不正請託及び金品等の収受の禁止に関する法律 (法律第13278号)

この法令等は、現在、廃止又は失効、使用主体の消滅その他の理由により法的効力を失ったか、最新の改正を反映していないものです。

不正請託及び金品等の収受の禁止に関する法律

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第1章 総則

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  • 第1条(目的) この法律は,公職者等に対する不正請託及び公職者等の金品収受を禁止することにより,公職者等の公正な職務遂行を保障し,公共機関に対する国民の信頼を確保することを目的とする。
  • 第2条(定義) この法律において使用する用語の定義は,次の通りである。
1. 「公共機関」とは,次の各目のいずれか一に該当する期間・団体を言う。
イ. 国会,裁判所,憲法裁判所,選挙管理委員会,監査院,国家人権委員会,中央行政機関(大統領所属機関及び国務総理所属機関を含む)及びその所属機関並びに地方自治体
ロ. 「公職者倫理法第3条の2による公職関連団体
ハ. 「公共機関の運営に関する法律第4条による機関
ニ. 「初・中等教育法」, 「高等教育法」, 「幼児教育法」その他の法令により設置された各級学校及び「私立学校法」による学校法人
ホ. 「言論仲裁及び被害救済等に関する法律第2条第12号による言論社
2. 「公職者等」とは,次の各目のいずれか一に該当する公職者又は公的業務従事者を言う。
イ. 「国家公務員法」又は「地方公務員法」による公務員その他法律によりその資格・任用・教育訓練・服務・報酬・身分保障等において公務員と認められた者
ロ. 第1号ロ目及びハ目による公職関連団体及び機関の長及びその役職員
ハ. 第1号ニ目による各級学校の長及び教職員並びに学校法人の役職員
ニ. 第1号ホ目による言論社の代表者及びその役職員
3. 「金品等」とは,次の各目のいずれか一に該当するものを言う。
イ. 金銭,有価証券,不動産,物品,宿泊券,会員権,入場券,割引券,招待券,観覧券,不動産等の使用権等一切の財産的利益
ロ. 飲食物・酒類・ゴルフ等の接待・供応又は交通・宿泊等の便宜の提供
ハ. 債務免除,就職の提供,利権の付与等その他の有形・無形の経済的利益
4. 「所属機関長」とは,公職者等が所属する公共機関の長を言う。
  • 第3条(国家等の責務) ① 国家は,公職者が公正且つ清廉に職務を遂行することができる勤務与件を造成するよう努めなければならない。
② 公共機関は,公職者等の公正で清廉な職務遂行を保障するため,不正請託及び金品等の収受を容認しない公職文化形成に努めなければならない。
③ 公共機関は,公職者等が違反行為申告等この法による措置をすることにより不利益を受けないよう適切な保護措置をしなければならない。
  • 第4条(公職者等の義務) ① 公職者等は,私的利害関係に影響を受けず,職務を公正且つ清廉に遂行しなければならない。
② 公職者等は,職務遂行に関して公平無私にふるまい,職務関係者を優遇し,又は差別してはならない。

