- アリルイヤ
一 主の名を讃め揚げよ、
二 主の諸僕、主の家、我が神の家の庭に立つ者よ、讃め揚げよ。
三 主を讃め揚げよ、主は仁慈なればなり、其名に歌へ、是れ楽しければなり。
四 蓋主は己の爲にイアコフを選び、イズライリを選びて其業となせり。
五 我主の大なるを知り、我等の主の諸神より最高きを知れり。
六 主は凡そ欲する所を天に地に海に悉くの淵に行ふ、
七 雲を地の極より起し、電を雨の中に作り、風を其庫より出す。
八 彼はエギペトの初子を撃ちて、人より家畜に及べり。
九 エギペトよ、彼は爾の中に於て休徴奇迹をファラオン及び其悉くの僕の上に遣せり。
一〇 彼は多くの民を撃ち、有力の王を滅せり、
一一 即アモレイの王シゴン、ワサンの王オグ、及びハナアンの諸国なり、
一二 彼等の地を賜ひて業となし、其民イズライリの業となせり。
一三 主よ、爾の名は永く在り、主よ、爾の記憶は世世に在り。
一四 蓋主は其民を審判し、其諸僕に憐を垂れん。
一五 異邦の偶像は乃銀、乃金、人の手の造工なり。
一六 彼等口ありて言はず、目ありて見ず、
一七 耳ありて聴かず、其口に呼吸なし。
一八 之を造る者と凡そ之を恃む者とは是と相似ん。
一九 イズライリの家よ、主を崇め讃めよ。アアロンの家よ、主を崇め讃めよ。
二〇 レワィの家よ、主を崇め讃めよ。主を畏るる者よ、主を崇め讃めよ。
二一 イエルサリムに在す主はシオンに崇め讃めらる。「アリルイヤ」。
- (アリルイヤ)
一 主を讃榮せよ、蓋彼は仁慈にして、其憐は世世にあればなり。
二 諸神の神を讃榮せよ、其憐は世世にあればなり。
三 諸主の主を讃榮せよ、其憐は世世にあればなり、
四 独大なる奇迹を行ふ者を、其憐は世世にあればなり、
五 睿智を以て天を造りし者を、其憐は世世にあればなり、
六 地を水の上に定めし者を、其憐は世世にあればなり、
七 大なる光を造りし者を、其憐は世世にあればなり、
八 即晝を司る爲には日、其憐は世世にあればなり、
九 夜を司る爲には月と星と、其憐れみは世世にあればなり、
一〇 エギペトの初子を撃ちし者を、其憐は世世にあればなり、
一一 イズライリを其中より出しし者を、其憐は世世にあればなり、
一二 即勁き手と伸べたる臂とを以てせり、其憐は世世にあればなり、
一三 紅の海を判ちし者を、其憐は世世にあればなり、
一四 イズライリ人を導きて其中を過らせし者を、其憐は世世にあればなり、
一五 ファラオンと其軍とを紅の海に倒しし者を、其憐は世世にあればなり、
一六 其民を導きて曠野を過らせし者を、其憐は世世にあればなり、
一七 諸大王を撃ちし者を、其憐は世世にあればなり、
一八 有力の諸王を戮しし者を、其憐は世世にあればなり、
一九 即アモレイの王シゴン、其憐は世世にあればなり、
二〇 ワサンの王オグ、其憐は世世にあればなり、
二一 彼等の地を賜ひて業となしし者を、其憐は世世にあればなり、
二二 即其僕イズライリの業なり、其憐は世世にあればなり、
二三 我等を賤しき時に記念せし者を、其憐は世世にあればなり、
二四 我等を其諸敵より救ひし者を、其憐は世世にあればなり、
二五 糧を悉くの肉体に賜ひし者を讃榮せよ、其憐は世世にあればなり。
二六 天の神を讃榮せよ、其憐は世世にあればなり。
一 我等曾てワワィロンの河邊に坐し、シオンを想ひて泣けり、
二 彼の中に於て、我が琴を柳に懸けたり。
三 彼處には、我等を擒にせし者我等に歌の言を求め、我等を攻むる者楽を求めて云へり、我が爲にシオンの歌を歌へと。
