航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律


本則 編集

(航空の危険を生じさせる罪)

第一条
飛行場の設備若しくは航空保安施設を損壊し、又はその他の方法で航空の危険を生じさせた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(航行中の航空機を墜落させる等の罪)

第二条
  1. 航行中の航空機(そのすべての乗降口が乗機の後に閉ざされた時からこれらの乗降口のうちいずれかが降機のため開かれる時までの間の航空機をいう。以下同じ。)を墜落させ、転覆させ、若しくは覆没させ、又は破壊した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
  2. 前条の罪を犯し、よつて航行中の航空機を墜落させ、転覆させ、若しくは覆没させ、又は破壊した者についても、前項と同様とする。
  3. 前二項の罪を犯し、よつて人を死亡させた者は、死刑又は無期若しくは七年以上の懲役に処する。

(業務中の航空機の破壊等の罪)

第三条
  1. 業務中の航空機(民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約第二条(b)に規定する業務中の航空機をいう。以下同じ。)の航行の機能を失わせ、又は業務中の航空機(航行中の航空機を除く。)を破壊した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
  2. 前項の罪を犯し、よつて人を死亡させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

(業務中の航空機内に爆発物等を持ち込む罪)

第四条
不法に業務中の航空機内に、爆発物を持ち込んだ者は三年以上の有期懲役に処し、銃砲、刀剣類又は火炎びんその他航空の危険を生じさせるおそれのある物件を持ち込んだ者は二年以上の有期懲役に処する。

(未遂罪)

第五条
第一条、第二条第一項、第三条第一項及び前条の未遂罪は、これを罰する。

(過失犯)

第六条
  1. 過失により、航空の危険を生じさせ、又は航行中の航空機を墜落させ、転覆させ、若しくは覆没させ、若しくは破壊した者は、十万円以下の罰金に処する。
  2. その業務に従事する者が前項の罪を犯したときは、三年以下の禁錮又は二十万円以下の罰金に処する。

(国外犯)

第七条
第一条から第五条までの罪は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第二条 の例に従う。

附則抄 編集

1  この法律は、民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。

附 則 (昭和五二年一一月二九日法律第八二号)[1] 編集

この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

脚注 編集

参考資料 編集


 

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