鐵道震害調査書/第一編/第一章


第一編 國有鐵道󠄁

第一章 總說

這般の地震に際し直接地震動に因る鐵道󠄁の被害󠄂の最も甚しかりし區間は,東海道󠄁本線大船󠄂駿河間,熱海線國府津眞鶴間,橫須賀線大船󠄂橫須賀間,北條線安房󠄁勝󠄁山南三原間,熱海軌道󠄁眞鶴熱海間,小田原電氣鐵道󠄁會社線小田原强羅間(軌道󠄁を含む)にして,橫濱東京兩市內に於ては地震動に因る被害󠄂よりも火災に依る被害󠄂遙に大なりき。 本調査に於ては列車運󠄁轉に支障を生じたる,震源地より最も遠󠄁き驛を連續せる線內を被害󠄂區域とし(附圖第一參照)その被害󠄂種別數量を綜合せるものは第一表に,損害󠄂見積費額及び應急󠄁工事費額は第二表及び第三表に揭げたり,以下これ等被害󠄂槪況を工種別に依りて記󠄂述󠄁すれば大要󠄁下の如し。

切取 切取は法面崩󠄁壞し,或は上部の土砂滑落して線路を埋沒せるところ頗る多く,その特に著しきは東海道󠄁本線箱根第三號󠄂道󠄁第四號󠄂道󠄁間,熱海線早川眞鶴間の數箇所󠄁,熱海軌道󠄁門川伊豆山間,小田原電氣鐵道󠄁湯本宮ノ下間等にして,或は隧道󠄁を壓潰し(箱根三號󠄂第四號󠄂道󠄁,熱海線下牧屋山隧道󠄁等),或は熱海線根府川驛附近󠄁に於けるが如く停車場及び運󠄁轉中の列車を海中に墜󠄁落せしむる等の慘狀を呈󠄁し切取崩󠄁坪󠄁數の積算實に約63,000立坪󠄁達󠄁せり。尙熱海線米神澤及び白糸川溪谷等に於ては泥流は奔下し來りて或は線路を埋沒せしめ或は橋梁を流失せしめたり。(第一表及び第四表參照)

築堤 築堤は潰裂或は沈下して堤形を失ひ,ために築堤下地下道󠄁の壓潰或は盛︀土上建󠄁築物の倒壞せるものあり,軌道󠄁の如きは或は波動狀に或は蛇行狀に錯亂し又󠄂橋臺背部の盛︀土は沈下殊に甚しく軌道󠄁空󠄁中に懸垂せし處尠からず,被害󠄂は各線至る處に分󠄁布せるも就中東海道󠄁本線國府津松󠄁田間及び熱海線國府津小田原間の如きは最も甚し,而して沈下線路の總延󠄂長48哩に達󠄁せり(第一表及び第五表參照)

土留壁 土留石垣の被害󠄂中最も多數なりしは切取法面の崩󠄁壞及び築堤の崩󠄁又󠄂は沈下に伴󠄁ふものにして,前者は約9,300面坪󠄁,後者は約7,200面坪󠄁達󠄁せり,この外停車場構內旅客乘降場擁壁として木造󠄁,石積,煉化石積又󠄂は混凝土工を施設しありしもの總延󠄂長約170,500呎の內,被害󠄂延󠄂長51,700呎に及び,これを被害󠄂種別に分󠄁類すれば變位を生じたるもの約29,700呎,罅裂部分󠄁約21,500呎,切斷を生じたる區間約8,700呎,倒潰約8,500呎なり,尙木造󠄁擁壁にして燒失せるもの約5,500呎ありたり。

貨物積卸場擁壁に在りては總延󠄂長約41,400呎に對し約12,300呎の被害󠄂延󠄂長を算し,この內變位最も多く約6,400呎を占め,罅裂約2,000呎,燒失約1,900呎,倒潰約590呎,切斷約420呎なり,その他橋梁翼󠄂壁として存在せし間知石空󠄁積のものは殆ど全󠄁崩󠄁壞,孕出,沈下等を生せざるものなし,練積のものも崩󠄁壞,罅裂,沈下等の被害󠄂あるもの極めて多し(第一表,第六表及び第九表參照)。

