経済安定本部設置法


公布時

編集
経済安定本部設置法をここに公布する。

御名御璽


昭和二十四年五月三十一日
内閣総理大臣 吉田  茂

法律第百六十四号

経済安定本部設置法

目次

第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 本部
第一節 内部部局(第六条―第十四条)
第二節 附属機関(第十五条)
第三節 地方支分部局(第十六条―第十八条)
第三章 外局(第十九条―第三十四条)
第一節 物価庁(第二十条―第三十二条)
第一款 総則(第二十条・第二十一条)
第二款 内部部局(第二十二条―第二十七条)
第三款 地方支分部局(第二十八条―第三十一条)
第四款 価格調整公団(第三十二条)
第二節 経済調査庁(第三十三条)
第三節 外資委員会(第三十四条)
第四章 職員(第三十五条―第三十八条)
附則
第一章 総則
(この法律の目的)

第一条 この法律は、経済安定本部の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。

(定義)

第二条 この法律の解釈に関しては、左の定義に従うものとする。

2 この法律において「建設力」とは、土地、労力、資金及び資材を選択利用して需要に応ずる施設を適時に完成する能力をいう。

3 この法律において「価格等」とは、物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいい、「統制額」とは、同令第四条及び第七条に定める統制額をいう。

(設置)

第三条 国家行政組織法[1](昭和二十三年法律第百二十号)第二十四条第一項の規定に基いて、臨時に、経済安定本部を設置する。

2 経済安定本部の長は、経済安定本部総裁とし、内閣総理大臣をもつてこれに充てる。総裁は、部務について、その責に任ずる。

3 経済安定本部に、総務長官を置き、国務大臣をもつてこれに充てる。総務長官は、部務を掌理する。

4 経済安定本部に、副長官一人を置く。副長官は、総務長官を助けて、総務長官の定めるところにより、部務を掌理する。

(経済安定本部の任務)

第四条 経済安定本部は、左に掲げる国の行政事務を一体的に遂行する責任を負う行政機関とする。

一 経済安定の基本的施策の企画立案
二 関係各行政機関の事務の総合調整及び推進
三 物価の統制
四 経済統制の確保
五 外国人の投資及び事業活動の調整
(本部の権限)

第五条 経済安定本部は、この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律(法律に基く命令を含む。)に従つてなされなければならない。

