公立私立専門学校規程
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編集文部省令第十三号
公立私立専門学校規程ヲ定ムルコト左ノ如シ
明治三十六年三月三十一日
文部大臣 理学博士男爵菊池大麓
公立私立専門学校規定
第一条 専門学校令第四条ニ依リ専門学校ノ設置ノ認可ヲ受ケントスルモノハ公立学校ニ在リテハ管理者、私立学校ニ在リテハ設立者ニ於テ左ノ事項ヲ具シ文部大臣ニ申請スヘシ
一 目的
二 名称
三 位置
四 学則
五 生徒定員
六 敷地建物ノ図面及其ノ所有ノ区別
七 開校年月
八 経費及維持ノ方法
九 設立者ノ履歴
第二条 専門学校ハ校地、校舎、校具其ノ他必要ノ設備ヲ為スヘシ
第三条 校地ハ学校ノ規模ニ適応セル面積ヲ有シ且道徳上及衛生上害ナキ所タルヘシ
第四条 校舎ニハ左ノ諸室ヲ備フヘシ
一 教室
二 事務室
三 其ノ他必要ナル実験室、実習室、研究室、図書室、器械室、標本室、薬品質、製煉室等ノ諸室
校舎ハ教授上管理上並衛生上適当ニシテ堅牢ナルコトヲ要ス
第五条 校具ハ教授上必要ナル図書、器械、器具、標本、模型等トス
第六条 専門学校ニ於テハ左ノ表簿ヲ備フヘシ
一 学則、日課、教科用図書配当表
二 職員ノ名簿及履歴書、出勤簿、担任学科目及時間表
三 生徒学籍簿、出席簿、徴兵猶予ニ関スル書類
四 試験ノ問題、答案及成績表
五 資産原簿、出納簿、経費ノ予算決算ニ関スル帳簿
生徒学籍簿ニハ生徒ノ氏名、族籍、居所、生年月日入学前ノ学歴、入学転学退学ノ年月日及学年、卒業ノ年月日、入学試験ノ有無、転学退学ノ事由、徴兵事故、保証人ノ氏名及居所等ヲ記載スヘシ
別科ノ生徒ニ関シテハ出席簿、徴兵猶予ニ関スル書類ヲ省略シ及学籍簿ノ記入事項ヲ便宜省略スルコトヲ得
第七条 専門学校ノ教員タルコトヲ得ヘキ者左ノ如シ
一 学位ヲ有スル者
二 帝国大学分科大学卒業者又ハ官立学校ノ卒業者ニシテ学士ト称スルコトヲ得ル者
三 文部大臣ノ指定シタル者
四 文部大臣ノ認可シタル者
第八条 専門学校ノ本科第二学年以上ニ入学ヲ許スヘキ者ハ本科第一学年ニ入学スルコトヲ得ル資格ヲ有シ且前各学科[1]ノ課程ヲ卒リタル者ト同等ノ学力ヲ有スル者タルヘシ
前項入学者ノ学力ハ総テ試験ニ依リ之ヲ検定スヘシ
第九条 美術学校音楽学校ノ入学資格ハ中学校若ハ高等女学校第三学年修了ノ程度以上ニ於テ之ヲ定ムヘシ
第十条 学校長ハ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ニハ退学ヲ命スヘシ
一 性行不良ニシテ改善ノ見込ナシト認メタル者
二 学力劣等ニシテ成業ノ見込ナシト認メタル者
三 引続キ一箇年以上欠席シタル者
四 正当ノ事由ナクシテ引続キ一箇月以上欠席シタル者
第十一条 学校長ハ教育上必要ト認メタルトキハ生徒ニ懲戒ヲ加フルコトヲ得
第十二条 専門学校ノ学則中ニ規定スヘキ事項凡ソ左ノ如シ
一 入学資格、修業年限、学科、学科目、学科程度ニ関スル事項
二 学年、学期、休業日ニ関スル事項
三 入学、退学、進級、卒業等ニ関スル事項
四 懲戒ニ関スル事項
五 入学料、授業料等ニ関スル事項
六 予科、研究科、別科ニ関スル事項
七 寄宿舎ニ関スル事項
第十三条 専門学校令第四条ニ依リ専門学校ノ廃止ノ認可ヲ受ケントスルモノハ其ノ理由及生徒ノ処分方法ヲ具シ文部大臣ニ申請スヘシ
第十四条 専門学校令第十五条ニ依リ文部大臣ノ認可ヲ受ケントスルモノニ付テハ本令第一条ヲ準用ス
第十五条 実業専門学校ニ関シテハ特別ノ規定アル場合ニハ本令ヲ適用セス
附則
本令ハ明治三十六年四月一日ヨリ施行ス
明治十五年文部省達第四号、同第五号、及同第六号中甲種薬学校ニ関スル規定ハ之ヲ廃止ス
正誤
去月三十一日文部省令第十三号第八条中各学科(﹅)ハ各学年(○)ノ誤文部省参事官
- 底本中の旧字を新字に改めた。
- 傍点は括弧を用いて表記した。
- 脚註:
関連項目
編集- 専門学校令 (明治36年勅令第61号)
外部リンク
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- 法律命令及官公󠄁文󠄁書
- 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
- 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁
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