○薩軍令第十八號󠄂

狩獵規則左ノ通󠄃定ム

大正九年八月三十日

薩哈嗹州派󠄄遣󠄃軍司令官 兒島惣次󠄄

狩獵規則

第一條 本則ニ於テ狩獵ト稱󠄃スルハ銃器、網又󠄂ハ罠等ノ獵具󠄄ヲ以テ烏獸ヲ捕獲スルヲ謂フ

第二條 狩獵ヲ爲サムトスル者ハ左記事項ヲ具󠄄シ所󠄃轄󠄅軍政署又󠄂ハ同支署ノ免許ヲ受クヘシ

一 本社、居住󠄃地、職󠄃業、氏名、出生年月日

二 狩獵ノ目的及󠄃其ノ地域

三 獵具󠄄ノ種類

前󠄃項第二號󠄂又󠄂ハ第一號󠄂ノ事項ヲ變更󠄃セムトスルトキハ更󠄃ニ前󠄃項ノ手續ヲナスヘシ

第三條 左ニ揭クル者ニハ免許狀ヲ附與セス

一 未成󠄃年者

二 白痴、瘋癲者

第四條 免許狀ノ有效期間ハ每年八月一日ヨリ翌󠄃年七月三十一日迄トス

第五條 免許狀ハ前󠄃條期間經過󠄃後三十日以內所󠄃轄󠄅軍政署又󠄂ハ同支署ニ返納スヘシ

第六條 免許狀ヲ亡失毀滅シタルトキハ其ノ再下附ヲ所󠄃轄󠄅軍政署同支署ニ請󠄃求スヘシ

第七條 免許狀ヲ受ケタル者第二條第一號󠄂ニ異動ヲ生シタルトキハ三十日以內ニ所󠄃轄󠄅軍政署又󠄂ハ同支署ニ屆出其ノ書換ヲ請󠄃求スヘシ

第八條 出獵ノ際ハ免許狀又󠄂ハ許可證ヲ携帶スヘシ

免許狀又󠄂ハ許可證ハ貸與又󠄂ハ讓渡ヲ爲スコトヲ得ス

第九條 保護期間內ハ保護鳥獸ノ狩獵ヲナスコトヲ得ス

保護鳥獸ノ種類、保護期間及󠄃禁獵區域ハ別ニ之ヲ定ム

第十條 爆發物、劇藥、毒藥、据銃又󠄂ハ陷穽其ノ他危險ナル裝置ヲ以テ鳥獸ヲ補獲スルコト得ス

第十一條 左ノ場所󠄃ニ於テ狩獵ヲ僞スコトヲ得ス

一 市街其ノ他人家稠密ノ場所󠄃及󠄃其ノ附近

二 社寺境󠄂內及󠄃墓地

三 禁獵區域

第十二條 日出前󠄃、日沒後ニ於テハ銃獵ヲナスコトヲ得ス

第十三條 學術硏究其ノ他特別ノ理由アルトキハ軍政署又󠄂ハ同支署許可ヲ得テ本則ノ禁止制限ニ拘ラス鳥獸ヲ捕獲スル事ヲ得但捕獲シタル鳥獸ハ之ヲ賣買スルコトヲ得ス

第十四條 第二條第八條第二項第九乃至第十二條第十三條但書ノ規定ニ違󠄄反シタル者又󠄂ハ詐僞ノ行爲ヲ以テ狩獵免除若ハ第十三條ノ許可ヲ受ケタル者ハ三百圓以下ノ過󠄃料二處ス

第十五條 第五條乃至第八條第一項ノ規定ニ違󠄄反シタル者ハ二十圓以下ノ過󠄃料ニ處ス

第十六條 狩獵免許又󠄂ハ第十三條ノ許可ヲ受ケタル者本則ニ違󠄄反シ處罰ヲ受ケタルトキハ其狩獵免許又󠄂ハ許可ハ效力ヲ失フ

附則

本令ハ公󠄃布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。