一 予算の範囲内で、所掌事務の遂行に必要な支出負担行為をすること。
二 収入金を徴収し、所掌事務の遂行に必要な支払をすること。
三 所掌事務の遂行に直接必要な事務所等の施設を設置し、及び管理すること。
四 所掌事務の遂行に直接必要な事務用品等を調達すること。
五 不用財産を処分すること。
六 職員の任免及び賞罰を行い、その他職員の人事を管理をすること。
七 職員の厚生及び保健のため必要な施設をなし、及び管理すること。
八 職員に貸与する宿舍を設置し、及び管理すること。
九 所掌事務に関する統計及び調査資料を頒布し、又は刊行すること。
十 所掌事務の監察を行い、法令の定めるところに従い、必要な措置をとること。
十一 所掌事務の周知宣伝を行うこと。
十二 経済安定本部の公印を制定すること。
十三 物資の生産、配給及び消費、労働、物価、財政、金融、外国為替、貿易、建設、輸送等に関する経済安定の基本的施策について、企画立案をし、並びにこれらの事項について関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
十四 所掌事務を遂行するため、関係各行政機関の長に対して必要な事項を命ずること。
十五 臨時物資需給調整法(昭和二十一年法律第三十二号)第一条第一項に基く命令又は法律若しくはこれに基く命令による経済安定本部総裁に対する不服の申立に関し、関係各行政機関に対して必要な命令又は勧告をすること。
十六 食糧管理法(昭和十七年法律第四十号)、船舶公団法(昭和二十二年法律第五十二号)、配炭公団法(昭和二十二年法律第五十六号)、産業復興公団法(昭和二十二年法律第五十七号)、貿易公団法(昭和二十二年法律第五十八号)、価格調整公団法(昭和二十二年法律第六十二号)、肥料配給公団令(昭和二十二年勅令第百七十一号)、酒類配給公団法(昭和二十二年法律第百七十二号)、食料品配給公団法(昭和二十二年法律第二百一号)、飼料配給公団法(昭和二十二年法律第二百二号)及び油糧配給公団法(昭和二十二年法律第二百三号)の規定に基く各公団の所掌事務について、これらの法律の規定による認可、承認、指導及び監督をし、並びに臨検及び検査を行う外、これらの法律により経済安定本部総務長官又は物価庁長官に属せしめられた権限を行うこと。
十七 価格等の統制額を指定し、その他価格等の額について決定、命令、許可、認可その他の処分をすること。
十八 価格等に対する給付をすることを業とする者に対し、価格等の届出及び表示に関して必要な事項を命ずること。
十九 物品の規格、品質、販売方法、販売場所等に関して制限又は禁止をすること。
二十 価格等の原価に関して計算をさせること。
二十一 価格等に対する給付をすることを業とする者に対し、物価統制令第二十条に規定する割増金を附することを命ずること。
二十二 価格等に対する給付をすることを業とする者に対し、物価統制令第十九条に規定する差益及び前号の割増金の全部又は一部を国庫に納付させること。
二十三 物価安定のためにする国庫補助金を交付すること。
二十四 経済統制の確保に関する計画の立案をすること。
二十五 経済法令(経済調査庁法(昭和二十三年法律第二百六号)別表第一に掲げる法令及び同法に基き政令で指定する法令並びにこれらの法令に基き発せられた命令をいう。以下同じ。)に関し、関係各行政機関が行う経済施策の実施を監査すること。
二十六 経済法令に関する違反行為を調査すること。
二十七 経済法令に関する違反行為について、警察その他関係各行政機関の行う予防及び捜査に対し、勧告及び協力をすること。
二十八 経済法令の規定の趣旨について、警察官及び警察吏員を啓発すること。
二十九 経済法令に関する違反行為について、警察その他関係各行政機関の行う予防及び捜査の状況並びにその改善について一般的情報を収集すること。
三十 隠退蔵物資の調査並びに供出及び活用の促進をすること。
三十一 外国人の投資及び事業活動を調整すること。
三十二 前各号に掲げるものの外、法律(法律に基く命令を含む。)に基き、経済安定本部、物価庁、経済調査庁及び外資委員会に属せしめられた権限。
第二章 本部
第一節 内部部局
(内部部局)

第六条 本部に、総裁官房及び左の六局を置く。

生産局
動力局
生活物資局
財政金融局
貿易局
建設交通局

2 総裁官房に、連絡部を置く。

(特別な職)

第七条 総裁官房に、官房長を置く。官房長は、命を受けて総裁官房の事務を掌理する。

2 総裁官房に、官房次長二人を置く。官房次長は、官房長を助け、官房の事務を整理する。

3 生産局に次長二人、動力局に次長一人、生活物資局に次長二人、財政金融局に次長一人、貿易局に次長一人、建設交通局に次長二人を置く。各局の次長は、局長を助け、局務を整理する。

4 本部に、[2]顧問及び参与を置く。顧問には、重要な部務に関して総務長官に対して意見を述べさせ、参与には、部務に参与させる。

(総裁官房の事務)

第八条 総裁官房においては、本部の所掌事務に関し、左の事務をつかさどる。

一 機密に関すること。
二 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。
三 総裁及び総務長官の官印並びに本部印を管守すること。
四 公文書を接受し、発送し、編集し、及び保存すること。
五 経費及び収入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関すること。
六 行政財産及び物品を管理すること。
七 職員の衛生、医療その他福利厚生に関すること。
八 企画一般に関すること。
九 調査及び統計に関すること。
十 行政の考査を行うこと。
十一 渉外事務に関すること。
十二 経済復興計画に関すること。
十三 労働に関する基本的な政策及び計画の樹立並びに関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
十四 こう報[3]に関すること。
十五 法令案の審査その他総合調整に関すること。
十六 地方経済安定局の行う事務の総合調整を図ること。
十七 前各号に掲げるものの外、本部の所掌事務で、他局及び他の機関の所掌に属さない事務に関すること。

2 連絡部においては、前項第十一号に掲げる事務をつかさどる。

(生産局の事務)

第九条 生産局においては、左の事務をつかさどる。

一 物資の需給に関する政策及び計画の総括をすること。
二 物資の生産(他局の所掌に属するものを除く。)に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
三 物資の割当及び配給(他局の所掌に属するものを除く。)に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
四 前二号に掲げる物資の生産、割当及び配給に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
(動力局の事務)