四 我等異邦の地に在りて、如何ぞ主の歌を歌はん。
五 イエルサリムよ、若し我爾を忘れば、我が右の手我を忘れよ、
六 イエルサリムよ、若し我爾を憶はず、爾を我が楽の首に置かずば、我が舌我が腭に貼けよ。
七 主よ、エドムの子の爲にイエルサリムの日を記憶せよ、其日に彼等云へり、之を壞て、之を壞ちて其基に迄れと。
八 ワワィロンの女、残害の者よ、爾が我等に行ひし事を爾に報いん者は福なり。
九 爾の嬰児を執りて石に撃たん者は福なり。
- 光榮讃詞
- ダワィドの作。
一 我心を盡くして爾を讃榮し、諸天使の前に於て爾に歌ふ、蓋我が口の言は爾悉く之を聴けり。
二 我爾が聖殿の前に叩拝し、爾の憐と爾が真実の爲に爾の名を讃榮す、蓋爾は爾の言を広大にして、諸の爾の名に逾えしめたり。
三 我が呼びし日、爾我に聴き、我が霊を勇ませたり。
四 主よ、地の諸王爾が口の言を聴かん時、皆爾を讃榮し、
五 主の途を歌はん、蓋主の光榮は大なり。
六 主は高くして、謙る者を見、誇る者を遙に識る。
七 我若し艱難の中を行かば、爾我を生かし、爾の手を伸べて我が敵の怒を抑へん、爾が右の手は我を救はん。
八 主は我に代りて行はん、主よ、爾の憐は世世にあり、爾の手の造りし者を棄つる毋れ。
- 伶長に歌はしむ。ダワィドの詠。
一 主よ、爾我を試みて我を識る。
二 我が坐し、我が起つことは、爾之を識る、爾遠きより我の念慮を知る。
三 我が往くにも、我が息ふにも、爾我を環る、我が悉くの途は爾之を知れり。
四 我が舌未だ言なきに、爾、主よ、已に全く之を識る。
五 爾前後より我を囲み、爾の手を我に置く。
六 爾の知識は我が爲に奇異なり、高尚なり、我之を測る能はず。
七 我安に往きて爾の神゜を避けん、安に走りて爾の顔を逃れん、
八 天に升らんか、爾彼處にあり、地獄に降らんか、彼處にも爾あり、
九 暁の翼を取りて、海の極に移らんか、
一〇 彼處にも爾の手我を導き、爾の右の手我を援けん。
一一 或は云はん、闇冥は我を隠し、我を環ぐる光は夜とならんと、
一二 然れども闇冥も爾の前に暗からしめざらん、夜も明なること晝の如く、闇冥は光の如し。
一三 蓋爾我が臓腑を造り、我が母の腹の中に我を織れり。
一四 我爾を讃榮す、蓋我奇妙に造られたり。爾の作爲は奇異なり、我が霊全く之を知る。
一五 我が奥密に造られ、腹の深處に形づくらるる時、我が骨爾に隠れず。
一六 我が胚胎は、爾の目之を見たり、我が爲に定められし日は、其一も未だあらざりし先に皆爾の書に記されたり。
一七 神よ、爾の念慮は我が爲に何ぞ高き、其数は何ぞ多き。
一八 我之を計らんか、然れども其多きこと沙に過ぐ、我寤むる時、尚爾と偕にす。
一九 嗚呼神よ、願はくは爾悪者を撃たん、血を流す者よ、我に離れよ。
二〇 彼等爾に向ひて悪を言ひ、爾の敵は空しきことを謀る。
二一 主よ、我豈に爾を疾む者を疾まざらんや、我豈に爾に逆ふ者を厭はざらんや、
二二 我甚しき疾を以て彼等を疾み、彼等を以て我が敵となす。
二三 神よ、我を試みて、我が心を知り、我を試みて、我が念慮を知り給へ、
二四 且観よ、我危き途に在るにあらずや、乃我を永遠の途に向はしめ給へ。
- 一 伶長に歌はしむ。ダワィドの詠。
二 主よ、我を悪人より救ひ、我を強暴者より護り給へ。
三 彼等心に悪を謀り、毎日戦を備ふ、
五 主よ、我を悪者の手より守り、我が足を蹶かしめんことを謀る強暴者より我を護り給へ。
六 誇る者は我が爲に機檻と羈絆とを伏せ、網を途に張り、我が爲に罟を設けたり。
七 我主に謂へり、爾は我の神なり、主よ、我が祷の聲を聴き給へ。