第2章 不正請託の禁止等

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  • 第5条(不正請託の禁止) ① 何人も直接又は第三者を通じて職務を遂行する公職者等に次の各号のいずれか一に該当する不正請託をしてはならない。
1. 認可・許可・免許・特許・承認・検査・検定・試験・認証・確認等法令(条例・規則を含む。以下同じ)において一定の要件を定め職務関係者から申請を受けて処理を行う職務について,法令に反して処理させる行為
2. 認可又は許可の取消,徴税,負担金,過料,課徴金,履行強制金,反則金,懲戒等の各種行政処分又は刑罰付加に関して,法令に反して減軽・免除させる行為
3. 採用・昇進・転補等公職者等の人事に関して,法令に反して介入し,又は影響を及ぼさせる行為
4. 法令に反して,各種審議・議決・調停委員会の委員,公共機関が主管する試験・選抜委員等公共機関の議事決定に関与する職員に選定又は脱落させる行為
5. 公共機関が主管する各種授賞,褒賞,優秀機関選定又は優秀者選抜に関して,法令に反して特定個人・団体・法人を選定又は脱落させる行為
6. 入札・競売・開発・試験・特許・軍事・課税等に関する職務上の秘密を法令に反して漏洩させる行為
7. 契約関連法令に反して特定個人・団体・法人を契約の当事者として選定又は脱落させる行為
8. 補助金・奨励金・出捐金・出資金・交付金・基金等の業務に関して,法令に反して特定の個人・団体・法人に配定・支援し,又は投資・預入・貸与・出捐・出資するよう介入し,又は影響を及ぼさせる行為
9. 公共機関が生産・供給・管理する財貨又は用益を特定の個人・団体・法人に対して法令に定める価格又は正常な取引慣行から逸脱して売却・交換・使用・収益・占有させる行為
10. 各級学校の入学・成績・遂行評価等の業務に関して,法令に反して処理・操作させる行為
11. 徴兵検査,部隊配属,補職付与等の兵役関係業務について,法令に反して処理させる行為
12. 公共機関が実施する各種評価・判定業務について,法令に反して評価又は判定させ,又は結果を操作させる行為
13. 法令に反して行政指導・取締・監査・調査対象から特定の個人・団体・法人を選定・排除し,行政指導・取締・監査・調査の結果を操作し,又はその違法事項を黙認させる行為
14. 事件の捜査・裁判・審判・決定・調停・仲裁・和解又はこれに準ずる業務を法令に反して処理させる行為
15. 第1号から第14号までの不正請託の対象となる業務に関して,公職者等の法令により付与された地位・権限を逸脱して行使し,又は権限に属しない事項を行使させる行為
② 第1項にも拘らず,次の各号の一に該当する場合においては,この法律を適用しない。
1. 「請願法」, 「申請事務処理に関する法律」, 「行政手続法」, 「国会法」及びその他の法令・基準(第2条第1号ロ目からホ目までの公共機関の規定・社則・基準を含む。以下同じ)において定める手続き・方法により権利侵害の救済・解決を要求し,又はこれに関係する法令・基準の制定・改定・廃止を提案・建議する等特定の行為を要求する行為
2. 公開的に公職者等に特定の行為を要求する行為
3. 選出職公職者,政党,市民団体等が公益的な目的で第三者の苦衷申請を伝達し,又は法令・基準の制定・改正・廃止又は政策・事業・制度及びその運営等の改善に関して提案・建議する行為
4. 公共機関に職務を法定期間内に処理することを申請・要求し,又はその進行状況・措置結果等について確認・問合せ等を行う行為
5. 職務又は法律関係に関する確認・証明等を申請・要求する行為
6. 質疑又は相談形式を通じて職務に関する法令・制度・手続き等について説明若しくは解釈を要求する行為
7. その他社会常規に違背しないものと認められる行為
  • 第6条(不正請託による職務遂行の禁止) 不正請託を受けた公職者等は,これによって職務を遂行してはならない。
  • 第7条(不正請託の申告及び処理) ① 公職者等は,不正請託を受けたときは,不正請託をした者に不正請託であることを告げ,これを拒絶する意思を明確に表示しなければならない。
② 公職者等は,第1項による措置をしたにも拘らず同一の不正請託を再度受けたときは,これを所属機関長に書面(電子文書を含む。以下同じ)で申告しなければならない。
③ 第2項による申告を受けた所属機関長は,申告の経緯・趣旨・内容・証拠資料等を調査して申告内容が不正請託に該当するかを迅速に確認しなければならない。
④ 所属機関長は,不正請託があった事実を知ったとき,又は第2項及び第3項の不正請託に関する申告・確認過程において当該職務の遂行に支障があると認めるときは,不正請託を受けた公職者等に対して次の各号の措置を行うことができる。
1. 職務参与の一時中止
2. 職務代理人の指定
3. 填補
4. その他国会規則,最高裁判所規則,憲法裁判所規則,中央選挙管理委員会規則又は大統領令で定める措置
⑤ 所属機関長は,公職者等が次の各号の一に該当するときは,第4項にも拘らずその公職者等に職務を遂行させることができる。この場合,第20条による所属機関の担当官又は他の公職者等にその公職者等の公正な職務遂行与否を定期的に確認・点検させなければならない。
1. 職務を遂行する公職者等を代替することが極めて困難である場合
2. 公職者等の職務遂行に及ぼす影響が大きくないとき
3. 国家の安全保障及び経済発展等の公益増進を理由として,職務遂行の必要性がより大きい場合
⑥ 公職者等は,第2項による申告を監督機関・監査院・捜査機関又は国民権益委員会に対しても行うことができる。
⑦ 所属機関長は,他の法令に反しない範囲において不正請託の内容及び措置事項を当該公共機関のホームページ等に公開することができる。
⑧ 第1項から第7項までに規定する事項のほか,不正請託の申告・確認・処理及び記録・管理・公開等に必要な事項は,大統領令で定める。

