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正教要理問答 緒言
凡(およ)そ人として其(その)親(おや)を敬(うやま)ひ尊(たっと)ばざるものはなかるべし夫(そ)れ親は我(われ)等(ら)を生(う)み我等を養(やしな)ひ我等に衣(き)せ我等を育(そだ)てたるものにして其(その)恩(おん)は海よりも深く山よりも高きものなり然(しか)れども茲(ここ)に親よりも猶(なほ)深(ふか)く我等を愛(あい)し我等に生命(いのち)を與(あた)へ又(また)総(すべ)ての幸福(さいわひ)を與(あた)ふるものあり是(こ)れ即(すなは)ち神なり去(さ)れば凡(およ)そ人たるものは必ず常に其(その)心を神に向け常に神の徳を崇(あが)め其(その)恩(おん)を謝(しゃ)し又(また)其(その)助(たすけ)を願(ねが)ひ求(もと)めざるべからず約(つづ)めて言(い)はば『断(た)えず神(かみ)に祈(いの)るべきものなり』(撤(フェサロニカ)前五の十七)