橋梁及び溝橋 橋梁の被害󠄂として著しきものを擧ぐれば,東海道󠄁本線馬入川橋梁,同第五相澤川橋梁,同六郷󠄁川橋梁,熱海線白糸川橋梁,同玉川橋梁,同酒匂川橋梁,北條線第一瀨戶川橋梁,同湊川橋梁等なり。

而して橋梁の被害󠄂通󠄁覽するにその多くは下部工に屬し,上部工橋桁自體が地震のために破損せしものは稀にして,唯下部工の破損又󠄂は下部工への取付け設備の强度不充分󠄁なりしため墜󠄁落して破損せしものありしに過󠄁ぎず,疊築工より成る橋臺の被害󠄂は被害󠄂區域內に在る總數2,056基に對し337基,橋脚の被害󠄂は同總數945基に對し279基,拱及び函渠の被害󠄂は同總數293箇所󠄁に對し98箇所󠄁に及べり(第一表及び第七表參照)。

道󠄁害󠄂區域內に在りし隧道󠄁總數は116本(この延󠄂長132,341呎)にして,この內損傷を蒙りしもの82本(この延󠄂長67,480呎),破損部分󠄁の總延󠄂長7,885呎に達󠄁せり。

害󠄂の大多數は坑門壁の破壞及び覆工の坑門に近󠄁き部分󠄁に橫斷せる龜裂を生ぜしものにして,東海道󠄁本線箱根第三號󠄂道󠄁及び第四號󠄂道󠄁,橫須賀線吉倉隧道󠄁,熱海線不動山隧道󠄁,同根ノ上山隧道󠄁,同下牧屋山隧道󠄁,同八本松󠄁道󠄁等その他枚擧に遑あらず,これ坑門上の土砂崩󠄁壞に際し激衝を受けたるに基因するものゝ如し。

內部の破損は土砂の上被薄く偏󠄁壓を受け易き狀態に在りしもの,或は建󠄁設工事中事故ありしもの等に多きが如く,中央本線與瀨隧道󠄁房󠄁總線土氣隧道󠄁及び北條線南無谷隧道󠄁等この類例に屬す。(第一表及び第八表參照)

建󠄁害󠄂區域內に於ける鐵道󠄁所󠄁屬の建󠄁物は,驛本屋,乘降場,貨物上家,車庫,工場及び鐵道󠄁省本廳舍並に各事務所󠄁,病院,敎習󠄁所󠄁,官舍等その棟數頗る多く,建󠄁築の用材及び樣式は多種多樣に亘り震害󠄂を蒙りたるもの51,219坪󠄁延󠄂坪󠄁以下同樣)火災に遇󠄁ひたるもの73,848坪󠄁に及べり,これを構造󠄁別に見るに木造󠄁大部分󠄁を占め,その全󠄁潰せしもの7,572坪󠄁半󠄁又󠄂は大破せしもの29,886坪󠄁,火災に罹りたるもの65,755坪󠄁にして,他の材料を使󠄁用せしものゝ被害󠄂數は第十表及び第十一表に示すが如く比較󠄁的少し,而して木造󠄁本屋の倒潰せしもの半󠄁潰せしもの及び傾斜󠄁沈下せしもの多し。

造󠄁上家の大部分󠄁は埋込󠄁柱を用ひ,屋根は裏板を用ひて亞鉛󠄁引鐵板張なりしが,東海道󠄁線の一部及び熱海線の如き震度大なる地方に在りしものは倒潰せるも,その他の地方に在りしものは乘降場沈下のため傾斜󠄁せる處ありしのみにして大なる被害󠄂なかりき。