第3章 金品等の収受禁止等

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  • 第8条(金品等の収受禁止) ① 公職者等は,職務への関係与否及び寄付・後援・贈与等その名目に関係なく同一の者から一回に100万圓又は毎会計年度に300万圓を超過する金品等を受け,又は要求ないし約束してはならない。
② 公職者等は,職務に関して代価性与否を問わず,第1項において定める金額以下の金品等を受け,又は要求ないし約束してはならない。
第10条の外部講義等に関する謝礼金,又は次の各号のいずれか一に該当する金品等の場合においては,第1項又は第2項で収受を禁止する金品等に該当しない。
1. 公共機関が所属公職者等又は派遣公職者等に支給し,又は上級公職者等が慰労・激励・褒賞等の目的で下級公職者等に提供する金品等
2. 円滑な職務遂行又は社交・儀礼又は扶助の目的で提供される飲食物・慶弔事費・贈物等であって,大統領令で定める価額の範囲内の金品等
3. 私的取引(贈与は除く)による債務の履行等正当な権原により提供される金品等
4. 公職者等の親族(「民法」第777条による親族をいう)が提供する金品等
5. 公職者等に関する職員互助会・同好会・同窓会・郷友会・親睦会・宗教団体・社会団体等が定める基準により構成員に提供する金品等及びその所属構成員等公職者等と特別に長期的・持続的な親交関係を結んでいる者が疾病・災難等により困難な状況にある公職者等に提供する金品等
6. 公職者等の職務に関する公職的な行事において主催者が参席者に通常の範囲において一律に提供する交通,宿泊,飲食物等の金品等
7. 不特定多数人に配布するための記念品若しくは公報用品等又は競演・抽選を通じて受け取る褒賞又は賞品等
8. そのほか他の法令・基準又は社会常規により許容される金品等
④ 公職者等の配偶者は,公職者等の職務に関して,第1項又は第2項により公職者等が受けることが禁止される金品等(以下「収受禁止金品等」という)を受け,要求し,又は提供を受けることを約束してはならない。
⑤ 何人も公職者等に,又はその公職者等の配偶者に収受禁止金品等を提供し,又はその提供の約束若しくは意思表示をしてはならない。
  • 第9条(収受禁止金品等の申告及び処理) ① 公職者等は,次の各号のいずれか一に該当する場合は,所属機関長に遅滞なく書面で申告しなければならない。
1. 公職者等自らが収受禁止物品等を受け,又はその提供の約束ないし意思表示を受けたとき
2. 公職者等が自らの配偶者が収受禁止物品等を受け,又はその提供の約束ないし意思表示を受けた事実を知ったとき
② 公職者等は,自身ら収受禁止物品等を受け,又はその提供の約束ないし意思表示を受けたとき又は自身の配偶者が収受禁止物品等を受け,又はその提供の約束ないし意思表示を受けた事実を知ったときは,これを提供者に遅滞なく返還し,若しくは返還させ,又はその拒否の意思を明らかにし,若しくは明らかにさせなければならない。但し,受けた金品等が次の各号のいずれか一に該当するときは,所属機関長に引き渡し,又は引き渡させなければならない。
1. 滅失・腐敗・変質等の恐れがあるとき
2. 当該金品等の提供者を知れないとき
3. その他提供者に返還しがたい事情があるとき
③ 所属機関長は,第1項により申告を受け,又は第2項但書きにより金品等の引き渡しを受けた場合において,収受禁止物品等に該当すると認めるときは,返還若しくは引き渡しをさせ,又は拒否の意思を表示させなければならず,捜査の必要性があると認めるときは,その内容を遅滞なく捜査機関に通報しなければならない。
