約翰默示録(明治元訳) 第十九章

第十九章

編集

1 こののちわれ許多おほくひとよぶごとおほいなるこゑてんあるきけいはくハレルヤすくひさかえ權力ちから我儕われらかみたもたまところなり
2 その審判さばきなほくかつただしきなりそはかみかの淫亂いんらんより世界せかいけがしたるだい淫婦いんぷさばおのしもべどもむくいもとめこればつたまへばなり
3 かれらまたハレルヤといへ淫婦いんぷやくけぶりのぼりて世々よよやむときなし
4 じふにん長老ちやうらうおよびよつ活物いきもの寶座くらゐたまところかみふしをがみてアメン(※1)ハレルヤとへり
5 こゑ寶座くらゐよりいでていふかみしもべかみおそるるものだいせうとのわかちなくみなわれらのかみ讚美さんびすべし
6 われおほくのひとこゑごとおほくみづおとごとおほいなるいかづちこゑごとこゑきけいはくハレルヤそれしゆなる(※2)全能ぜんのうかみわうなり
7 われらよろこたのしみてかみあがめんそはこひつじ婚姻こんいんときすでにいたそのよめすでにみづかそなへをなしをはりたればなり
8 よめきよくしてひかりあるほそきぬのきることをゆるさるこのほそきぬの聖徒せいとなり
9 天使てんのつかひわれにいひけるはこひつじ婚姻こんいんふるまひまねかれたるものさいはひなりとかきしるまたわれにいふこれかみまことことばなり
10 われその足下あしもと俯伏ひれふしてはいせんとければかれわれにいふしかすべからずつつしめよわれなんぢおなじしもべなりまたイエスのあかしたもなんぢ兄弟きやうだいおなじしもべなりなんぢただかみはいせよイエスのあかしたつみたま預言よげんみたまことなることなし

11 われまたてんひらくしに一匹いつぴき白馬しろむまありこれのれるもの忠信ちゆうしんまた誠實まこととなへらるかれ審判さばき戰爭たたかひせり
12 その火焔ほのほごとそのかしらおほくかんむりかむれりまたしるせるありかれほかこれしるものなし
13 かれしみたるころもまとへりかれかみことばいふ
14 てんにある諸軍しよぐんしろかがやけるほそきぬのをき白馬しろむまのりこれしたがへり
15 かれくちよりときつるぎいづこれ列國くにぐにたみうちかつてつつゑ列國くにぐにたみつかさどらんかれまた全能ぜんのうかみはなはだしきいかりさかぶねふむ
16 かれころもももしるせるありいは諸王しよわうわう諸主しよしゆしゆ
17 われまた一人ひとり天使てんのつかひなかたてるをたりかれ空中くうちうとぶとりおほいなるこゑにてよびいひけるは爾曹なんぢらかみおほいなるふるまひあつまきた
18 諸王しよわうにく將軍しやうぐんにく勇士ゆうしにくむまこれのれものにくおよび自主じしゆ奴隷どれいだいせうとのわかちなくすべてひとにくくら
19 われかのけもの諸王しよわうおよびその軍隊ぐんたいすであつまりて白馬しろむまのれものおよびその軍隊ぐんたいたたかはんとするたり
20 けものいつはり預言者よげんしや(※3)とともとりこにせらるこのいつはり預言者よげんしや(※3)はさきけものまへにてふしぎなるわざおこなけもの印誌しるしうけたるものおよびそのざうはいするものまどはししものなりこのふたつのものうまれながら硫磺いわうにてもゆいけなげいれられ
21 そのもの白馬しろむまのれものくちよりいづところつるぎにてころされたりもろもろとりかれらのにくくらひてあけ

※1 明治14(1881)年版では「アメン」→「アーメン」。
※2 明治14(1881)年版では「なる」→「たる」。
※3 明治14(1881)年版では「預言者」のルビが「よげんじや」。