<<神より定められたる黙想の路を進行する者に如何なる転変変化を生ずるか。>>
黙想に生活せんと其心に決したる者は、己を整備して、黙想の順序に循ひ、余日を其練習に送るべし。汝の霊魂が内部に暗黒を満さるゝ場合ある時〈こは神の恩寵にて定められたる黙想の順序に於て常に之有るなり〉たとへば太陽の光線の地上雲霧の為に蔽はるゝ如く、或る時間心神の安慰をうばはれて霊魂を蔽ふ慾雲の為に恩寵の光が内部に暗くなり、随て歓喜を生ずる力も多少汝に減少して、非常なる濃霧の心意を蔽ふ時は、汝思慮を擾すなかれ、霊魂の無知に手を假すなかれ、忍耐して諸父の書を読み、己を祈祷に強ひて助を待つべし。汝の知らざる助は速に来らん。けだし地の表面が太陽の光線により、地を包囲する大気の暗黒の中より現るゝ如く、祈祷も慾雲を霊中に散じ尽し、愉快と安慰の光を以て心意を照すを得ん、これ祈祷が神聖なる書中より自から糧を借り、心意を庇護する儆醒を有する時常に我等の思念に生ずる所のものなり。諸聖人の書を不断に学ぶは不可思議なる驚嘆と神聖なる愉快とを霊魂に満たしめん。我等が神に光栄は世々にあるべし、「アミン」。