④ 所属機関長は,公職者等又はその配偶者が収受禁止金品等を受け,又はその提供の約束ないし意思表示を受けた事実を知った場合において,捜査の必要性があると認めるときは,その内容を遅滞なく捜査機関に通報しなければならない。
⑤ 所属機関長は,所属公職者等又はその配偶者が収受禁止金品等を受け,又はその提供の約束ないし意思表示を受けた事実を知ったとき又は第1項から第4項までの規定による金品等の申告,金品等の返還・引き渡し若しくは捜査機関に対する通報の過程において職務の遂行に支障があると認めるときは,当該公職者等に第7条第4項各号及び同条第5項の措置をとることができる。
⑥ 公職者等は,第1項又は第2項但書きによる申告又は引き渡しを監督機関・監査院・捜査機関又は国民権益委員会にもすることができる。
⑦ 所属機関長は,公職者等から第1項第2号による申告を受けた場合において,その公職者等の配偶者が返還を拒否する金品等が収受禁止金品等に該当すると認めるときは,その公職者等の配偶者にその金品等を提供者に返還するよう要求しなければならない。
⑧ 第1項から第7項までに規定する事項のほか,収受禁止金品等の申告及び処理等に必要な事項は,大統領令で定める。
  • 第10条(外部講義等の謝礼金収受制限) ① 公職者等は,自身の職務に関し,又はその地位・職責等に由来する事実上の影響力を通じて要請を受けた教育・公報・討論会・セミナー・公聴会又はその他の会議においてした講義・講演・寄稿等(以下「外部講義等」という)の対価として大統領令で定める金額を超える謝礼金を受けてはならない。
② 公職者等は,外部講義等を行うときは,大統領令で定めるところにより,外部講義等の依頼明細等を所属機関長に予め書面で申告しなければならない。但し,外部講義等を依頼した者が国家又は地方自治体であるときは,この限りではない。
③ 公職者等は,第2項本文により外部講義等を予め申告することが困難であるときは,その外部講義等を終えた日から2日以内に書面で申告しなければならない。
④ 所属機関長は,第2項により公職者等が申告した外部講義等が公正な職務遂行を阻害する恐れがあると判断するときは,その外部講義等を制限することができる。
⑤ 公職者等は,第1項による金額を超える謝礼金を受けたときは,大統領令で定めるところにより,所属機関長に申告し,及び提供者にその超過金額を遅滞なく返還しなければならない。
  • 第11条(公務遂行私人の公務遂行に関する行為制限等) ① 次の各号のいずれか一に該当する者(以下「公務遂行私人」という)の公務遂行に関しては,第5条から第9条までを準用する。
1. 「行政機関所属委員会の設置・運営に関する法律」又は他の法令により設置された各種委員会の委員中公職者でない委員
2. 法令により公共機関の権限の委任・委託を受けた法人・団体若しくはその機関又は個人
3. 公務を遂行するために民間部門から公共機関に派遣された者
4. 法令により公務上審議・評価等を行う個人又は法人・団体
② 第1項により公務遂行私人に対して第5条から第9条までを準用する場合において,「公職者等」は「公務遂行私人」と読み替え,「所属機関長」は「次の各号の区分による者」と読み替える。
1. 第1項第1号による委員会の委員: その委員会が設置された公共機関の長
2. 第1項第2号による法人・団体若しくはその機関又は個人: 監督機関又は権限を委任し,又は委託した公共機関の長
3. 第1項第3号による者: 派遣を受けた公共機関の長
4. 第1項第4号による個人又は法人・団体: 当該公務の提供を受ける公共機関の長

