文部省告示第三号別冊
君が代は。 ちよにやちよに。
さゞれいしの。 巌となりて。
こけのむすまで。
あやに畏き 天皇の。
あやに尊き 天皇の。
あやに尊く 畏くも。
下し賜へり 大勅語。
是ぞめでたき 日の本の。
国の教の 基なる。
是ぞめでたき 日の本の。
人の教の 鑑なる。
あやに畏き 天皇の。
勅語のまゝに 勤みて。
あやに尊き 天皇の。
大御心に 答へまつらむ。
第一章
年のはじめの 例とて。
終りなき世の めでたさを。
松竹たてゝ 門ごとに。
いはふ今日こそ たのしけれ。
第二章
初日のひかり あきらけく。
治まる御代の 今朝のそら。
君がみかげに 比へつゝ。
仰ぎ見るこそ たふとけれ。
天津日嗣の 際限なく。
天津璽の 動きなく。
年のはじめに 皇神を。
祭りますこそ かしこけれ。
四方の民くさ うち靡き。
長閑けき空を うち仰ぎ。
豊栄のぼる 日[1]の御旗。
たてゝ祝はゝぬ 家[1]ぞなき。
第一章
雲に聳ゆる高千穂の。高根おろしに草
も木も。なびきふしけん大御世を。仰ぐ
今日こそたのしけれ。
第二章
海原なせる埴安の。池のおもより猶ひ
ろき。めぐみの波に浴みし世を。あふぐ
けふこそたのしけれ。
第三章
天津ひつぎの高みくら。千代よろづよ
に動きなき。もとゐ定めしそのかみを。
仰ぐけふこそたのしけれ。
第四章
空にかゞやく日のもとの。万の国にた
ぐひなき。国のみはしらたてし世を。あ
ふぐけふこそたのしけれ。
五十鈴の宮の 大前に。
今年の秋の 懸税。
御酒御帛を たてまつり。
祝ふあしたの 朝日かげ。
靡く御旗も かゞやきて。
賑ふ御代こそ めでたけれ。
今日の吉き日は 大君の。
うまれたまひし 吉き日なり。
今日の吉き日は 御ひかりの。
さし出たまひし 吉き日なり。
ひかり遍ねき 君が代を。
いはへ諸人 もろともに。
めぐみ遍ねき 君が代を。
いはへ諸人 もろともに。
民やすかれと 二月の。
祈年祭 験あり。
千町の小田に うち靡く。
垂穂の稲の 美稲。
御饌につくりて たてまつる。
新嘗祭 尊しや。
本月十二日官報附録文部省告示第三号別冊祝日大祭日歌詞並楽譜四頁元始祭ノ歌詞中「日の御旗」ノ日(ひ)
ト「家ぞなき」ノ家(いへ)トノ傍訓ヲ脱ス文部書記官
- 底本:
- 底本中の旧字を新字に改めた。また、変体仮名は現在用いられる仮名に改めた。
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- 註: この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。
- 脚註:
- ↑ 1.0 1.1 正誤の箇所。
この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。
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