第十条 動力局においては、左の事務をつかさどる。

一 石炭、石油、ガス、コークス及び電力の生産、割当及び配給(家庭用の割当及び配給を除く。)に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
二 前号に掲げる物資の生産、割当及び配給に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
(生活物資局の事務)

第十一条 生活物資局においては、左の事務をつかさどる。

一 国民の合理的な物的生活水準の策定並びに国民の物的生活水準の改善に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
二 生活物資の生産に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
三 生活物資の割当及び配給、(石炭、石油、ガス、コークス及び電力の家庭用の割当及び配給を含む。)に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
四 前三号に掲げる物的生活水準の策定及び改善並びに生活物資の生産、割当及び配給に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
(財政金融局の事務)

第十二条 財政金融局においては、左の事務をつかさどる。

一 財政、通貨及び金融に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
二 企業及び金融機関の再建整備に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
三 前二号に掲げる財政、通貨及び金融並びに企業及び金融機関の再建整備に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
四 国家資金計画を樹立すること。
五 国民所得の調査をすること。
(貿易局の事務)

第十三条 貿易局においては、左の事務をつかさどる。

一 貿易に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
二 貿易に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
(建設交通局の事務)

第十四条 建設交通局においては、左の事務をつかさどる。

一 建設及び建設力の運営に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
二 前号に規定する建設及び建設力の運営に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
三 公共事業の計画及び監督をすること。
四 基本的な国土計画を樹立すること。
五 運輸及び通信に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
六 運輸及び通信に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
第二節 附属機関
(附属機関)

第十五条 左の表の上欄に掲げる機関は、本部の附属機関として置かれるものとし、その設置の目的は、それぞれ下欄に記載する通りとする。

種類 目的
経済復興計画審議会 経済の復興に関する諸計画につき、基礎資料の収集整理及び調査審議を行い、復興計画を立案し、総裁に対し、必要な報告及び勧告を行うこと。
資源調査会 重要資源の総合的な利用に関し、調査審議し、総裁に対し、必要な報告及び勧告を行うこと。
経済再建整備審議会 企業再建整備法(昭和二十一年法律第四十号)及び金融機関再建整備法(昭和二十一年法律第三十九号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行うこと。
国民食糧及び栄養対策審議会 総裁の諮問に応じて、国民食糧の安定及び国民栄養の改善向上に関する重要事項を調査審議し、あわせて当該事項について総裁に建議すること。
通貨発行審議会 通貨発行審議会法(昭和二十二年法律第百九十七号)第一条の規定によりその権限に属せしめられた事項をつかさどること。

2 前項に掲げる附属機関の組織、所掌事務及び委員その他の職員については、他の法律(法律に基く命令を含む。)に別段の定がある場合を除く外、政令で定める。

第三節 地方支分部局
(地方支分部局)

第十六条 本部に、地方支分部局として地方経済安定局を置く。

(地方経済安定局の所掌事務)

第十七条 地方経済安定局は、本部の所掌事務のうち、関係各行政機関の事務の総合調整及び推進に関する事務を分掌する。

(名称、位置及び管轄区域)

第十八条 地方経済安定局の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。

名称 位置 管轄区域
札幌地方経済安定局 札幌市 北海道
仙台地方経済安定局 仙台市 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
東京地方経済安定局 東京都 東京都 茨城県 群馬県 栃木県 埼玉県 千葉県 神奈川県 山梨県 新潟県 長野県
名古屋地方経済安定局 名古屋市 静岡県 岐阜県 愛知県 三重県 富山県 石川県
大阪地方経済安定局 大阪市 京都府 大阪府 福井県 滋賀県 兵庫県 奈良県 和歌山県
広島地方経済安定局 広島市 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
高松地方経済安定局 高松市 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
福岡地方経済安定局 福岡市 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
第三章 外局
(外局の設置)

第十九条 国家行政組織法第三条第二項の規定に基いて経済安定本部に置かれる外局は、左の通りとする。

物価庁
経済調査庁
外資委員会
第一節 物価庁
第一款 総則
(物価庁の任務、長及び次長)

第二十条 物価庁は、価格等の統制その他物価に関する事務を行うことを主たる任務とする。 2 物価庁の長は、物価庁長官とし、経済安定本部総務長官たる国務大臣をもつてこれに充てる。 3 物価庁に、次長一人を置く。次長は、長官を助け、庁務を整理する。

(物価庁の権限)

第二十一条 物価庁は、その所掌事務を遂行するため第五条第一号から第二十三号までに掲げる権限及びその他法律(法律に基く命令を含む。)に基き物価庁に属せしめられた権限を行使する。