第4章 不正請託等防止に関する業務の総括等

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  • 第12条(公職者等の不正請託等防止に関する業務の総括) 国民権益委員会は,この法律による次の各号の事項に関する業務を管掌する。
1. 不正請託の禁止及び金品等の収受禁止・制限等に関する制度改善及び教育・公報計画の樹立及び施行
2. 不正請託等に関する類型,判断基準及びその予防措置等に関する基準の作成及び普及
3. 不正請託等についての申告等の案内・相談・受付・処理等
4. 申告者等に対する保護及び保障
5. 第1号から第4号までの業務遂行に必要な実態調査及び資料の収集・管理・分析等
  • 第13条(違反行為の申告等) ① 何人もこの法律の違反行為が発生した,又は発生している事実を知ったときは,次の各号のいずれか一に該当する機関に申告することができる。
1. この法律の違反行為が発生した公共機関又はその監督機関
2. 監査院又は捜査機関
3. 国民権益委員会
② 第1項による申告をした者が次の各号のいずれか一に該当するときは,この法律による保護及び保障を受けることができない。
1. 申告の内容が虚偽であるという事実を知り,又は知ることができたのに申告した場合
2. 申告に関して金品等又は勤務関係上の特恵を要求したとき
3. その他不正な目的で申告したとき
③ 第1項により申告をしようとする者は,自身の人的事項及び申告の趣旨・理由・内容を記載し署名した文書とともに申告対象及び証拠等を提出しなければならない。
  • 第14条(申告の処理)第13条第1項第1号又は第2号の機関(以下「調査機関」とする)は,同条第1項により申告を受け,又は第2項により国民権益委員会から申告の通知を受けたときは,その内容に関して必要な措置・監査又は捜査をしなければならない。
② 国民権益委員会が第13条第1項による申告を受けたときは,その内容に関して申告者を相手として事実関係を確認した後大統領令に定めるところにより調査機関に通知し,その事実を申告者に通報しなければならない。
③ 調査機関は,第1項により調査・監査又は捜査を終えた日から10日以内にその結果を申告者及び国民権益委員会に通報(国民権益委員会から通知を受けた場合のみが該当する)し,調査・監査又は捜査結果に従って公訴の提起,過料の賦課対象違反行為の通報,懲戒処分等必要な措置を行わなければならない。
④ 国民権益委員会は,第3項により調査機関から調査・監査又は捜査結果の通報を受けたときは,遅滞なく申告者に調査・監査又は捜査結果を知らせなければならない。
⑤ 第3項又は第4項により調査・監査又は捜査結果の通報を受けた申告者は,調査機関に異議申立てを行うことができ,第4項により調査・監査又は捜査結果の通知を受けた申告者は,国民権益委員会にも異議申立てを行うことができる。
⑥ 国民権益委員会は,調査機関の調査・監査又は捜査結果が十分でないと認められるときは,調査・監査又は捜査結果の通報を受けた日から30日以内に新たな証拠資料の提出等合理的な理由を挙げて調査機関の再調査を要求することができる。
⑦ 第6項による再調査の要求を受けた調査機関は,再調査を終了した日から7日以内にその結果を国民権益委員会に通報しなければならない。この場合において,国民権益委員会は,通報を受けた即時に申告者に再調査結果の要旨を知らせなければならない。
  • 第15条(申告者等の保護・保障) ① 何人も次の各号のいずれか一に該当する申告等(以下「申告等」とする)をすることができないよう妨害し,又は申告等をした者(以下「申告者等」とする)にこれを取消すよう強要してはならない。
1. 第7条第2項及び第6項による申告
2. 第9条第1項, 同条第2項但書き及び同条第6項による申告及び引き渡し