八 主よ、主よ、我が救の力よ、爾戦の日に我が首を蔽へり。
九 主よ、悪者の望む所を允す毋れ、其悪しき謀を遂げしむる毋れ、彼等は誇らん。
一〇 願はくは我を環る者の首は、其己が口の悪之を覆はん。
一一 願はくは爇炭は彼等に落ちん、願はくは彼等は火の中に、深き坑に落されて、復起つを得ざらん。
一二 悪舌の人は地に堅く立たざらん、悪は強暴者を滅に引き入れん。
一三 我知る、主は迫害せられし者の爲に審判を行ひ、貧しき者の爲に公義を行はん。
一四 然り、義者は爾の名を讃榮し、無玷の者は爾が顔の前に居らん。
- 光榮讃詞
- ダワィドの詠。
一 主よ、爾に籲ぶ、速に我に格り給へ、爾に籲ぶ時、我が祷の聲を納れ給へ。
二 願はくは我が祷は香炉の香の如く爾が顔の前に登り、我が手を挙ぐるは暮の祭の如く納れられん。
三 主よ、我が口に衛を置き、我が唇の門を扞ぎ給へ、
四 我が心に邪なる言に傾きて、不法を行ふ人と共に、罪の推諉せしむる毋れ、願はくは我は彼等の甘味を嘗めざらん。
五 義人は我を罰すべし、是れ矜恤なり、我を譴むべし、是れ極と美しき膏、我が首を悩ます能はざる者なり、唯我が祷は彼等の悪事に敵す。
六 彼等の首長は巌石の間に散じ、我が言の柔和なるを聴く。
七 我等を土の如く斫り砕き、我が骨は地獄の口に散りて落つ。
八 主よ、主よ、唯我が目は爾を仰ぎ、我爾を恃む、我が霊を退くる毋れ。
九 我が爲に設けられし弶、不法者の羅より我を護り給へ。
一〇 不虔者は己の網に羅り、唯我は過ぐるを得ん。
- ダワィドの教訓、其洞に在りし時の祈祷。
一 我が聲を以て主に籲び、我が聲を以て主に祷り、
二 我が祷を其前に注ぎ、我が憂を其前に顕せり。
三 我が霊我の衷に弱りし時、爾は我の途を知れり、我が行く路に於て、彼等は竊に我が爲に網を設けたり。
四 我右に目を注ぐに、一人も我を認むる者なし、我に遁るる所なく、我が霊を顧る者なし。
五 主よ、我爾に呼びて云へり、爾は我の避所なり、生ける者の地に於て我の分なり。
六 我が籲ぶを聴き給へ、我甚弱りたればなり、我を迫害する者より救ひ給へ、彼等は我より強ければなり。
七 我が霊を獄より引き出して、我に爾の名を讃榮せしめ給へ。爾恩を我に賜はん時、義人は我を環らん。
- ダワィドの詠。(其子アワェサロムに逐はれし時に此を作れり。)
一 主よ、我が祷を聆き、爾の真実に依りて我が願に耳を傾けよ、爾の義に依りて我に聴き給へ。
二 爾の僕と訟を爲す毋れ、蓋凡そ生命ある者は、一も爾の前に義とせられざらん。
三 敵は我が霊を逐ひ、我が生命を地に蹂り、我を久しく死せし者の如く暗に居らしむ、
四 我が霊は我の衷に悶え、我が心は我の衷に曠しきが如し。
五 我古の日を想ひ、凡そ爾の行ひしことを考へ、爾が手の工作を計る。
六 我が手を伸べて爾に向ひ、我が霊は渇ける地の如く爾を慕ふ。
七 主よ、速に我に聴き給へ、我が霊は衰へたり、爾の顔を我に隠す毋れ、然らずば我は墓に入る者の如くならん。
八 我に夙に爾の憐を聴かしめ給へ、我爾を頼めばなり。主よ、我に行くべき途を示し給へ、我が霊を爾に挙ぐればなり。
九 主よ、我を我が敵より救ひ給へ、我爾に趨り附く。
一〇 我に爾の旨を行ふを教へ給へ、爾は我の神なればなり、願はくは爾の善なる神゜は我を義の地に導かん。
一一 主よ、爾の名に依りて我を生かし給へ、爾の義に依りて我が霊を苦難より引き出し給へ、
一二 爾の憐を以て我が敵を滅し、凡そ我が霊を攻むる者を夷げ給へ、我は爾の僕なればなり。
- 光榮讃詞