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​行​​オコナ​へ」と​宣​​ノリタマ​いて​遣​​ヤ​りぬ。


〈[#訳注者 那珂通世 本人が考訂した]〉§259(11:42:09)白鳥庫吉訳『音訳蒙文元朝秘史』(東洋文庫,1943年) Open original book in Wikimedia


​拖雷​​トルイ​の凱旋

 [​又​​マタ​その​春​​ハル​、​成吉思 合罕​​チンギス カガン​は、​塔里罕​​タリカン​に​在​​イマ​して、]​拖雷​​トルイ​の​處​​トコロ​に​使​​ツカヒ​を​遣​​ヤ​りぬ。「​年​​トシ​ ​熱​​アツ​くなりぬ。​別​​ホカ​の​軍​​イクサ​どもは​下馬​​ゲバ​するぞ。​汝​​ナンヂ​は、​我等​​ワレラ​の​處​​トコロ​に​會​​クワイ​せよ」と​宣​​ノリタマ​ひて​遣​​ヤ​りたれば、​拖雷​​トルイ​は、​亦嚕​​イル​ ​亦薛不兒​​イセブル​ ​等​​ラ​の​城​​シロ​どもを​取​​ト​りて、​昔思田​​システン​の​城​​シロ​を​破​​ヤブ​りて、​出黑扯嗹​​チユクチエレン​の​城​​シロ​を​破​​ヤブ​り​居​​ヲ​る​時​​トキ​、​使​​ツカヒ​はこの​言​​ミコト​を​致​​イタ​したれば、​拖雷​​トルイ​は、​出黑扯嗹​​チユクチエレン​の​城​​シロ​を​破​​ヤブ​ると、​回​​カヘ​り​下馬​​ゲバ​して​來​​キ​て、​成吉思 合罕​​チンギス カガン​に​會​​クワイ​しぬ。


〈[#訳注者 那珂通世 本人が考訂した]〉§260(11:44:03)白鳥庫吉訳『音訳蒙文元朝秘史』(東洋文庫,1943年) Open original book in Wikimedia


三皇子の叱られ

 [その​夏​​ナツ​]​拙赤​​ヂユチ​ ​察阿歹​​チヤアダイ​ ​斡歌歹​​オゴダイ​ ​三人​​ミタリ​の​子​​ミコ​だちは、​斡嚨格赤​​オロンゲチ​の​城​​シロ​を​降​​クダ​して、​三人​​ミタリ​にて​城​​シロ​どもの​民​​タミ​を​分​​ワカ​け​合​​ア​ひて、​成吉思 合罕​​チンギス カガン​に​分前​​ワケマヘ​を​出​​イダ​さざりき。この​三人​​ミタリ​の​子​​ミコ​だち​下馬​​ゲバ​して​來​​キ​ぬれば、​成吉思 合罕​​チンギス カガン​は、​拙赤​​ヂユチ​ ​察阿歹​​チヤアダイ​ ​斡歌歹​​オゴダイ​ ​三人​​ミタリ​の​子​​ミコ​だちを​咎​​トガ​めて、​三日​​ミカ​ ​見​​マミ​えさせざりき。そこに​孛斡兒出​​ボオルチユ​木合黎 ​失吉 忽都︀忽​​シギ クドク​ ​三人​​ミタリ​ ​奏​​マウ​さく「​服​​マツロ​はざりし​撒兒塔兀勒​​サルタウル​の​民​​タミ​の​莎勒壇​​シヨルタン​を​平​​コトム​けて、​彼​​カレ​が​城​​シロ​どもの​民​​タミ​を​取​​ト​れり、​我等​​ワレラ​。​分​​ワ​けて​取​​ト​らるゝ​斡嚨格赤​​オロンゲチ​の​城​​シロ​も、​分​​ワ​け​合​​ア​ひて​取​​ト​る​子​​ミコ​だちも、​都︀​​スベ​て​成吉思 合罕​​チンギス カガン​のものなり。​皇天​​アマツカミ​ ​后土​​クニツカミ​に​力​​チカラ​を​添​​ソ​へられて、​撒兒塔兀勒​​サルタウル​の​民​​タミ​をかく​平​​コトム​けたる​時​​トキ​、​我等​​ワレラ​、​爾​​ナガミコト​のあまたの​男​​ヲトコ​ ​騸馬​​センバ​ ​歡​​ヨロコ​びて​馬孩​​マカイ​してあり。​合罕​​カガン​は、​何​​ナン​ぞかく​怒​​イカ​りて​在​​イマ​せる。​子​​ミコ​だち