明治十七年七月七日達華族令左ノ通追加ス

明治二十七年六月三十日
奉勅 宮內大臣子爵土方久元

第十一條 華族ハ相續及家政上ノ關係ヲ定ムル爲ニ法律命令及華族ニ關スル規定ノ範圍內ニ於テ家範ヲ定ムルコトヲ得

第十二條 家範ハ宮內大臣ノ認許ヲ經ヘシ其條項ヲ改正增補スルトキ亦同シ

第十三條 華族ノ戶主ニシテ監ニ付セラルヘキ禁錮ノ刑ニ處セラレタルハ華族ノ稱ヲ除キ其爵位ヲ返上セシム

第十四條 第五條第六條ノ禮遇ヲ享クルニシテ前條ニ當ルトキハ其禮遇ヲ禁止シ位記アルハ之ヲ返上セシム

華族ノ嫡長子孫ニシテ前條ニ當ルトキハ華族ノ榮典ヲ繼承スルコトヲ得ス

第十五條 華族ノ戶主及第五條第六條ノ禮遇ヲ享クルニシテ左ニ揭クル事項ノ一ニ當ルトキハ其禮遇ヲ停止ス

禁錮ノ刑ニ處セラレ其刑期間ノ
刑事ノ訴ヲ受ケ勾留又ハ保釋若クハ責付中ノ又ハ監中ノ
家資分散若クハ破產ノ宣吿ヲ受ケ復權セサル又ハ身代限ノ處分ヲ受ケ負債ノ辨償ヲ終ヘサル
第十條ノ義務ヲ充タサヽル
華族ノ品位ヲ保ツ能ハサル

第十六條 華族タルノ體面ヲ汚辱スル失行アル第十三條第十四條又ハ第十五條ニ依リ處分ス

第十七條 華族ノ品位ヲ保ツ能ハサルハ榮典ヲ辭スルコトヲ得

第十八條 第十三條乃至第十七條ノ處分ハ勅裁ヲ仰キ宮內大臣之ヲ行フ但第十五條第四第五第十六條第十七條ノ處分ニ付テハ華族中ヨリ勅選セラレタル七名以上ノ委員ヲシテ評議セシメ勅裁ヲ仰クヘシ

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