義勇兵役法
朕ハ嚝古ノ難局ニ際會シ忠良ナル臣民ガ勇奮挺身皇土ヲ防衞シテ國威ヲ發揚セムトスルヲ嘉シ帝國議會ノ協贊ヲ經タル義勇兵役法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
- 昭和二十年六月二十二日
內閣總理大臣 男爵鈴木貫太郞
海軍大臣 米內 光政
陸軍大臣 阿南 惟幾
法律第三十九號
義勇兵役法
第一條 大東亞戰爭ニ際シ帝國臣民ハ兵役法ノ定ムル所ニ依ルノ外本法ノ定ムル所ニ依リ兵役ニ服ス
本法ニ依ル兵役ハ之ヲ義勇兵役ト稱ス
本法ハ兵役法ノ適用ヲ妨グルコトナシ
第二條 義勇兵役ハ男子ニ在リテハ年齡十五年ニ達スル年ノ一月一日ヨリ年齡六十年ニ達スル年ノ十二月三十一日迄ノ者(勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除ク)、女子ニ在リテハ年齡十七年ニ達スル年ノ一月一日ヨリ年齡四十年ニ達スル年ノ十二月三十一日迄ノ者之ニ服ス
前項ニ規定スル服役ノ期閒ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ必要ニ應ジ之ヲ變更スルコトヲ得
第三條 前條ニ揭グル者ヲ除クノ外義勇兵役ニ服スルコトヲ志願スル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ義勇兵ニ採用スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依ル義勇兵ノ服役ニ關シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
第四條 六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者ハ義勇兵役ニ服スルコトヲ得ズ但シ刑ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ
第五條 義勇兵ハ必要ニ應ジ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ召集シ國民義勇戰闘隊ニ編入ス
本法ニ依ル召集ハ之ヲ義勇召集ト稱ス
第六條 義勇兵役ニ關シ必要ナル調査及屆出ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依ル
第七條 義勇召集ヲ免ルル爲逃亡シ若ハ潛匿シ又ハ身體ヲ毀傷シ若ハ疾病ヲ作爲シ其ノ他詐僞ノ行爲ヲ爲シタル者ハ二年以下ノ懲役ニ處ス
故ナク義勇召集ノ期限ニ後レタル者ハ一年以下ノ禁錮ニ處ス
第八條 前條ノ規定ハ何人ヲ問ハズ帝國外ニ於テ其ノ罪ヲ犯シタル者ニモ亦之ヲ適用ス
第九條 國家總動員法第四條但書中兵役法トアルハ義勇兵役法ヲ含ムモノトス
附則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)
この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。