関西文化学術研究都市建設促進法


昭和六十二年法律第七十二号
関西文化学術研究都市建設促進法

(目的)

第一条 この法律は、関西文化学術研究都市の建設に関する総合的な計画を策定し、その実施を促進することにより、文化、学術及び研究の中心となるべき都市を建設し、もつて我が国及び世界の文化等の発展並びに国民経済の発達に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律で「関西文化学術研究都市」とは、京田辺市、木津川市、京都府相楽郡精華町、枚方市、四條畷市、交野市、奈良市及び生駒市の区域のうち国土交通大臣が定める区域を地域とし、当該地域に文化学術研究施設、文化学術研究交流施設、公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設を一体的に整備することを目的として建設する都市をいう。

2 この法律で「文化学術研究地区」とは、関西文化学術研究都市の地域のうち、文化学術研究施設又は文化学術研究交流施設を整備し、及び公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設を整備すべき地区であつて、第五条第一項の建設計画においてその区域が定められるものをいう。

3 この法律で「周辺地区」とは、関西文化学術研究都市の地域のうち、文化学術研究地区の区域以外の地域であつて、文化学術研究地区の整備に関連して、必要な施設を整備し、及び環境を保全すべき地区をいう。

4 この法律で「文化学術研究施設」とは、主として文化の発展、学術の振興又は研究開発を目的とする施設であつて、文化学術研究地区において整備されるものをいう。

5 この法律で「文化学術研究交流施設」とは、文化の発展、学術の振興並びに研究開発に係る交流及び共同研究を推進するための施設であつて、次の各号に掲げる要件に該当するものをいう。

一 次条第一項の基本方針において、関西文化学術研究都市を通じ、一の文化学術研究地区において、かつ、一を限り、整備すべきものと定められるものであること。
二 当該施設の設置及び運営を行うことを目的とする株式会社であつて、次条第一項の基本方針に従い、国土交通大臣が、一を限り、指定するものにより整備されるものであること。

6 この法律で「公共施設」とは、道路、公園、緑地、水道、下水道、ごみ処理施設、河川及び砂防設備をいう。

7 この法律で「公益的施設」とは、学校、保育所、病院その他の施設で、関西文化学術研究都市の居住者の共同の福祉又は利便のため必要なものをいう。

(基本方針の決定及び変更)

第三条 国土交通大臣は、関係府県知事の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を決定しなければならない。この場合において、国土交通大臣は、関係府県知事から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。

2 国土交通大臣は、基本方針を決定したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、関係府県知事に通知しなければならない。

3 前二項の規定は、基本方針を変更する場合について準用する。

(基本方針の内容)

第四条 基本方針には、次の各号に掲げる事項を定めるものとする。

一 関西文化学術研究都市の建設の目標
二 関西文化学術研究都市の建設における学術、産業及び行政の各分野の協力の方針
三 関西文化学術研究都市の地域内の人口の規模及び配分並びに土地の利用に関する基本的事項
四 関西文化学術研究都市の地域内の文化学術研究地区の配置及び整備の方針
五 関西文化学術研究都市において整備されるべき文化学術研究施設の類型その他文化学術研究施設の整備に関する基本的事項
六 関西文化学術研究都市の中心となるべき文化学術研究地区において整備されるべき文化学術研究交流施設の整備に関する基本的事項
七 周辺地区の整備及び保全に関する基本的事項
八 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する基本的事項
九 その他関西文化学術研究都市の建設に関する基本的事項

(建設計画の作成等)

第五条 関係府県知事は、基本方針に基づき、関係市町長、独立行政法人都市再生機構及び財団法人関西文化学術研究都市推進機構(昭和六十一年六月十九日に財団法人関西文化学術研究都市推進機構という名称で設立された法人をいう。)の意見を聴いて、当該府県の区域内の関西文化学術研究都市の地域について、関西文化学術研究都市の建設に関する計画(以下「建設計画」という。)を作成するよう努めるものとする。

