第十八「カフィズマ」


第百十九聖詠 編集

登上とうじょううた

われうれひうちしゅびしに、かれわれたまへり。

しゅよ、たましひ詭詐いつはりくち欺騙あざむきしたよりまぬかれしめたまへ。

欺騙あざむきしたなにもつなんぢあたへ、なにもつなんぢくはへんか、

勇者ゆうしゃするどなり、金雀枝えにしだ焼炭やけずみなり。

かなしかなわれモソフやどり、キダルまくかたはらむ。

たましひぼくにくものともひさしくめり。

われこのむ、しかれどもわれことばいだせば、かれたたかひおこす。


第百二十聖詠 編集

登上とうじょううた

われげてやまのぞむ、たすけ彼處かしこよりきたらん。

たすけてんつくりししゅよりきたる。

かれなんぢあしつまづくをゆるさざらん、なんぢまもものねむらざらん。

イズライリまもものねむらず、ねず。

しゅなんぢまもものなり、しゅなんぢみぎ庇廕おほひなり。

ひるなんぢいためざらん、よるつきまたしかり。

しゅなんぢもろもろわざはひよりまもらん。

しゅなんぢしゆつにうまもりていまより世世よよいたらん。


第百二十一聖詠 編集

登上とうじょううたダワィドさく

ひとわれむかひて、われしゅいへかんとときわれよろこべり。

イエルサリムよ、われあしなんぢもんうちてり。

イエルサリム稠密ちゅうみつ城邑まちごとくにきづかれ、

しょ支派しはすなはちしゅ支派しはイズライリほうしたがひて、のぼりてしゅ讃榮さんえいするところなり。

彼處かしこ審判しんぱんほうダワィドいへほうつ。

イエルサリムため平安へいあんもとめよ、ねがはくはなんぢあいするもの安寧あんねいん。

ねがはくはなんぢしろうち平安へいあんなんぢみやうち安寧あんねいならん。

われ兄弟けいていとなりためふ、なんぢ平安へいあんなれ。

しゅかみいへためわれなんぢふくねがふ。


第百二十二聖詠 編集

登上とうじょううた

てんものよ、われげてなんぢのぞむ。

よ、ぼく主人しゅじんのぞみ、しゅのぞむがごとく、われしゅかみのぞみて、そのわれあはれむをつ。

しゅよ、われあはれみ、われあはれたまへ、けだしわれあなどりれり。

われたましひおごものはづかしめほこものあなどりとにれり。


第百二十三聖詠 編集

登上とうじょううたダワィドさく

イズライリふべし、しゅわれともにあらず、

人人ひとびとちてわれめしときわれともにあらざりしならば、

かれわれけるいかりえて、かれわれきながらみしならん、

みづわれしづめ、ながれわれたましひうへぎ、

れたるみづわれたましひうへぎしならん。

われあたへてそのものとなさざりししゅあがめらる。

われたましひのがれしこと、とりとらふるものあみのがるるがごとし、あみかれてわれのがれたり。

われ扶助たすけてんつくりししゅり。

光榮讃詞


第百二十四聖詠 編集

登上とうじょううた

しゅたのものシオンざんごとうごかずしてながそんす。

諸山しょざんイエルサリムめぐり、しゅ其民そのたみめぐりていまより世世よよいたらん。

けだししゅ悪者あくしゃつゑに、しゃぎょううへにあるをゆるさざらん、しゃそのほうべざらんためなり。

しゅよ、おん善人ぜんにんこころなほものとにほどこたまへ、

おのれまがりみちてんずるものいたりては、ねがはくはしゅかれほうおこなものともくをゆるさん。ねがはくは平安へいあんイズライリせん。


第百二十五聖詠 編集

登上とうじょううた

しゅシオンとりこかへししときわれゆめるがごとくなりき、

其時そのときわれくちたのしみにてち、われしたうたちたり、其時そのとき諸民しょみんうちへるありき、しゅかれおほいなることおこなへりと。

しゅわれおほいなることおこなへり、われよろこべり。

しゅよ、われとりこ南方なんぽうながれごとくにかへたまへ。

なみだもつものは、よろこびもつらん。

きてたねたづさふるものよろこびてその禾束たばたづさへてかへらん。


第百二十六聖詠 編集

登上とうじょううたソロモンさく

しゅいへつくらずば、つくものいたづらろうし、しゅしろまもらずば、まもものいたづら儆醒けいせいす。

なんぢいたづらつとき、おそね、うれひパンくらふ、ときかれそのあいするものぬるをたまふ。

よ、しゅあたふるところぎょうしょなり、その褒賞ほうしょうはらなり。

少壮しょうそう諸子しょしは、勇者ゆうしゃにあるごとし。

これそのえびらてたるものさいはひなり、かれもんうちりててきともときはぢざらん。


