府県立師範学校通則

新字体

編集

○文部省達第拾弐号

府県立師範学校通則左ノ通相定候条此旨相達候事

明治十六年七月六日

文部卿福岡孝弟

府県立師範学校通則

第一条 府県立師範学校ハ教育令第三十三条ニ基キ此通則ニ遵ヒテ之ヲ設置シ忠孝彜倫ノ道ヲ本トシテ管内小学校ノ教員タルヘキ者ヲ養成スヘキモノトス

第二条 府県立師範学校ノ教則ハ文部省明治十四年八月第二十九号達師範学校教則大綱ニ拠ルヘキモノトス

第三条 府県立師範学校ハ管内学齢人員千人乃至千五百人ニ一人ノ率ニ当ルノ生徒ヲ養成スルニ足ルヘキ準備ヲナスヘキモノトス

但本文ノ率ニ当ル生徒中少クトモ三分ノ二ハ中等師範学科以上ノ者ヲ養成スヘキモノトス

第四条 府県立師範学校ハ学校長教諭助教諭訓導及書記ノ職員ヲ置クヘキモノトス

第五条 府県立師範学校長ハ品行端正ニシテ学校管理ノ任ニ堪フヘキ学力材幹アル者ヲ任用スヘキモノトス

第六条 府県立師範学校ハ教員中少クトモ三人ハ中学師範学科ノ卒業証書又ハ大学科ノ卒業証書ヲ有スル者ヲ任用スヘキモノトス

但本文ノ証書ヲ有セスト雖モ府知事県令ニ於テ相当ノ資格アリト認ムル者ハ文部卿ノ許可ヲ経テ之ニ代フルコトヲ得

第七条 府県立師範学校ハ修身其他諸科ノ教授上必須ノ図書及博物、物理、化学等ノ器械標本類ヲ備フヘキモノトス

第八条 府県立師範学校ハ生徒ヲ教授スルニ足ルヘキ教場、物理化学ノ試験室、体操場及寄宿舎、食堂、扣所、職員ノ詰所ヲ設クヘキモノトス

第九条 府県立師範学校生徒ノ寄宿費ハ学校ヨリ支給スヘキモノトス

但本文ノ寄宿費ハ府知事県令ノ意見ヲ以テ生徒ノ全部又ハ一部ニ限リ之ヲ貸付シ若クハ自弁セシムルコトヲ得

第十条 府県立師範学校ハ生徒実地練習ノ用ニ充ツルニ足ルヘキ附属小学校ヲ設ケ兼テ管内小学校ノ模範トナスヘキモノトス

第十一条 府県立師範学校ノ経費トシテ供給スヘキ金額ハ前条々ノ準備ヲ弁スルニ足ルヘキモノトス

第十二条 府県立師範学校設置廃止等ノ手続ハ文部省明治十四年一月第四号達府県立学校等設置廃止規則ニ拠ルヘキモノト


  • 底本中の旧字を新字に改めた。

関連項目

編集

外部リンク

編集
 

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。