祝日大祭日歌詞並楽譜

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文部省告示第三号

小学校ニ於テ祝日大祭日ノ儀式ヲ行フノ際唱歌用ニ供スル歌詞並楽譜別冊ノ通リ撰定ス

明治二十六年八月十二日

文部大臣 井上毅


文部省告示第三号別冊











 

君が代
広守作曲

きみは。 ちよにやちよに。
さゞれいしの。 いはほとなりて。
こけのむすまで。


 

勅語奉答 勝安作歌
小山作之助作曲

あやにかしこき 天皇すめらぎの。
あやにたふとき 天皇すめらぎの。
あやにたふとく かしこくも。
くだたまへり 大勅語おほみこと
これぞめでたき もとの。
くにをしへの もとゐなる。
これぞめでたき もとの。
ひとをしへの かゞみなる。
あやにかしこき 天皇すめらぎの。
勅語みことのまゝに いそしみて。
あやにたふとき 天皇すめらぎの。
大御心おほみこゝろに こたへまつらむ。


 

一月一日 千家尊福作歌
真行作曲
第一章

としのはじめの ためしとて。
をはりなきの めでたさを。
松竹まつたけたてゝ かどごとに。
いはふ今日けふこそ たのしけれ。

第二章

初日はつひのひかり あきらけく。
をさまる御代みよの 今朝けさのそら。
きみがみかげに たぐへつゝ。
あふるこそ たふとけれ。


 

元始祭 鈴木重嶺作歌
葛鎮作曲

天津日嗣あまつひつぎの 際限きはみなく。
天津璽あまつしるしの うごきなく。
としのはじめに 皇神すめがみを。
まつりますこそ かしこけれ。
四方よもたみくさ うちなびき。
長閑のどけきそらを うちあふぎ。
豊栄とよさかのぼる 日[1]御旗みはた
たてゝはゝぬ 家[1]ぞなき。


 

紀元節 高崎正風作歌
伊沢修二作曲
第一章

くもそびゆる高千穂たかちほの。高根たかねおろしにくさ
も。なびきふしけん大御世おほみよを。あふ
今日けふこそたのしけれ。

第二章

海原うなばらなせる埴安はにやすの。いけのおもよりなほ
ろき。めぐみのなみみしを。あふぐ
けふこそたのしけれ。

第三章

天津あまつひつぎのたかみくら。千代ちよよろづよ
うごきなき。もとゐさだめしそのかみを。
あふぐけふこそたのしけれ。

第四章

そらにかゞやくのもとの。よろづくににた
ぐひなき。くにのみはしらたてしを。あ
ふぐけふこそたのしけれ。


 

神嘗祭 木村正辞作歌
高節作曲

五十鈴いすゞみやの 大前おほまへに。
今年ことしあきの 懸税かけぢから
御酒みき御帛みてぐらを たてまつり。
いはふあしたの 朝日あさひかげ。
なび御旗みはたも かゞやきて。
にぎは御代みよこそ めでたけれ。


 

天長節 黒川真頼作歌
好義作曲

今日けふは 大君おほきみの。
うまれたまひし なり。
今日けふは ひかりの。
さしたまひし なり。
ひかりあまねき きみを。
いはへ諸人もろびと もろともに。
めぐみあまねき きみを。
いはへ諸人もろびと もろともに。


 

新嘗祭 小中村清矩作歌
節作曲

たみやすかれと 二月きさらぎの。
祈年祭としごひまつりしるしあり。
千町ちまち小田おたに うちなびく。
垂穂たりほいねの 美稲うましいね
御饌みけにつくりて たてまつる。
新嘗祭にひなめまつりたふとしや。


正誤

本月十二日官報附録文部省告示第三号別冊祝日大祭日歌詞並楽譜四頁元始祭ノ歌詞中「日の御旗」ノ日(ひ)
ト「家ぞなき」ノ家(いへ)トノ傍訓ヲ脱ス文部書記官


  1. 1.0 1.1 正誤の箇所。

関連項目

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外部リンク

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この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。