第二款 内部部局
(内部部局)

第二十二条 物価庁に、長官官房及び左の四部を置く。

第一部
第二部
第三部
第四部
(長官官房の事務)

第二十三条 長官官房においては、左の事務をつかさどる、

一 機密に関すること。
二 職員の職階、任免、分限、懲戒、服務その他の人事並びに教養及び訓練に関すること。
三 長官の官印及び庁印を管守すること。
四 経費及び収入の予算、決算及び会計並びに会計の監査に関すること。
五 行政財産及び物品を管理すること。
六 職員の衛生、医療その他福利厚生に関すること。
七 行政の考査を行うこと。
(第一部の事務)

第二十四条 第一部においては、左の事務をつかさどる。

一 物価に関する基本的な政策及び計画を樹立すること。
二 物価に関する関係各行政機関の事務の総合調整及び推進をすること。
三 庁務に関する一般的な企画立案をすること。
四 法令案の審査その他総合調整に関すること。
五 地方物価局の行う事務の総合調整を図ること。
六 価格調整公団に関する総合事務に関すること。
七 公文書を接受し、発送し、編集し、及び保存すること。
八 渉外事務に関すること。
九 調査及び統計に関すること。
十 原価計算の統一を図ること。
十一 こう報[4]に関すること。
十二 物価安定のための国庫補助金に関すること。
十三 物価統制令第十九条及び第二十条に規定する差益及び割増金に関すること。
十四 前各号に掲げるものの外、物価庁の所掌事務で官房及び他部の所掌に属さない事務に関すること。
(第二部の事務)

第二十五条 第二部においては、食糧品その他の農林畜水産物の価格及びこれに関連する価格等の統制に関する事務をつかさどる。

(第三部の事務)

第二十六条 第三部においては、左の事務をつかさどる。

一 鉱産物(土石を含む。)及び工業品(工業食品及び船舶を除く。)の価格及びこれらに関連する価格等の統制を行うこと。
二 電気及びガスの料金及びこれらに関連する価格等の統制を行うこと。
(第四部の事務)

第二十七条 第四部においては、左の事務をつかさどる。

一 運送賃及びこれに関連する価格等の統制を行うこと。
二 土地、建物及び船舶に関する価格及び賃貸料並びにこれらに関連する価格等の統制を行うこと。
三 通信料金及びこれに関連する価格等の統制を行うこと。
四 他部の所掌事務に属さない保管料、保険料、賃貸料、加工料、修繕料、手数料その他の料金及びこれらに関連する価格等の統制を行うこと。
第三款 地方支分部局
(地方物価局)

第二十八条 物価庁に、地方支分部局として、地方物価局を置く。

(所掌事務)

第二十九条 地方物価局は、物価庁の所掌事務のうち、左に掲げる事務を分掌する。

一 物価庁長官の定める価格等の統制を行うこと。
二 物価統制令第十九条及び第二十条に規定する差益及び割増金に関すること。
三 前二号に掲げるものの外、物価に関する事務で物価庁長官の定めるものに関すること。
(名称、位置及び管轄区域)

第三十条 地方物価局の名称、位置及び管轄区域は、左の通りとする。

名称 位置 管轄区域
札幌地方物価局 札幌市 北海道
仙台地方物価局 仙台市 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
東京地方物価局 東京都 東京都 茨城県 群馬県 栃木県 埼玉県 千葉県 神奈川県 山梨県 新潟県 長野県
名古屋地方物価局 名古屋市 静岡県 岐阜県 愛知県 三重県 富山県 石川県
大阪地方物価局 大阪市 京都府 大阪府 福井県 滋賀県 兵庫県 奈良県 和歌山県
広島地方物価局 広島市 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
高松地方物価局 高松市 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
福岡地方物価局 福岡市 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
(内部部局)

第三十一条 地方物価局に、左の二部を置く。

第一部
第二部

2 前項に定めるものの外、地方物価局の内部部局の組織の細目は、経済安定本部令で定める。

第四款 公団
(価格調整公団)

第三十二条 物価庁所轄の公団は、価格調整公団とする。

2 価格調整公団に関しては、価格調整公団法の定めるところによる。

第二節 経済調査庁
(経済調査庁)

第三十三条 経済調査庁の組織、所掌事務及び権限は、経済調査庁法(昭和二十三年法律第二百六号)の定めるところによる。

第三節 外資委員会
(外資委員会)

