出入国管理庁設置令
公布時
編集- 出入国管理庁設置令をここに公布する。
御名御璽
- 昭和二十五年九月三十日
内閣総理大臣 吉田 茂
政令第二百九十五号
- 出入国管理庁設置令
- 内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和二十年勅令第五百四十二号)に基き、この政令を制定する。
- (この政令の目的)
- 第一條
- この政令は、出入国管理庁の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。
- (設置)
- 第二條
- 外務省の外局として、出入国管理庁を設置する。
- 2 出入国管理庁の長は、出入国管理庁長官(以下「長官」という。)とする。
- (任務)
- 第三條
- 出入国管理庁は、外国人の出入国の管理、外国人の登録及び不法に本邦に入国した者の退去強制に関する事務を行うことを任務とする。
- (権限)
- 第四條
- 出入国管理庁は、この政令に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律(法律に基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。
- 一 予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。
- 二 所掌事務の遂行に直接必要な事務所等の施設を設置し、及び管理すること。
- 三 所掌事務の遂行に直接必要な事務用品等を調達すること。
- 四 不用財産を処分すること。
- 五 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理すること。
- 六 職員の厚生及び保健のため必要な施設をし、及び管理すること。
- 七 職員に貸與する宿舍を設置し、及び管理すること。
- 八 所掌事務に関する調査資料及び統計を收集し、頒布し、又は刊行すること。
- 九 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに従い、必要な措置をとること。
- 十 出入国管理庁の公印を制定すること。
- 十一 出入国の管理に関する政令(昭和二十四年政令第二百九十九号)第六條に規定する出国(出国の許可を受けた日から一年以内に本邦に再び入国する目的でする出国を含む。以下同樣とする。)の許可をすること。
- 十二 外国人登録令(昭和二十二年勅令第二百七号)による外国人の登録を行うこと。
- 十三 外国人登録令又は北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令(昭和二十五年政令第二百二十七号)による退去強制令書を発付し、及び執行すること。
- 十四 前各号に掲げるものの外、法律(法律に基く命令を含む。)に基き出入国管理庁に属せしめられた権限
- (内部部局)
- 第五條
- 出入国管理庁に、長官官房及び左の二部を置く。
- 第一部
- 第二部
- 2 長官官房においては、人事、会計及び文書に関する事務並びに渉外に関する事務をつかさどる。
- 3 第一部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
- 一 不法入国の取締に関する関係行政機関の事務の総合調整に関すること。
- 二 外国人登録令又は北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令よる退去強制令書(以下「退去強制令書」という。)の発付に関すること。
- 三 退去強制令書の執行に関すること。
- 四 入国者收容所の維持管理に関すること。
- 五 入国警備官の訓練に関すること。
- 4 第二部においては、左に掲げる事務をつかさどる。
- 一 出入国(出入国の管理に関する政令第一條に規定する出入国をいう。以下同じ。)に関する記録を整備すること。
- 二 出入国監理官の行う事務に関すること。
- 三 出入国の管理に関する政令第六條に規定する出国の許可に関する事務(出入国監理官の行うものを除く。)を行うこと。
- 四 前三号に掲げるものの外、出入国の管理に関すること。
- 五 外国人の登録に関する事務を行うこと。
- 5 前四項に定めるものを除く外、出入国管理庁の組織の細目は、長官が定める。
- (出入国監理官)
- 第六條
- 出入国に際し、権限のある公的機関の発行する旅券又はこれに代わるべき書類に証印させるため、及び出国の許可に関する事務を行わせるため、税関に、出入国監理官を置く。
- 2 長官は、出入国監理官の行う事務について税関長を指揮監督する。
- 3 出入国監理官が置かれる税関は、大蔵大臣が長官と協議して定める。
- (入国審査官及び入国審査官補)
- 第七條
- 出入国管理庁に、入国審査官及び入国審査官補を置く。
- 2 入国審査官は、退去強制令書の発付に関する事務を行う。