3. 第13条第1項による申告
4. 第1号から第3号までによる申告をした者のほか,協力をした者が申告に関する調査・監査・捜査・訴訟又は保護措置に関する調査・訴訟等において陳述・証言及び資料提供等の方法で助力する行為
② 何人も申告者等に対して申告等を理由として不利益措置(「公益申告者保護法第2条第6号による不利益措置をいう。以下同じ)をしてはならない。
③ この法律による違反行為をした者が違反事実を自発的に申告し,又は申告者等が申告等をすることにより自らが行ったこの法律の違反行為が発見されたときは,その違反行為に対する刑事処罰,過料賦課,懲戒処分,その他の行政処分等を減軽し,又は免除することができる。
④ 第1項から第3項までに規定する事項のほか,申告者等の保護等に関しては,「公益申告者保護法第11条から第13条まで, 第14条第3項から第5項まで及び第16条から第25条までの規定を準用する。この場合において,「公益申告者等」は「申告者等」と,「公益申告等」は「申告等」と読み替える。
⑤ 国民権益委員会は,第13条第1項による申告により公共機関に財産上の利益をもたらし,又は損失を防止したとき,又は公益の増進をもたらしたときは,その申告者に褒賞金を支給することができる。
⑥ 国民権益委員会は,第13条第1項による申告により公共機関に直接的な収入の回復・増大又は費用の節減をもたらしたときは,その申告者の申請により補償金を支給しなければならない。
⑦ 第5項及び第6項による褒賞金・補償金申請及び支給等に関しては,「腐敗防止並びに国民権益委員会の設置及び運営に関する法律第68条から第71条までの規定を準用する。この場合において,「腐敗行為の申告者」は「第13条第1項により申告をした者」と,「この法律による申告」は「第13条第1項による申告」と読み替える。
  • 第16条(違法な職務処理に対する措置) 公共機関の長は,公職者等が職務遂行中又は職務遂行後に第5条,第6条及び第8条に違反した事実を発見したときは,該当職務を中止し,又は取り消す等必要な措置を取らなければならない。
  • 第17条(不当利得の還収) 公共機関の長は,第5条, 第6条, 第8条に反して遂行した公職者等の職務が違法なものと確定されたときは,その職務の相手方に既に支出・交付された金額又は物その他財産上の利益を還収しなければならない。
  • 第18条(秘密漏洩の禁止) 次の各号のいずれか一に該当する業務を遂行し又は遂行した公職者等は,その業務処理過程において知った秘密を漏洩してはならない。但し,第7条第7項により公開する場合においては,この限りではない。
1. 第7条による不正請託の申告及び措置に関する業務
2. 第9条による収受禁止金品等の申告及び処理に関する業務
  • 第19条(教育及び公報等) ① 公共機関の長は,公職者等に不正請託禁止及び金品等の収受禁止に関する内容を定期的に教育しなければならず,これを遵守することを約束する誓約書を受け取らなければならない。
② 公共機関の長は,この法律で禁止している事項を積極的に知らせるなど,国民がこの法律を遵守するよう誘導しなければならない。
③ 公共機関の長は,第1項及び第2項による教育及び公報等の実施のために必要なときは,国民権益委員会に支援を要請することができる。この場合において,国民権益委員会は,積極的に協力しなければならない。
  • 第20条(不正請託禁止等を担当する担当官の指定) 公共機関の長は,所属公職者等のうち,次の各号の不正請託禁止等を担当する担当官を指定しなければならない。
1. 不正請託禁止及び金品等の収受禁止に関する内容の教育・相談
2. この法律による申告・申請の受付,処理及び内容の調査
3. この法律による所属機関長の違反行為を発見した場合において,裁判所又は捜査機関にその事実の通報