2 関係府県知事は、建設計画を作成しようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。

3 国土交通大臣は、建設計画に同意しようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

4 関係府県知事は、建設計画の同意を得たときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。

5 前各項の規定は、建設計画を変更する場合について準用する。

(建設計画の内容)

第六条 建設計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 文化学術研究地区の名称及び区域
二 各文化学術研究地区において整備されるべき文化学術研究施設の種別その他文化学術研究施設の整備に関する事項
三 文化学術研究交流施設を整備すべき文化学術研究地区にあつては、その施設の具備すべき機能その他文化学術研究交流施設の整備に関する事項
四 周辺地区の整備及び保全に関する事項
五 公共施設、公益的施設、住宅施設その他の施設の整備に関する事項

2 前項各号に掲げるもののほか、建設計画には、各文化学術研究地区の区域内の人口の規模及び土地の利用に関する事項を定めるよう努めるものとする。

3 建設計画は、近畿圏整備計画と調和したものでなければならない。

(施設の整備)

第七条 国及び地方公共団体は、第五条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)の同意を得た建設計画(以下「同意建設計画」という。)の達成に資するため、関西文化学術研究都市の建設に必要な施設の整備に努めなければならない。

(資金の確保等)

第八条 国は、関西文化学術研究都市の建設に資するため必要な資金の確保その他の援助に努めなければならない。

(地方債についての配慮)

第九条 地方公共団体が同意建設計画を達成するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。

(税制上の措置)

第十条 国は、租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の定めるところにより、関西文化学術研究都市の建設に必要な措置を講ずるものとする。

(地方税の不均一課税に伴う措置)

第十一条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条第二項の規定により、総務省令で定める地方公共団体が、文化学術研究地区内において文化学術研究施設のうち総務省令で定める施設を同意建設計画に従つて新設し、又は増設した者について、当該文化学術研究施設の用に供する家屋若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税又は当該文化学術研究施設の用に供する償却資産若しくは家屋若しくはその敷地である土地に対する固定資産税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条の規定による当該地方公共団体の各年度における基準財政収入額は、同条の規定にかかわらず、当該地方公共団体の当該各年度分の減収額(固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあつては、これらの措置がなされた最初の年度以降三箇年度におけるものに限る。)のうち総務省令で定めるところにより算定した額を同条の規定による当該地方公共団体の当該各年度(これらの措置が総務省令で定める日以後において行われたときは、当該減収額について当該各年度の翌年度)における基準財政収入額となるべき額から控除した額とする。

(農地法等の許可)

第十二条 国の行政機関の長又は関係府県知事は、文化学術研究地区内の土地を同意建設計画で定める用途に供するため農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、関西文化学術研究都市の建設が促進されるよう配慮するものとする。

附則

編集

附 則 抄

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。


附 則 (平成一一年六月一六日法律第七六号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十七条から第七十二条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(関西文化学術研究都市建設促進法の一部改正に伴う経過措置)

第四十七条 施行日前に第八十九条の規定による改正前の関西文化学術研究都市建設促進法第五条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされた承認又はこの法律の施行の際現にこれらの規定によりされている承認の申請は、それぞれ第八十九条の規定による改正後の関西文化学術研究都市建設促進法第五条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定によりされた同意又は協議の申出とみなす。

(国等の事務)

第百五十九条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(不服申立てに関する経過措置)

第百六十一条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。

2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(その他の経過措置の政令への委任)

第百六十四条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)

第二百五十条 新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日


附 則 (平成一五年六月二〇日法律第一〇〇号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成十六年七月一日から施行する。


附 則 (平成一八年六月二日法律第五〇号) 抄

この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。


附 則 (平成二三年六月二四日法律第七四号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。


附 則 (平成二三年八月三〇日法律第一〇五号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(政令への委任)

第八十二条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 

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