第三十四条 外資委員会の組織、所掌事務及び権限は、外国人の財産取得に関する政令(昭和二十四年政令第五十一号)の定めるところによる。

第四章 職員
(職員)

第三十五条 経済安定本部に置かれる職員の任免、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところによる。

(定員)

第三十六条 経済安定本部に置かれる職員の定員は、別に法律で定める。

(顧問及び参与)

第三十七条 第七条第四号に規定する顧問は、二十人以内とし、学識経験のある者のうちから、総裁が命ずる。

2 第七条第四号に規定する参与は、二十人以内とし、学識経験のある者のうちから、総裁が命ずる。

第三十八条 顧問及び参与に対しては、予算の定める金額の範囲において、旅費及び手当を支給する。

附 則

1 この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。

2 経済安定本部の存続期間は、昭和二十五年五月三十一日までとする。

3 経済安定本部令(昭和二十二年勅令第百九十三号)及び物価庁官制(昭和二十一年勅令第三百八十一号)は、廃止する。

4 前項の規定にかかわらず法律(法律に基く命令を含む。)に別段の定のある場合を除き、従前の経済安定本部、物価庁、経済調査庁及び外資委員会の機関及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となり同一性をもつて存続するものとする。

5 前項の規定は、職員の定員に関する法律の適用に影響を及ぼすものではない。

6 左に掲げる法令中各省各庁の長又は各庁の長のうちには経済安定本部総裁を、各省各庁のうちには経済安定本部を含むものとする。

財政法(昭和二十二年法律第三十四号)
会計法(昭和二十二年法律第三十五号)
国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)
政府職員の新給与実施に関する法律(昭和二十三年法律第四十六号)
国家公務員共済組合法(昭和二十三年法律第六十九号)
予算、決算及び会計令(昭和二十二年勅令第百六十五号)
予算、決算及び会計令臨時特例(昭和二十一年勅令第五百五十八号)
国有財産法施行令(昭和二十三年政令第二百四十六号)

7 通貨発行審議会法の一部を次のように改正する。

第一条、第三条第一項、同条第三項及び第五条中「内閣総理大臣」を「経済安定本部総裁」に改める。

8 外国人の財産取得に関する政令の一部を次のように改正する。

第十一条中「総理庁」を「経済安定本部」に改める。

9 企業再建整備法の一部を次のように改正する。

「経済再建整備委員会」を「経済再建整備審議会」に改め、第四十五条第一項の次に左の一項を加える。
[5] 経済再建整備審議会は、前項に規定する事項を行う外、企業再建整備の基本に関する事項につき、経済安定本部総裁に建議することができる。

10 金融機関再建整備法の一部を次のように改正する。

「経済再建整備委員会」を「経済再建整備審議会」に改め、第六十一条の次に左の一条を加える。
第六十一条の二 経済再建整備審議会は、第七条、第四十一条、第四十七条、第四十九条及び第五十条に規定する事項を行う外、金融機関再建整備の基本に関する事項につき、経済安定本部総裁に建議することができる。

11 物価統制令の一部を次のように改正する。

「内閣総理大臣」を「経済安定本部総裁」に、「総理庁令」を「経済安定本部令」に改める。
内閣総理大臣 吉田  茂

正誤訂正

編集
  1. 公布時の官報では旧字体で「國政行政組織法」と2文字目に誤植があり、後の正誤訂正もなされていないが、御署名原本では正しく「國家行政組織法」となっているため、補正して掲載した。
  2. 昭和24年7月25日付け官報本紙第6758号にて「4 本部は、」から「4 本部に、」へ正誤訂正
  3. 「こ」「う」の右側(縦書き)には傍点(ヽ)がそれぞれ付されている。
  4. 「こ」「う」の右側(縦書き)には傍点(ヽ)がそれぞれ付されている。
  5. 原文には項番号がないが、ここでは便宜上これを付した。

改廃経過

編集
  • 国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律(昭和24年法律第176号): 附則第6項中「国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)」を
国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号) に改める(昭和24年6月1日施行)。
国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律(昭和二十四年法律第百七十六号)」
  • 政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号): 附則第6項中「会計法(昭和二十二年法律第三十五号)」を
会計法(昭和二十二年法律第三十五号) に改める(昭和24年12月12日施行)。
政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十六号)」
  • 経済安定本部設置法の一部を改正する法律(昭和25年法律第161号):
 

この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。