗人必於其倫。
〈NDLJP:1047122/129 君疾ありて藥を飮めば、臣先づ之を嘗む。親疾ありて藥を飮めば、子先づ之を嘗む。醫は三世ならざれば
其の藥を服せず。
人を儗するは必ず其の倫に於てす。〉
問天子之年,對曰:「聞之,始服衣若干尺矣。」問國君之年:長,曰:「能從宗廟、社稷之事矣。」幼,曰:「未能從宗廟、社稷之事也。」問大夫之子:長,曰:「能御矣」;幼,曰:「未能御也。」問士之子:長,曰:「能典謁矣。」幼,曰:「未能典謁也。」問庶人之子:長,曰:「能負薪矣。」幼,曰:「未能負薪也。」
〈NDLJP:1047122/130 天子の年を問へば、對へて曰く、之を聞く始めて衣を服すること若干尺なりと。國君の年を問へば、長に
は能く宗廟社稷の事に從ふと曰ひ、幼には未だ宗廟社稷の事に從ふこと能はずと曰ふ。大夫の子を問へ
ば、長には能く御すと曰ひ、幼には未だ御すること能はずと曰ふ。士の子を問へば、長には能く謁を典る
と曰ひ、幼には未だ謁を典ること能はずと曰ふ。庶人の子を問へば、長には能く薪を負ふと曰ひ、幼に
は未だ薪を負ふこと能はずと曰ふ。〉
問國君之富,數地以對,山澤之所出。問大夫之富,曰:「有宰食力,祭器、衣服不假。」問士之富,以車數對。問庶人之富,數畜以對。
〈NDLJP:1047122/131 國君の富を問へば、地を數へて以て山澤の出だす所を對へ、大夫の富を問へば、宰あり力を食み、祭器衣
服は假らずと曰ひ、士の富を問へば、車の數を以て對へ、庶人の富を問へば、畜を數へて以て對ふ。〉
天子祭天地,祭四方,祭山川,祭五祀,歲徧。諸侯方祀,祭山川,祭五祀,歲徧。大夫祭五祀,歲徧。士祭其先。
〈天子は天地を祭り、四方を祭り、山川を祭り、五祀を祭り、歳ごとに徧し。諸侯は方祀し、山川を祭り、
五祀を祭り、歳ごとに徧し。大夫は五祀を祭り、歳ごとに徧し。士は其の先を祀る。〉
凡祭,有其廢之,莫敢舉也;有其舉之,莫敢廢也。非其所祭而祭之,名曰淫祀。淫祀無福。
〈NDLJP:1047122/132 凡そ祭は其の之を廢すること有れば、敢て擧ぐること莫し。其の之を擧ぐること有れば、敢て廢すること
莫し。其の祭るべき所に非ずして之を祭るを、名づけて淫祀と曰ふ。淫祀は福無し。〉
天子以犧牛,諸侯以肥牛,大夫以索牛,士以羊豕。支子不祭,祭必告于宗子。
〈NDLJP:1047122/133 天子は犧牛を以てし、諸侯は肥牛を以てし、大夫は索牛を以てし、士は羊豕を以てす。
支子は祭らず、祭るときは必ず宗子に告ぐ。〉
凡祭宗廟之禮:牛曰一元大武,豕曰剛鬣,豚曰腯肥,羊曰柔毛,雞曰翰音,犬曰羹獻,雉曰疏趾,兔曰明視,脯曰尹祭,槀魚曰商祭,鮮魚曰脡祭,水曰清滌,酒曰清酌,黍曰薌合,(梁)〔粱〕曰薌萁,稷曰明粢,稻曰嘉蔬,韭曰豐本,鹽曰鹹鹺,玉曰嘉玉,幣曰量幣。
〈凡そ宗廟を祭るの禮には、牛を一元大武と曰ひ、豕を剛鬣と曰ひ、豚を腯肥と曰ひ、羊を柔毛と曰ひ、鶏
を翰音と曰ひ、犬を羹獻と曰ひ、雉を疏趾と曰ひ、兎を明視と曰ひ、脯を尹祭と曰ひ、槀魚を商祭と曰ひ、
