通俗正教教話/信経の箇條の事

wikisource:宗教 > 通俗正教教話

（地）信経（しんけい）の箇（か）條（じょう）の事

問　信経（しんけい）の中（うち）の意味（いみ）を明（あきら）かに解（わか）りまする様（よう）にしまするには、何（ど）う致（いた）したならば宜（よろ）しう御座（ござ）いますか。

答　其（それ）は信経（しんけい）を十二か條に区（く）別（べつ）しまして、其（その）一か條、一か條に就（つ）いて研（しら）べて行（ゆ）きますれば一番（いちばん）解（わか）り易（やす）く、信経（しんけい）の意味（いみ）も明（あきら）かに知（し）ることが出来（でき）ますので御座（ござ）います。

問　では信経（しんけい）の一か條、一か條の意味（いみ）を手（て）短（みぢか）に解（わか）り易（やす）く申（もう）しますると何（ど）う謂（い）ふ事（こと）になるので御座（ござ）いますか。

答　第一か條の意味（いみ）は神様の第一（だいいちの）位（くらい）に存（おはしま）す神父（かみちち）の世（せ）界（かい）の創造主（そうぞうしゅ）で有（あ）ることを述（の）べましたもので、

第二か條は神様の第二（だいにの）位（くらい）に在（いま）す神（かみ）子（こ）の事（こと）を述（の）べましたもので御座（ござ）います。

第三か條は其（その）神（かみ）の子（こ）が人（ひと）の体（からだ）をお藉（か）りになつて此（この）世（よ）にお降（くだり）になつたこと、

第四か條は其（その）神（かみ）の子（こ）なるイイスス・ハリストスの苦（くるしみ）を受（う）けてお死（しに）になつたこと、

第五か條はイイスス・ハリストスの復活（よみがえり）になつたこと、

第六か條はイイスス・ハリストスの天（てん）にお昇（のぼり）になつたこと、

第七か條は天（てん）にお昇（のぼり）になつたイイスス・ハリストスが此（この）世（よ）の終（おわり）に再（ふたた）び地（ち）上（じょう）にお降（くだり）になること、

第八か條は神様の第三（だいさんの）位（くらい）に在（いま）す神（かみ）聖神（せいしん）のこと、

第九か條は教（きょう）会（かい）のこと、

第十か條は洗礼（せんれい）と其（その）他（た）の機（き）密（みつ）のこと、

第十一か條は死（し）したる此（この）世（よ）の人（ひと）が世（よ）の終（おわり）の日（ひ）に復生（よみがえ）ること、

第十二か條は其（その）復生（よみがえ）つた後（のち）の限（かぎり）なき生命（いのち）の事（こと）を述（の）べたもので御座（ござ）います。