経済安定本部令 (昭和21年勅令第380号)
公布時
編集- 朕は、枢密顧問の諮詢を経て、経済安定本部令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。
御名御璽
国 務 大 臣 男爵 幣原喜重郎
司 法 大 臣 木村篤太郎
内 務 大 臣 大村 清一
文 部 大 臣 田中耕太郎
農 林 大 臣 和田 博雄
国 務 大 臣 齋藤 隆夫
逓 信 大 臣 一松 定吉
商 工 大 臣 星島 二郎
厚 生 大 臣 河合 良成
国 務 大 臣 植原悦二郎
運 輸 大 臣 平松常次郎
大 蔵 大 臣 石橋 湛山
国 務 大 臣 金森德次郎
国 務 大 臣 膳 桂之助
勅令第三百八十号
- 経済安定本部令
第一条 経済安定本部は、内閣総理大臣の管理に属し、物資の生産、配給及び消費、労務、物価、金融、輸送等に関する経済安定の緊急施策について、企画立案の基本に関するもの並びに各庁事務の綜合調整、監査及び推進に関する事務を掌る。
2 前項の事務を行ふために、特に必要があるときは、内閣総理大臣は、関係各省大臣に対して、必要な事項を命ずることができる。
第二条 前条第一項の事務を分掌させるために、経済安定本部に、内閣総理大臣の定めるところにより、部を置くことができる。
第三条 経済安定本部に左の職員を置く。
- 総裁
- 総務長官
- 部員
- 主事
2 前項の職員の外に、部を置いた場合においては、部長を置く。
第四条 経済安定本部に参与若干人を置き、庁務に参与させる。
2 参与は、内閣総理大臣の奏請によつて、学識経験ある者の中から、内閣で、これを命ずる。
3 参与は、その職務に関して知つた秘密を厳守しなければならない。
第五条 総裁は、内閣総理大臣を以て、これに充てる。
2 総裁は、庁務について、その責に任ずる。
第六条 総務長官は、国務大臣を以て、これに充てる。
2 総務長官は、庁務を掌理する。
第七条 部長は、関係各庁二級以上の官吏及び学識経験ある者の中から、内閣総理大臣が、これを命ずる。
2 部長は、総務長官の命を承けて、その部の事務を掌理する。
3 部員は、関係各庁二級以上の官吏及び学識経験ある者の中から、内閣総理大臣が、これを命ずる。
4 部員は、上司の命を承けて、庁務を掌る。
第八条 官吏ではなくて、部長又は部員を命ぜられた者の服務に関しては、官吏服務紀律を準用する。
第九条 主事は、関係各庁の官吏の中から、内閣総理大臣が、これを命ずる。
第十条 経済安定の緊急施策に関する重要事項を審議するために、経済安定本部に、経済安定会議を置く。
2 経済安定会議に関して必要な事項は、内閣総理大臣が、これを定める。
第十一条 この勅令に規定するものの外、経済安定本部に関して必要な事項は、内閣総理大臣が、これを定める。
- 附 則
1 この勅令は、公布の日から、これを施行する。
2 この勅令は、施行後一年を限り、その効力を有する。
改正経過
編集- 経済安定本部令の一部を改正する勅令(昭和21年勅令第603号):
- 第2条中「部」を「総裁官房及び部」に改める。第3条第1項中「総務長官」の次に「次長」を加える。第8条中「部長又は」を「次長、部長又は」に改め、同条を第9条とし、以下順次一条ずつ繰り下げる。第7条を第8条とする。
- 第七条 次長は二人とし、内一人は関係各庁一級官吏の中から、内一人は学識経験ある者の中から、内閣総理大臣が、これを命ずる。
- 2 次長は、総務長官を佐けて、庁務を掌理する(以上昭和21年12月18日施行)。
- 経済安定本部令を改正する勅令(昭和21年勅令第193号): 全部改正(昭和22年5月1日施行)
関連項目
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この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。