通俗正教教話/信経/第六か條
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(六)第六か條
編集- 『
天 に昇 り父 の右 に座 し』
- 『
問
- 答
左様 で御座 います矢張 聖書 の内 から採 た言 でエフェスの書 の内 に斯 う謂 う言 が御座 います『降 りし者 は彼 即 ち諸天 の上 に登 りし者 なり』此 れ萬有 を充 さん為 なり』〔四の十〕又 エウレイ(ヘブル)書 の内 に『我 等 に是 くの如 き司 祭長 あり彼 は天 に於 て威 厳 の宝 座 の右 に座 せり』〔八の一〕信経 の第六か條の言 は実 に此 二 の言 を合 せたもので御座 います。
問 イイスス ハリストスには
- 答
其 は勿論 人 の性 に由 ってお昇天 なさったので決 して神 の性 に由 ってでは無 いので御座 います、何 となれば神 の性 によってはイイスス ハリストスは恒 に天 にお居 でになるので御座 いますから、天 にお昇 りになる迄 もないので御座 います。
問
- 答
左様 で御座 います、若 し此 言 を其 う字義 通 りに解釈 しますれば全然 く妙 な事 になりますが、此 言 は決 して其様 に字義 通 りに解釈 すべき言 では御座 いませぬ、『父 の右 に座 す』と謂 ふは神父 と同 じ能力 と光栄 とをイイスス ハリストスがお有 ちになってお居 でになると謂 ふことを申 したもので御座 います。