煉化石造󠄁(石造󠄁を含む)の建󠄁物は主要󠄁なる數驛の本屋,機關車庫,工場,發變電所󠄁等にしてその內全󠄁潰せしもの130坪󠄁,大破せしもの8,012坪󠄁に及び尙燒失せしもの3,742坪󠄁ありしも新橋驛及び萬世橋驛本屋はその燒殘せる壁部の龜裂の程度により震害󠄂は頗る輕微なりし如く推知せらる。(第十一表參照)

鐵筋混凝土造󠄁(鐵骨造󠄁を含む)の建󠄁物は發電所󠄁,機關車庫及び高島驛貨物上家等にして,震害󠄂を受けたるもの3,674坪󠄁,火災に罹りたるもの383坪󠄁あり,高島驛貨物上家は全󠄁部倒潰し,その他は多少の破損を生ぜり,赤羽發電所󠄁は地盤甚脆弱󠄁なりしため建󠄁築當時基礎工に就き大に苦心せしを以て多少沈下をなせし外殆ど被害󠄂なかりき,鐵骨煉化石壁造󠄁は唯東京驛本屋のみなりしが何等被害󠄂なかりき。(第十一表參照)

鉛󠄁引鐵板葺にて鑄鐵管を柱とせる乘降場上家は7棟ありしが,その內2棟(東京驛に於けるもの)は全󠄁く倒潰し,2棟は倒潰を免れたるも柱の大部分󠄁折斷し,殘餘の3棟は燒失して僅に柱を殘存せるものありしに過󠄁ぎず。

尙古軌條を使󠄁用せし貨物上家にして,屋根に鐵筋混凝土スラプを用ひしものは倒潰又󠄂は傾斜󠄁せしも亞鉛󠄁引鐵板葺のものは異狀なかりき。

跨線橋 跨線橋は他の建󠄁造󠄁物に比して被害󠄂著しく尠く,木造󠄁のもの49箇所󠄁,鐵桁にして橋脚の鑄鐵柱なるもの29箇所󠄁,鋼柱のもの9箇所󠄁ありしが,何れも震災に因る被害󠄂輕微にして,激震地に於けるものと雖鑄鐵柱又󠄂は繫桿の切斷,若はこれを取付けたる柱の鑄出部の缺損,脚の受臺の移動等ありしに過󠄁ぎず,又󠄂外に火災に罹れるもの1箇所󠄁(橫濱驛)ありたり。(第一表及び第十二表參照)

地下道󠄁 地下道󠄁は激震地方に在りしもの,即ち熱海線小田原,早川,眞鶴の3驛,東海道󠄁本線下曾我驛,橫須賀線鎌󠄁倉驛,横濱櫻木町間電車線櫻木町驛等に設けられたるものに被害󠄂ありしも東京附近󠄁に於けるものは殆ど被害󠄂なかりき。(第一表及び第十三表參照)

信號機 號󠄂機自體の震害󠄂を被れるは少數なりしも,建󠄁植地盤の沈下又󠄂は移動のため傾斜󠄁したるもの多く,折損倒壞せしものこれに次󠄁ぐ,尙東京横濱兩市內に於ては火災に罹りたるもの亦尠からざりき。(第一表及び第十四表參照)

給水設備 給水臺の疊築工より成るもの10箇所󠄁中3箇所󠄁,木造󠄁のもの25箇所󠄁中6箇所󠄁,鐵製のもの15箇所󠄁中2箇所󠄁破損せり,又󠄂給水臺崩󠄁壞のため水槽の轉落破損せしもの木造󠄁鐵製を合し 11箇所󠄁あり。(第一表、第十五表其一及び附圖第二參照)