- 3 入国審査官は、退去強制令書の執行について入国警備官を指揮する。
- 4 入国審査官補は、入国審査官の命を受けて前二項の規定により入国審査官が行う事務に従事する。
- (入国警備官)
- 第八條
- 出入国管理庁に、入国警備官を置く。
- 2 入国警備官は、退去強制令書を執行し、及び入国者收容所における警備を行う。
- 3 入国警備官は、長官の定めるところにより、外国人登録令第三條又は北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令第一條の規定に違反する罪に関し、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察職員としての職務を行う。
- 第九條
- 入国警備官は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)及び一般職の職員の給與に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)の規定の適用については、警察職員とする。
- 2 入国警備官の階級は、国家公務員の職階制に関する法律(昭和二十五年法律第百八十号)に基く職務の分類が定められるまでは、政令で定める。
- 3 入国警備官の服制は、外務省令で定める。
- (武器の携帶及び使用)
- 第十條
- 入国警備官は、その職務を行うに当り、武器を携帶することができる。
- 2 入国警備官は、その職務の執行に関しその事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を與えてはならない。
- 一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六條又は第三十七條に該当するとき。
- 二 警察官若しくは警察吏員が第十七條の規定によつて入国警備官に引き渡した者又は退去強制令書の執行を受ける者が、その者に対する入国警備官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃走しようとする場合又は第三者がその者を逃がそうとして入国警備官に抵抗する場合において、これを防止するために他に手段がないと入国警備官において信ずるに足りる相当の理由のあるとき。
- (入国者收容所)
- 第十一條
- 出入国管理庁に、左の附属機関を置く。
- 入国者收容所
- 2 入国者收容所(以下「收容所」という。)は、退去強制令書の執行を受ける者を一時收容する機関とする。
- 第十二條
- 收容所の名称及び位置は、左の通りとする。
針尾入国者收容所 | 長崎県東彼杵郡江上村 |
- 第十三條
- 收容所に、所長及び所員を置く。
- 2 所長は、長官の指揮監督を受け、所務を掌理し、所員を指揮監督する。
- 3 所員は、所長の命を受けて收容所の維持管理に関する事務に従事する。
- 第十四條
- 前三條に規定するものを除く外、收容所の内部組織,被收容者の処遇、收容所における警備その他收容所に関し必要な事項は、長官が定める。
- (出張所)
- 第十五條
- 出入国管理庁に、第五條第三項第二号及び第三号に掲げる事務を分掌させるため、地方支分部局として、出張所を置く。
- 2 出張所の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。
名称 | 位置 | 管轄区域 |
---|---|---|
東京出張所 | 東京都 | 北海道 宮城県 福島県 岩手県 青森県 山形県 秋田県 東京都 神奈川県 新潟県 埼玉県 群馬県 千葉県 茨城県 栃木県 靜岡県 山梨県 長野県 |
神戸出張所 | 神戸市 | 大阪府 京都府 兵庫県 奈良県 滋賀県 和歌山県 愛知県 三重県 岐阜県 福井県 石川県 富山県 香川県 愛媛県 徳島県 高知県 |
松江出張所 | 松江市 | 鳥取県 島根県 |
下関出張所 | 下関市 | 広島県 岡山県 山口県 |
福岡出張所 | 福岡市 | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿兒島県 |
- 3 出張所の内部組織は、長官が定める。
- (関係行政機関の協力)
- 第十六條
- 出入国管理庁は、警察行政庁,海上保安庁その他の関係行政庁に対し、第四條第十三号に規定する事項に関して必要な協力を求めることができる。
- 第十七條
- 警察官又は警察吏員は、外国人登録令第三條又は北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令第一條の規定に違反する罪に係る被疑者を逮捕し、又はこれらの罪に係る現行犯人を受け取つた場合は、なるべくすみやかにこれを入国警備官に引き渡すべきものとする。
- 附 則
- 1 この政令は、昭和二十五年十月一日から施行する。
- 2 第八條第二項及び第三項に規定する事務は、昭和二十五年十一月三十日までは、従前の例により引き続き警察官又は警察吏員が当るものとする。