第5章 懲戒及び罰則

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  • 第21条(懲戒) 公共機関の長等は,公職者等がこの法律又はこの法律による命令に違反したときは,懲戒処分をしなければならない。
  • 第22条(罰則) ① 次の各号のいずれか一に該当する者は,3年以下の懲役又は3千圓以下の罰金に処する。
1. 第8条第1項に違反した公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)。但し,第9条第1項・第2項又は第6項により申告し,又はその収受禁止金品等を返還又は引き渡しをし,又は許否の意思を表示した公職者等は,除く。
2. 自身の配偶者が第8条第4項に反して同条第1項による収受禁止金品等を受け取り,要求し,又は提供を受けることと約束をした事実を知りながら第9条第1項第2号又は同条第6項により申告をしなかった公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)。但し,公職者等又は配偶者が第9条第2項により収受禁止金品等を返還し,若しくは引き渡し,又は許否の意思を表示したときは,除く。
3. 第8条第5項に反して同条第1項による収受禁止金品等を公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)又はその配偶者に提供し,又はその提供の約束又は意思表示をした者
4. 第15条第4項により準用される「公益申告者保護法제12조第1項に反して申告者等の人的事項又は申告者等であることを推認しうる事実を他の者に教え,又は公開若しくは報道した者
5. 第18条に反してその業務処理過程において知った秘密を漏洩した公職者等
② 次の各号のいずれか一に該当する者は,2年以下の懲役又は2千万圓以下の罰金に処する。
1. 第6条に反して不正請託を受けそれにより職務を遂行した公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)
2. 第15条第2項に反して申告者等に「公益申告者保護法第2条第6号イ目に該当する不利益措置をした者
3. 第15条第4項により準用される「公益申告者保護法第21条第2項により確定され,又は行政訴訟を提起して確定された保護措置決定を履行しなかった者
③ 次の各号のいずれか一に該当する者は,1年以下の懲役又は1千万圓以下の罰金に処する。
1. 第15条第1項に反して申告等を妨害し,又は申告等を取り消すよう強要した者
2. 第15条第2項に反して申告者等に「公益申告者保護法第2条第6号ロ目からト目までのいずれか一に該当する不利益措置をした者
④ 第1項第1号から第3号までの規定による金品等は,没収する。但し,その金品等の全部又は一部を没収することが不可能である場合においては,その価額を追徴する。
  • 第23条(過料の賦課) ① 次の各号のいずれか一に該当する者に対しては,3千万圓以下の過料を賦課する。
1. 第5条第1項に反して第三者のために他の公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)に不正請託をした公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む). 但し,「刑法」等他の法律により刑事処罰を受けたときは,過料を賦課せず,過料を賦課した後刑事処罰を受けたときは,その過料の賦課を取り消す。
2. 第15条第4項により準用される「公益申告者保護法第19条第2項及び第3項(同法 第22条第3項により準用される場合を含む)に反して資料提出,出席,陳述書の提出を拒否した者
第5条第1項に反して第三者のために公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)に不正請託をした者(第1項第1号に該当する者は除く)には,2千万圓以下の過料を賦課する。但し,「刑法」等他の法律により刑事処罰を受けたときは,過料を賦課せず,過料を賦課した後刑事処罰を受けたときは,その過料の賦課を取り消す。
第5条第1項に反して第三者を通じて公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)に不正請託をした者(第1項第1号及び第2項に該当する者は,除く)には,1千万圓以下の過料を賦課する。但し,「刑法」等他の法律により刑事処罰を受けたときは,過料を賦課せず,過料を賦課した後刑事処罰を受けたときは,その過料の賦課を取り消す。
第10条第5項による申告及び返還措置をしなかった公職者等には,500万圓以下の過料を賦課する。
⑤ 次の各号の一に該当する者には,その違反行為に関する金品等の価額の2倍以上5倍以下に相当する金額の過料を賦課する。但し,第22条第1項第1号から第3号までの規定又は「刑法」等他の法律により刑事処罰(没収又は追徴を受けた場合を含む)を受けたときは,過料を賦課せず,過料を賦課した後刑事処罰を受けたときは,その過料の賦課を取り消す。
1. 第8条第2項に違反した公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む). 但し,第9条第1項・第2項又は第6項により申告をし,又はその収受禁止金品等を返還又は引き渡しをし,又は許否の意思を表示した公職者等は,除く。
2. 自身の配偶者が第8条第4項に反して同条第2項による収受禁止金品等を受け取り,要求し,又は提供を受けることと約束した事実を知ったにも拘らず,第9条第1項第2号又は同条第6項により申告をしなかった公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む). 但し,公職者等又は配偶者が第9条第2項により収受禁止金品等を返還若しくは引き渡しをし,又は許否の意思を表示した場合は,除く。
3. 第8条第5項に反して同条第2項による収受禁止金品等を公職者等(第11条により準用される公務遂行私人を含む)又はその配偶者に提供し,又はその提供の約束若しくは意思表示をした者
⑥ 第1項から第5項までの規定にも拘らず,「国家公務員法」, 「地方公務員法」等他の法律により懲戒賦課金賦課の議決があった後は,過料を賦課せず,過料が賦課された後には,懲戒賦課金賦課の議決をしない。
⑦ 所属機関長は,第1項から第5項までの過料賦課対象者に対しては,その違反事実を「非訟事件手続法」による過料裁判管轄裁判所に通報しなければならない。
  • 第24条(両罰規定) 法人若しくは団体の代表者又は法人・団体又は個人の代理人,使用人,その他の従業員がその法人・団体又は個人の業務に関して第22条第1項第3号[金品等の提供者が公職者等(第11条により第8条が準用される公務遂行私人を含む)である場合は,除く], 第23条第2項,第23条第3項,又は 第23条第5項第3号[金品等の提供者が公職者等(第11条により第8条が準用される公務遂行私人を含む)である場合は,除く]の違反行為をしたときは,その行為者を罰するほか,その法人・団体又は個人にも該当条文の罰金又は過料を課する。但し,法人・団体又は個人がその違反行為を防止するために業務に関して相当の注意及び監督を怠らなかった場合においては,この限りではない。

附則

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  • 附則 <法律 第13278号, 2015.3.27.>
第1条(施行日) この法律は,公布後1年6ヶ月を経過した日から施行する。
第2条(収受禁止金品等の申告に関する適用例) 第9条第1項は,この法律の施行後同項各号の行為が発生したときから適用する。
第3条(外部講義等の謝礼金収受制限に関する適用例) 第10条第1項は,この法律の施行後に行う外部講義等から適用する。
 

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  5. 事実の伝達にすぎない時事報道

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