第百二十七聖詠 編集

登上とうじょううた

およしゅおそれて、其途そのみちものさいはひなり。

なんぢおのれろうりてくらはん、なんぢさいはひなり、なんぢぜんたり。

なんぢつまなんぢいへりて、しげどうごとく、なんぢ諸子しょしなんぢせきめぐりて、橄欖かんらんえだごと し、

しゅおそるるものくのごと降福こうふくせられん。

しゅシオンよりなんぢ降福こうふくせん、なんぢ在世ざいせい諸日しょじつイエルサリム安寧あんねいん、

なんぢおのれん。ねがはくは平安へいあんイズライリせん。


第百二十八聖詠 編集

登上とうじょううた

イズライリふべし、いちけなときよりかれおほわれめ、

いとけなときよりおほわれめたれども、われたざりき。

たがへものたがへし、そのたみぞながくせり。

しかれどもしゅなり、かれ悪者あくしゃなはめてり。

ねがはくはシオンにくむものはみなはぢかうむりて退しりぞけられん。

ねがはくはかれうへくさかれざるさきるるものごとくならん、

ものこれもつそのてず、つかぬるものそのにぎりてざらん、

ぐるものは、しゅ降福こうふくなんぢすべし、われしゅもつなんぢ祝福しゅくふくすとはざらん。

光榮讃詞


第百二十九聖詠 編集

登上の歌。

しゅよ、われふかところよりなんぢぶ。

しゅよ、こゑたまへ、ねがはくはなんぢみみいのりこゑれん。

しゅよ、なんぢほうたださば、たれたん。

しかれどもなんぢゆるしあり、ひとなんぢまへつつしまんためなり。

われしゅのぞみ、たましひしゅのぞみ、われかれことばたのむ。

たましひしゅつこと、番人ばんにんあさち、番人ばんにんあさつよりはなはだし。

ねがはくはイズライリしゅたのまん、けだしあはれみしゅにあり、おほいなるあがなひかれにあり、

かれイズライリそのことごとくのほうよりあがなはん。


第百三十聖詠 編集

登上とうじょううたダワィドさく

しゅよ、こころおごらず、たかぶらず、われおほいにしておよあたはざることらざりき。

われたましひしづめ、これやすんずること、ははちちちしごとくせざりしか、たましひわれうちおいちちちしごとくなりき。

ねがはくはイズライリしゅたのみていまより世世よよいたらん。


第百三十一聖詠 編集

登上とうじょううた

しゅよ、ダワィドそのことごとくのうれひとをおくせよ。

かれしゅちかひ、イアコフ有能者ゆうのうしゃやくしてへり、

われいへまくらず、とこのぼらず、

ね、まぶたねむるをるさずして、

しゅため處所ところイアコフ有能者ゆうのうしゃため住所すまひるにおよばんと。

よ、われこれエフラフき、これイアリムへり、

きてかれ住所すまひき、かれ足凳あしだい叩拝こうはいせん。

しゅよ、なんぢおよなんぢ能力のうりょくひつなんぢ安息あんそくところてよ。

なんぢさいなんぢ諸聖者しょせいしゃよろこばん。

一〇 なんぢぼくダワィドために、なんぢあぶらつれられしものおもててんずるなかれ。

一一 しゅ真実しんじつもつダワィドちかひて、これそむかざらん、いはわれなんぢはらもつなんぢほうせしめん。

一二 なんぢしょやくと、かれをしへんとするけいとをまもらば、かれしょまたながなんぢほうせん。

一三 けだししゅシオンえらび、これもつその住所すまひとするをのぞめり、

一四 いはく、世世よよ安居あんきょなり、われここらん、けだしわれこれのぞめり。

一五 われ其糧そのかて祝福しゅくふく祝福しゅくふくせん、パンもつそのまづしきものかしめん。

一六 われすくひもつそのさいせん、その諸聖者しょせいしゃよろこよろこばん。

一七 われ彼處かしこおいダワィドつのちょうぜしめ、あぶらつけられしものためともしびてん。

一八 われ其敵そのてきはぢせん、そのかんむり其上そのうへ耀かがやかん。


第百三十二聖詠 編集

登上とうじょううたダワィドさく

兄弟けいていむつまましくるは、ぜんなるかななるかな

たからなるあぶらこうべにありて、ひげすなはちアアロンひげながれ、そのころもすそながるるがごとく、

エルモンつゆシオンざんくだるがごとし。けだし彼處かしこおいしゅ降福こうふく永世えいせいとをめいじたり。


第百三十三聖詠 編集

登上とうじょううた

しゅ諸僕しょぼくちゅうしゅいへかみいへにはものよ、いましゅあがめよ。

なんぢげ、聖所せいしょむかひてしゅあがめよ。

てんつくりししゅシオンよりなんぢ降福こうふくせん。

光榮讃詞