- 3 附則第九項の規定による外国人登録令第十六條及び第十七條の改正規定並びに附則第十項の規定による北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令第五條の改正規定の適用については、昭和二十五年十二月三十一日までの間で政令で定める日までは、「出入国管理庁長官」とあるのは「外務大臣」と、「入国審査官」とあるのは「都道府県知事」とそれぞれ読み替えるものとする。
- 4 行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
- 第二條の表中
- 「
法務府 | 本府 中央更生保護委員会 司法試験管理委員会 |
四二、一三九人 一、一七三人 ―人 |
うち一一、二八三人は、検察庁の職員とする。 |
計 | 四三、三一二人 |
- 」を
- 「
法務府 | 本府 中央更生保護委員会 司法試験管理委員会 |
四二、一三五人 一、一七三人 ―人 |
うち一一、二八三人は、検察庁の職員とする |
計 | 四三、三〇八人 |
- 」に、
- 「
外務省 | 本省 | 一、五五六人 |
- 」を
- 「
外務省 | 本省 出入国管理庁 |
一、五一九人 六六三人 |
|
計 | 二、一八二人 |
- 」に、
- 「
運輸省 | 本省 船員労働委員会 海上保安庁 海難審判庁 |
一五、六五八人 五九人 八、六六三人 八五人 |
|
計 | 二四、四六五人 |
- 」を
- 「
運輸省 | 本省 船員労働委員会 海上保安庁 海難審判庁 |
一五、六五八人 五九人 八、七二三人 八五人 |
|
計 | 二四、五二五人 |
- 」に改め、
- 「
合計 | 八七二、七四三人 |
- 」を
- 「
合計 | 八七三、四二五人 |
- 」に改める。
5 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
- 別表第一外務省の項庁の欄に「出入国管理庁」を加える。
- 別表第二中「
外務省 政務局 管理局 |
情報部 入国管理部 |
- を
- 「
外務省 政務局 |
情報部 |
- 」に改める。
6 外務省設置法(昭和二十四年法律第百三十五号)の一部を次のように改正する。
- 目次中
- 「第三章 在外公館(第二十條-第二十二條)
- 第四章 職員(第二十三條・第二十四條)」
- を
- 「第三章 外局(第二十條・第二十一條)
- 第四章 在外公館(第二十二條-第二十四條)
- 第五章 職員(第二十五條・第二十六條)」
- に改める。
- 第四條第二十号を次のように改める。
- 二十 外国人の出入国の管理、外国人の登録及び不法に本邦に入国した者の送還に関する事務を行うこと。
- 第五條第三項を削る。
- 第十條第八号及び同條第二項を削る。
- 「第三章 在外公館」を「第四章 在外公館」に改め、第二十條を第二十二條とし、第二十一條を第二十三條とし、第二十二條を第二十四條とし、第二章の次に次の一章を加える。
- 第三章 外局
- 第二十條 国家行政組織法第三條第二項の規定に基いて外務省に置かれる外局は、左の通りとする。
- 出入国管理庁
- 第二十一條 出入国管理庁の組織、所掌事務及び権限は、出入国管理庁設置令(昭和二十五年政令第二百九十五号)の定めるところによる。
- 「第四章 職員」を「第五章 職員」に改め、第二十三條を第二十五條とし、第二十四條を第二十六條とする。
7 出入国の管理に関する政令の一部を次のように改正する。
- 第一條中「、不法入国の取締及び不法入国者等の送還に関する関係行政機関の事務の連絡調整並びにこれらの実施に必要な行政機関及び職員」を削る。
- 第二條から第五條までを次のように改める。
- 第二條から第五條まで 削除
- 第六條第二号中「(第二條第三号に規定する再入国の目的をもつて出国する者を除く。)」を「(出国の許可を受けた日から一年以内に本邦に再び入国する目的をもつて出国する者を除く。)」に改める。
- 第七條中「入国監理官」を「出入国監理官」に改める。
- 第八條中「外務省管理局入国管理部長」を「出入国管理庁長官」に、「入国監理官」を「出入国監理官」に改める。
- 第九條中「入国管理部長」を「出入国管理庁長官」に改める。
8 法務府設置法(昭和二十二年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
- 第一條第三項中「、外国人の登録」を削る。
- 第八條第三項中第三号を削り、第四号を第三号とし、以下順次一号ずつ繰り上げる。
- 第十三條の二第一項中「第三項第一号、第二号及び第四号乃至第八号並びに同條」を「第三項第一号乃至第七号及び」に改める。
9 外国人登録令の一部を次のように改正する。
- 第三條第一項、第四條第一項、第五條、第六條、第七條第一項及び第二項、第八條第一項及び第二項、第八條の二第二項及び第三項、第十條並びに第十一條中「法務総裁」を「外務大臣」に改める。
