「大塚徹・あき詩集/あやつり神楽」の版間の差分
< 大塚徹・あき詩集
削除された内容 追加された内容
Kochizufan (トーク | 投稿記録) ページの作成:「 {{header | title =大塚徹・あき詩集 | author =大塚徹 | 年 =昭和22 | year =1947 | section =あやつり神楽 | previous =../…」 |
(相違点なし)
|
2020年6月28日 (日) 14:50時点における版
あやつり神楽
凩の 手さばきが すこし乱れたばっかりに
秋雨の あやつり糸が 千々にからまり か
らまり狂い
おまえがわたしやら わたしが誰やら 誰が
誰やら
〈ぴいひょろ ぴいひょろ ぱるんちゃかち
ゃか〉
笛ふけば 葉を落とし 虔しくその葉を落と
し 敗日の
あやつり糸に ただに生きぬく いのちを托
し
裸に還る 樹々のこころが愛しゅうてならぬ
なり
〈ぴいひょろ ぴいひょろ ぱるんちゃかち
ゃか〉
さて 生きて二人 星は二六 菫は四〇
溺れ
柿噛めば 落睴冷え うたたねの恋のほろ渋
さよ
〈ぴいひょろ ぴいひょろ ぱるんちゃかち
ゃか〉
〈昭和二二年、新涛・兵庫詩人〉