尙掘拔井戶84箇所󠄁及び掘井戶299箇所󠄁に就き地震の影響󠄂を檢せしに槪ね被害󠄂輕微にして,掘拔井戶中全󠄁部鐵管を挿入したるものには全󠄁然被害󠄂なく,上部鐵管下部掘放しのもの及び竹管を用ひたるものゝ一部に渴水又󠄂は減水したるものありしに過󠄁ぎず,掘井戶は掘拔井戶に比し淺きものなるも299箇所󠄁中60箇所󠄁の被害󠄂ありしのみなり。(第十五表其二,其三及び附圖第二參照)

道󠄁 延󠄂長1,093哩中被害󠄂ありたるもの179哩にして,築堤箇所󠄁に於ける被害󠄂は東海道󠄁本線國府津下曾我間及び熱海線國府津鴨宮間最も甚しく,軌道󠄁はその中心より70~80呎の遠󠄁距離に投げ出され,軌條繼目部に於て切斷し甚しく彎曲せしあり,或は築堤の崩󠄁壞せる土砂中に埋沒せしあり,切取箇所󠄁に於ける被害󠄂は熱海線根府川驛附近󠄁最も甚しく,軌道󠄁は山崩󠄁のため全󠄁部海中に押し出されて形跡を留めざる程󠄁の慘狀を呈󠄁したり,尙その他の區間に於ても彎曲沈下及び埋沒等の被害󠄂頗る多く火災のため枕木等の燒損せしもの亦尠からず。(第一表及び第十六表參照)

列車 震災發生當時被害󠄂區域內に運󠄁轉中の列車112あり,內轉覆又󠄂は脫線せしもの23箇列車,火災に罹りしもの9箇列車にして,これを線別に示せば第一表及び第十七表の如し,而して旅客の死亡117名,重傷61名,輕傷56名,職員の死亡13名,重傷2名,輕傷4名なりとす。(第一表第十七表及び附圖第三參照)

車輛 車輛の燒損したるものは機關車のタンク型17輛,テンダー型31輛,客車のボギー車297輛,四輪車116輛,貨車の有蓋車688輛,無蓋車274輛にして,破損したるものは機關車のタンク型6輛,テンダー型35輛,客車のボギー車24輛,四輪車6輛,電動車3輛,附隨車1輛,貨車の有蓋車138輛,無蓋車73輛なり。(第一表,第十八表及び附圖第四參照)

而して停車中の機關車又󠄂は他の車輛にして,軌道󠄁の水準に狂ひを生ぜざる處に在りても橫顚せるもの尠からず,又󠄂以て地震の强度を推知するの資󠄁料と爲し得べきか。

電線路 電線路の被害󠄂は沿線停車場及び線路の被害󠄂とその狀況を一にし,東京田町間,東京牛込󠄁間,上野鶯谷間の如きは火災によりて燒失したるもの多かりしも,その他の區間に於ける地震動による直接の被害󠄂は電柱等に多少の損傷を來したる外極めて輕微なりき。

但上記󠄂の被害󠄂は當時の電車運󠄁轉區間に於けるものにして,電氣運󠄁轉準備中に屬せし電線路の內橫濱横須賀間は鐵柱を用ひ,大船󠄂小田原間は假設として木柱を用ひ大半󠄁竣成し居りしが,路盤の崩󠄁壞沈下に伴󠄁ひてこれ等支󠄂柱は傾斜󠄁,顚倒等の厄に遇󠄁ひ,國府津小田原間の被害󠄂最も甚しかりき。

通󠄁信設備 通󠄁信設備の被害󠄂は頗る多大にして,機器,電線,電柱及び線條の破壞又󠄂は顚倒或は燒失せしもの多く,東京を中心とし各方面その通󠄁全󠄁く杜絕するに至れり。