- 第十六條第一項中「法務総裁」を「出入国管理庁長官」に改め、同條第二項中「、法務総裁の定めるところにより」を削り、「都道府県知事」を「入国審査官」に改める。
- 第十七條第一項中「法務総裁」を「出入国管理庁長官」に、「都道府県知事」を「入国審査官」に改め、同條第二項中「都道府県知事」を「入国審査官」に改め、同條第三項中「都道府県知事」を「入国審査官」に、「法務総裁」を「出入国管理庁長官」に改める。
- 第十八條を次のように改める。
- 第十八條 前二條の退去強制令書は、陸上においては入国警備官が、海上においては海上保安官が、それぞれ執行する。
- 2 警察官又は警察吏員は、入国審査官が入国警備官が足りないため必要と認めるときは、前二條の退去強制令書の執行をすることができる。
10 北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令の一部を次のように改正する。
- 第五條第一項中「法務総裁」を「出入国管理庁長官」に改め、同條第二項中「法務総裁」を「出入国管理庁長官」に、「都道府県知事」を「入国審査官」に改める。
- 第六條を次のように改める。
- 第六條 前條の退去強制令書は、陸上においては入国警備官が、海上においては海上保安官が、それぞれ執行する。
- 2 警察官又は警察吏員は、入国審査官が入国警備官が足りないため必要と認めるときは、前條の退去強制令書の執行をすることができる。
11 関税法(明治三十二年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
- 第百一條ノ五第一項及び第二項中「入国監理官」を「出入国監理官」に改める。
法 務 総 裁 大橋 武夫
外 務 大 臣 吉田 茂
大 蔵 大 臣 池田 勇人
厚 生 大 臣 黒川 武雄
運 輸 大 臣 山崎 猛
内閣総理大臣 吉田 茂
改廃経過
編集- 出入国管理庁設置令の一部を改正する政令(昭和25年政令第370号)(ポツダム政令):
- 第12条中「
針尾入国者收容所 | 長崎県東彼杵郡江上村 |
- 」を
- 「
大村入国者收容所 | 長崎県大村市 |
- 」に改める。附則第3項中「昭和二十五年十二月三十一日」を「昭和二十六年二月二十八日」に改める(以上昭和25年12月26日施行)。
- 不法入国者等退去強制手続令(昭和26年政令第33号)(ポツダム政令):
- 第3条を次のように改める。
- 第三條 出入国管理庁は、出入国の管理に関する政令(昭和二十四年政令第二百九十九号)による出入国の管理、外国人登録令(昭和二十二年勅令第二百七号)による外国人の登録並びに同令及び北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令(昭和二十五年政令第二百二十七号)による退去強制に関する事務を行うことを任務とする。
- 第4条第11号中「(昭和二十四年政令第二百九十九号)」を削る。第4条第12号を次のように改め、同条第13号を削り、第14号を第13号とする。
- 十二 不法入国者等退去強制手続令(昭和二十六年政令第三十三号)による收容、退去強制その他の処分をすること。
- 第5条第3項第2号を次のように改める。
- 二 不法入国者等退去強制手続令による收容令書及び退去強制令書(以下それぞれ「收容令書」及び「退去強制令書」という。)の発付に関すること。
- 同条同項第3号中「退去強制令書」を「收容令書及び退去強制令書」に改める。第6条を次のように改める。
- (出入国監理官)
- 第六條 税関に、出入国監理官を置く。
- 2 出入国監理官は、大蔵大臣が長官と協議して任命する税関職員とする。
- 3 出入国監理官は、出入国に際し、権限のある公的機関が発行する旅券又はこれに代るべき書類に対する証印、出国の許可その他出入国の管理に関する法令の規定によりその権限に属せしめられた事務を行う。
- 4 長官は、出入国監理官の行う事務について税関長を指揮監督し、税関長は、長官に対しその執行の責任を負うものとする。
- 5 出入国監理官が置かれる税関は、大蔵大臣が長官と協議して定める。
- 第7条第2項及び第3項、第8条第2項並びに第10条第2項第2号中「退去強制令書」を「收容令書及び退去強制令書」に改める。第11条から第14条までを次のように改める(以上第14条第3項を除き政令で定める日施行(未施行のまま廃止)、第14条第3項のみ昭和26年4月1日施行)。
- (附属機関)
- 第十一條 出入国管理庁に、左の附属機関を置く。
- 中央審査会
- 地方審査会
- 入国者收容所
- (中央審査会)
- 第十二條 中央審査会は、不法入国者等退去強制手続令第十三條に規定する判定を行う機関とする。
- 2 中央審査会は、前項に規定する事務の外、長官の諮問に応じて不法入国者等退去強制手続令に規定する事項について調査審議することができる。
- 3 中央審査会は、東京都に置く。
- 4 中央審査会の組織及び運営は、政令で定める。
- (地方審査会)
