- 萬民よ、主を讃め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讃めよ、盖彼の憐は我等を固む〈正教会訳のには彼が我等に施す憐は大なりとあり〉主の真実は永く存す〔一節二節〕
一。 此等の言が信者の教会に関する預言及び全世界を包括せんとする伝道に関する予告たることは何人の為にも明なり。聖詠の中に招がるゝは、一二の民族にあらずして全地と海も亦之に與るなり。而して此事はハリストスの輝ける降臨の時に成就せり。次に預言者は彼等の救はれたるは己の善行の為にあらず、行為と苦行との為にあらず、乃ち一に神の仁愛によれることを解明しつゝ救贖の原因をも顕せり。曰く『彼の憐は我等を固む』と、即ち確実堅固にして石よりも固うせりとなり。実に教会は日々に益々成長す。『主の真実は永く存す、』永く存するが故に真実は特に輝くなり。預言者の斯く言ひしは、旧約は像たり影たりしに由る。福音記者も〔『〕律法はモイセイに由りて授けられ、恩寵と真実とはイイスス ハリストスに由りて来れり』〔イオアン福音一の十七〕といひて此事を顕せり。
第百十六聖詠
- (アリルイヤ)
- 1 萬民よ、主を讃め揚げよ、萬族よ、彼を崇め讃めよ、
- 2 蓋彼が我等に施す憐は大なり、主の真実は永く存す。
詩篇第117篇(文語訳旧約聖書)
- 1 もろもろの国よなんぢらヱホバを讃まつれ もろもろの民よなんぢらヱホバを称へまつれ
- 2 そはわれらに賜ふその憐憫はおほいなり ヱホバの真実はとこしへに絶ることなし ヱホバをほめまつれ