鮮魚を脡祭と曰ひ、水を清滌と曰ひ、酒を清酌と曰ひ、黍を薌合と曰ひ、粱を薌萁と曰ひ、稷を明粱〔ママ〕と曰
ひ、稻を嘉蔬と曰ひ、韭を豐本と曰ひ、鹽を鹹鹺と曰ひ、玉を嘉玉と曰ひ、幣を量幣と曰ふ。〉
天子死曰「崩」,諸侯曰「薨」,大夫曰「卒」,士曰「不祿」,庶人曰「死」。在床曰屍,在棺曰柩。羽鳥曰降,四足曰漬。死寇曰兵。祭王父曰「皇祖考」,王母曰「皇祖妣」。父曰「皇考」,母曰「皇妣」。夫曰「皇辟」。生曰父,曰母,曰妻;死曰考,曰妣,曰嬪。壽考曰卒,短折曰不祿。
〈NDLJP:1047122/134 天子死するを崩ずと曰ひ、諸侯には薨ずと曰ひ、大夫には卒すと曰ひ、士には不祿と曰ひ、庶人には死す
と曰ふ。牀に在るを尸と曰ひ、棺に在るを柩と曰ふ。
NDLJP:1047122/135 羽鳥には降と曰ひ、四足には漬と曰ふ。
寇に死するを兵と曰ふ。王父を祭るに皇祖考と曰ひ、王母には皇祖妣と曰ひ、父には皇考と曰ひ、母には
皇妣と曰ひ、夫には皇辟と曰ふ。
生けるには父と曰ひ、母と曰ひ、妻と曰ひ、死せるには考と曰ひ、妣と曰ひ、嬪と曰ふ。
NDLJP:1047122/136 壽考を卒と曰ひ、短折を不祿と曰ふ。〉
天子,視不上於袷,不下於帶;國君,綏視;大夫,衡視;士,視五步。凡視:上於面,則敖;下於帶,則憂;傾,則姦。
〈天子をば視ること袷より上げず、帶より下さず。國君をば綏視し、大夫をば衡視し、士をば視ること五歩
ばかりす。凡そ視ること面より上ぐれば則ち敖り、帶より下せば則ち憂へ、傾けば則ち姦なり。〉
君命,大夫與士肄。在官言官,在府言府,在庫言庫,在朝言朝。朝言不及犬馬。輟朝而顧,不有異事,必有異慮。故輟朝而顧,君子謂之固。在朝言禮,問禮,對以禮。大饗不問卜,不饒富。
〈NDLJP:1047122/137 君命ずれば大夫は士と肄ふ。官に在りては官を言ひ、府に在りては府を言ひ、庫に在りては庫を言ひ、朝
に在りては朝を言ふ。朝言は犬馬に及ばず。朝を輟めて顧みるものは、異事有らざれば必ず異慮有り。故
に朝を輟めて顧みるを君子は之を固と謂ふ。朝に在りては禮を言ひ、禮を問へば對ふるに禮を以てす。
大饗には卜に問はず、饒富ならず。〉
凡摰,天子鬯,諸侯圭,卿羔,大夫鴈,士雉,庶人之摰匹;童子委摰而退。野外軍中無摰,以纓、拾、矢,可也。婦人之摰,椇、榛、脯、脩、棗、栗。
〈NDLJP:1047122/138 凡そ摯は、天子は鬯、諸侯は圭、卿は羔、大夫は鴈、士は雉、庶人の摯は匹。童子は摯を委して退く。野
外軍中にて摯無きときは纓、拾、矢を以てするも可なり。婦人の摯は椇、榛、脯、脩、棗、栗。〉
納女於天子,曰「備百姓」;於國君,曰「備酒漿」;於大夫,曰「備埽灑」。
〈NDLJP:1047122/139 女を天子に納るゝには百姓に備ふと曰ひ、國君に於ては酒漿に備ふと曰ひ、大夫に於ては埽灑に備ふと曰
ふ。〉
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