- 第十三條 地方審査会は、不法入国者等退去強制手続令第七條、第十條及び第十一條に規定する事項について、それぞれ承認、口頭審理及び判定を行う機関とする。
- 2 地方審査会は、第十五條第二項の表に定める出張所の所在地に置く。
- 3 地方審査会の組織及び運営は、政令で定める。
- (入国者收容所)
- 第十四條 入国者收容所(以下「收容所」という。)は、退去強制令書又は收容令書の執行を受ける者を一時收容する機関とする。
- 2 收容所に、所長及び所員を置く。所長は、長官の指揮監督を受け、所務を掌理し、所員を指揮監督する。
- 所員は、所長の命を受けて收容所の維持管理に関する事務に従事する。
- 3 收容所の名称及び位置は、左の通りとする。
- 第3条を次のように改める。
大村入国者收容所 | 長崎県大村市 |
横浜入国者收容所 | 神奈川県横浜市 |
- 4 前三項に規定するものを除く外、收容所の内部組織、被收容者の処遇、收容所における警備その他收容所に関し必要な事項は、長官が定める。
- 第15条第2項の表を次のように改める(昭和26年4月1日施行)。
名称 | 位置 | 管轄区域 |
---|---|---|
仙台出張所 | 仙台市 | 北海道 宮城県 福島県 岩手県 青森県 山形県 秋田県 |
東京出張所 | 東京都 | 東京都 新潟県 埼玉県 群馬県 千葉県 茨城県 栃木県 靜岡県 山梨県 長野県 |
横浜出張所 | 横浜市 | 神奈川県 |
名古屋出張所 | 名古屋市 | 愛知県 三重県 岐阜県 福井県 石川県 富山県 |
神戸出張所 | 神戸市 | 大阪府 京都府 兵庫県 奈良県 滋賀県 和歌山県 |
高松出張所 | 高松市 | 香川県 愛媛県 徳島県 高知県 |
松江出張所 | 松江市 | 鳥取県 島根県 |
下関出張所 | 下関市 | 広島県 岡山県 山口県 |
福岡出張所 | 福岡市 | 福岡県 佐賀県 熊本県 大分県 |
大村出張所 | 大村市 | 長崎県(但し、対馬及び壱岐は、福岡出張所の管轄とする。) |
鹿兒島出張所 | 鹿兒島市 | 宮崎県 鹿兒島県 |
- 第15条第3項を第5項とし、同条第2項の次に次の二項を加える(政令で定める日施行(未施行のまま廃止))。
- 3 出張所には、口頭審理を行うべき場所及び收容令書の執行を受ける者を收容する收容場を設けるものとし、收容された者には、收容場の保安上支障がない範囲内において、その者の代理人、知人又は親族の一人に面会して、口頭審理又は訴訟の準備をするための機会が與えられなければならない。
- 4 前項に規定する收容場における收容者の処遇、警備その他收容場に関し必要な事項は、長官が定める。
- 附則第3項中「昭和二十六年二月二十八日までの間で政令で定める日まで」を「昭和二十六年二月二十八日まで」に改める(昭和26年2月28日施行)。
- 第15条第3項を第5項とし、同条第2項の次に次の二項を加える(政令で定める日施行(未施行のまま廃止))。
- 入国管理庁設置令(昭和26年政令第320号)(ポツダム政令): 廃止(昭和26年11月1日施行)
改正政令の改正経過
編集この政令に対する2例目の改正政令である不法入国者等退去強制手続令は、その施行期日に関する条項(附則)が2度にわたり改正され(その間に一部の条項のみ施行され)た後、残余の部分を施行しないまま廃止された。同政令改正によるこの政令に対する影響とその経過は次のとおり。
- 不法入国者等退去強制手続令(昭和26年政令第33号)(ポツダム政令): 出入国管理庁設置令の改正条項のうち、附則第3項に関する部分は昭和26年2月28日施行、残余の部分は昭和26年4月1日施行。
- 不法入国者等退去強制手続令の一部を改正する政令(昭和26年政令第75号)(ポツダム政令): 出入国管理庁設置令の改正条項のうち、「第14条第3項及び第15条第2項に関する部分」を除く部分の施行期日を昭和26年4月1日から同年5月16日に変更。
- 不法入国者等退去強制手続令の一部を改正する政令(昭和26年政令第155号)(ポツダム政令): 出入国管理庁設置令の改正条項のうち、昭和26年5月16日に施行するとされていた部分の施行期日を「政令で定める日」に変更。
- 出入国管理令(昭和26年政令第319号)(ポツダム政令): 不法入国者等退去強制手続令を廃止(昭和26年11月1日施行)。これにより「政令で定める日」に施行するとされていた出入国管理庁設置令の改正条項も未施行のまま廃止された(並行して出入国管理庁設置令自体も同日廃止された。)。
関連項目
編集この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。
- 法律命令及官公󠄁文󠄁書
- 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
- 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁
この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。