Ich bin ein Berliner
私は、このベルリンに御高名な市長に招待された客人として訪れることができてとても誇りに思っています。皆さんの街の市長は西ベルリンの戦意 (Fighting Spirit) の象徴として世界中にしらしめた偉大な人[1]です。また、私は、みなさんの著名な大臣とお会いできて大変光栄です。大臣はドイツの民主主義、自由主義、発展に永年かかわってきた方です。そして私は、この街で親しきアメリカの仲間達やあらゆる人々に、いつなんどき、危機的な時にも、ここで会うことができてとても誇りに存じます。
遠く2000年前、人々は「我こそはローマ人である(ラテン語)」と豪語したものでした。現在の自由な世界においては「私こそはベルリン市民である(ドイツ語)」と言えることこそ、もっともすばらしいのです。
(えー、通訳の方、私のドイツ語を翻訳してくれてありがとう)
世界の多くの人々は自由主義世界と共産主義世界の狭間に、いったいなにがあるのか理解してないし、理解しているとも言ってません。でも是非、彼らにはベルリンに来ていただきたい。 共産主義は未来からくる時代の波だという人がいます。彼らにもベルリンに来てほしい。 ヨーロッパ内外には、共産主義者とは共にうまくやれるし経済発展につながるんだという人々もいます。(ドイツ語で)ベルリンにきてみなよ!!、(また英語に戻し)彼らにもベルリンに来てほしい!!
自由 (Freedom) はとても多くの困難を抱えており、民主主義は完璧ではありません。それでも私たちは、私たちの市民を、国を去っていこうとするのを防ぐためといって、彼らを閉じ込めるための壁を造ったことは一度もありません。私は、大西洋の反対側何マイルも離れた国に住み、皆さんからはるか離れた、とある国の代表として、是非みなさんに私たちの気持ちを伝えたい。たとえ離れていても、この戦後18年間の出来事をベルリンの皆さんとわかち合えることに、私たちはこれ以上ないほどの誇りを感じています。閉鎖されながらも18年間にわたり生きる力 (vitality) と心 (force) を持って生き、そのような街、そして西ベルリンほどの希望や決意は他には無いと存じています。
この「ベルリンの壁」は共産主義体制の失敗を示すもっとも明らかで鮮明な証拠であり、全世界に共産主義は失敗だと知らしめるものだが、私たちはそういうことで満足したいわけではなく、この壁は、皆さん方の市長の辞を借りると、単に歴史への侮辱というだけでなく、人間性そのものに対する侮蔑であり、家族を隔て、兄弟・姉妹・夫婦を別ち、生活を供にしたいと願う人々の仲を引き裂いているのです。
この街で起きている事実は、いまのドイツの現実そのものです。4人に1人のドイツ人が、自由な選択をするという基本的人権を否定される現状が続く限り、ヨーロッパの、本当の意味での、永続的な平和 (peace) など保証できるものではありません。この平和と良い信頼の培われた18年間、ドイツの皆さんは自由になる権利、当然、平和裏に自分たち家族が、国民が一つになる (unite) 権利を、善意とともにもたらしてきました。皆さんはいま、自由という守られた島に住んでいますが、生活はとても制限されたものです。終わる前に言わせてください、あなた方の目を、今日の危機を越えた向こうにある明日の希望に、ただ単にベルリンだけの、そしてドイツだけでなく世界中の自由の前進に、この壁を越えた正義のある平和の日々に、あなたたち、私たちだけでなく全人類に、あなた方の目を向けてもらうために。
自由は不可分なものです。一人が奴隷となれば、全員が自由であるとは言えません。全員が自由になったその時に初めて私たちは、この街がひとつになり、平和で幸福な世界の中で、この国とひとつ、あるいはヨーロッパ全土とひとつになる日が来ると望むことができます。その来るべき日がついに来たとき、西ベルリンの人々は、その最前線にほとんど20年間いたのだと、本当に満たされることでしょう。
どこに住んでいようとも、自由な人はみな、ベルリン市民なのです。ですから、私はひとりの自由な人間として、誇りをもって言いたい。「私こそはベルリン市民である(ドイツ語)」
脚注
編集関連項目
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