震災の鐵道󠄁輸送󠄁に及ぼしたる影響󠄂 震災に因る鐵道󠄁害󠄂程󠄁度をその應急󠄁修理に要󠄁せし日時並に輸送󠄁數量の方面より推知するに資󠄁せんがため,線路開通󠄁一覽表(第十九表及び附圖第五),全󠄁線に於ける貨物月別發送󠄁噸數圖表(附圖第六),各鐵道󠄁局別使󠄁用貨車數變動圖表(附圖第七),及び罹災地の殆ど全󠄁部を包󠄁擁する東京鐵道󠄁局管內の旅客列車哩及び貨物列車哩圖表(附圖第八),並に旅客延󠄂人哩及び貨物延󠄂噸哩圖表(附圖第九)を添附せり,該表によれば,旅客輸送󠄁は大正十二年度は同十一年度に比し五,六,七月は稍々少數なりしも八月に至りて增加せしに,九月は震災に因り東京に集注する線路悉く破壞不通󠄁となりしため八月の約半󠄁數に減少し,應急󠄁工事成るに從ひ運󠄁輸數量漸次󠄁增大し,十月に至りては震災前󠄁の八月以上に上り前󠄁年度同月に比して遙に超過󠄁せり,而して貨物の輸送󠄁狀況も亦大體に於て同一の趨勢を示せり。

工事中線路の被害󠄂 工事中の鐵道󠄁線路にして著しき被害󠄂ありたるは熱海線眞鶴熱海間及び安房線江見鴨川間にして,熱海線に於ては竣工せし下長窪,一本松󠄁兩隧道󠄁の坑門附近󠄁の覆工に大龜裂を生じ,又󠄂工事中の逢初山隧道󠄁崩󠄁壞して工夫26人坑奧に閉塞せられ,尙工事中なりし千歲川橋梁橋臺及び橋脚切斷し,殆ど竣工に近󠄁かりし,湯ヶ原驛本屋及び附屬建󠄁は倒潰し,構內地下道󠄁も大破損を來せり,この外切取法面の崩󠄁壞,築堤沈下等の被害󠄂亦數箇所󠄁に及べり。

又󠄂房󠄁線に於ては工事中の嶺岡隧道󠄁崩󠄁壞し,尙竣工せし拱橋に龜裂を生じ,築堤の沈下したるもの數箇所󠄁ありたり。

急󠄁工事 前󠄁記󠄂の如く鐵道󠄁の被害󠄂は極めて劇甚なるのみならず,その範圍も435哩の多きに及び,且被害󠄂道󠄁運󠄁輸交󠄁通󠄁上最も重要󠄁なる線路にして,當時特に交󠄁通󠄁機關の要󠄁望󠄁せらるる際なりしを以て,これが應急󠄁工事も分󠄁秒を爭ひ,各從事員不眠不休の努力を致し,直に東京附近󠄁の應急󠄁工事に着手すると共に各地の被害󠄂狀況を明にするため,徒步者或は自働車又󠄂はトロリー等を各方面に派󠄂遣󠄁し,これ等より得たる情󠄁報を綜合し被害󠄂程󠄁度を探知し,又󠄂一方全󠄁力を擧げて電信電話等通󠄁信機關の復舊を計り,以て漸次󠄁害󠄂狀況を明にするを得,應急󠄁工事の計畫(熱海線を除く)を建󠄁て各方面とも數區間に分󠄁ちその部署を定め,各區間一齊に應急󠄁工事に着手し(熱海線を除く)沈下陷落せる築堤を復舊し,線路上に崩󠄁壞せる土砂又󠄂は石垣或は散亂せる電柱及び信號󠄂機等を取片付け,橋臺橋脚の破損せるものはステージング又󠄂はサンドル等にて假工事を行ひ,隧道󠄁に在りては被害󠄂の著しき部分󠄁に古軌條又󠄂は木材にて假受を設け,停車場本屋の倒壞せるものは假小屋を設け,又󠄂は倒壞を免れし附屬建󠄁物を修理し假本屋に充て,信號󠄂機,給水器等も亦假修理をなし,軌道󠄁の整正を行ひ,何れも列車運󠄁轉に差支へなき程󠄁度の應急󠄁工事を施行し,順調󠄁に漸次󠄁列車を運󠄁轉したり。(第十九表及び附圖第五參照)