朝鮮語文法/第二編第七章
言語行為においては,ただ一つの形態部のみが語を成すことは稀で,大概は二以上の形態部が結合して現れる。形態部と結合するいくつかの場合を検証すると次の通りである。
- 語幹+語幹
- 語幹+吐
- 接頭辞+語根(語幹内部において)
- 語根+接尾辞( 〃 )
- 吐+吐(吐内部において)
これら形態部の結合において見ることのできる形態論的関係,又は文章論的関係は,それぞれ該当する条項において説明することとし,ここでは,特に1)及び2)に限ってそのとき働く語音論的現象及びその表記の問題を中心に叙述することとする。
第一節 語幹+語幹
編集このとき,1)語幹と語幹がその間にいかなる吐も要求せずに直接結合する場合と2)語幹と語幹の間に母音吐を要求する場合がある。
1)直接結合する場合
編集この場合の例を挙げれば次の通りである。
- イ)体言+体言
- 감나무, 금비녀, 나물'배, 물'새, 밤'새, 밤낮, 범나비, 보리'짚, 손'짓, 집오리, 주추'돌, 칼날, 코'등, 할미꽃.
- ロ)体言+用言
- ハ)用言+用言
- ニ)用言+体言
このように,語幹と語幹が直接結合して形成される語を合成語という。このような合成語の表記においては次の三種類を区別することができる。
- イ)形態部の原形をそのまま保存させる例:
- ロ)形態部の原形をそのまま保存させつつも二形態部間に働く特別な語音現象を表示するために絶音符 ' 印を置く例:
- i)二形態部間において働く同化防止アクセント現象を表示するために二つ目の形態部の頭音を濃音として生ずる場合
- 기'발, 나무'배, 낚시'대, 나무'군, 논'길, 뒤'간, 등'불, 담배'대, 문'간, 물병, 물독, 물'가, 발'새, 보리'짚, 봄'바람, 손'등, 산'불, 이'몸, 이'새, 움집, 은'값, 장'군, 초'불, 콩'가루, 코'날, 코'등
- [附記1]動詞語幹に「ㄹ」吐が付いて名詞と結合する場合においても絶音符を置く。
- 들'것, 들'보, 물'것, 물'부리, 굴'대, 들'손, 들'돌, 들'숨, 들'장지, 쥘'부채, 날'짐승, 쥘'손, 다달'방아, 날'숨, 설'주, 길'짐승.
- i)二形態部間において働く同化防止アクセント現象を表示するために二つ目の形態部の頭音を濃音として生ずる場合
- このように本来「 」で終わった用言語幹に「ㄹ」吐が付いた上で名詞と結合し,完全な合成語となった場合に限って用言語幹の「 」字を略する。
- 例:
리'과(理科) 가'법(加法) 호'수(戶數) 서'자(書字) 상'과(商科) 감'법(減法) 권'수(卷數) 한'자(漢字) 맹장'염(盲腸炎) 관절'염(關節炎)
- ii)第二形態部の頭音が「야, 여, 요, 유, 이」であるとき,アクセント現象とともに口蓋音化した「ㄴ」,「ㄹ」音が生ずる場合
- 채'열, 아래'이, 대'잎, 베개'잇, 갓'양, 물'약, 잣'엿, 콩'엿, 담'요, 늦'요강, 편'윷, 밤'윷, 속'잎, 논'일, 들'일, 밤'이슬, 겹'이불, 웃'임자, 공'일, 낮'일, 꽃'잎, 부엌'일.
- ii)第二形態部の頭音が「야, 여, 요, 유, 이」であるとき,アクセント現象とともに口蓋音化した「ㄴ」,「ㄹ」音が生ずる場合
- ハ)形態部の結合によって脱落する音は,これを表示しない。
- 例:
- 소나무, 부나비, 부넘기, 따님, 여닫이, 다달이, 차돌, 마되, 부삽, 마소, 부손, 싸전, 차조, 바느길, 모자라다, 시월(十月), 배천(白川), 모과(木瓜), 부자유(不自由).
- ニ)形態部の結合によって添加された音(濃音以外の)は,或いは第一形態部の末音として,或いは第二形態部の頭音として表示する。
- i) 벱쌀, 찹쌀, 좁쌀, 햅쌀.
- ii)머리카락, 수캐, 암캐, 수탉, 안팎, 휘파람.
2)母音吐を要求する場合
編集用言+用言の場合に限って例を挙げれば次の通りである。
このとき要求される母音吐「아, 어, 여」の表記法には,次のような母音調和上の規則がある。(過去形の吐「았, 었, 였」も「아, 어, 여」と全く同じ規則に服従するから,ここにともに叙述することとする。)
第一形態部(語幹)の末音節の母音 | 吐 | |
---|---|---|
① | ㅏ ㅗ | 아 았 |
② | ㅓ ㅜ | 어 었 |
③ | ㅡ(その先行音節の母音も「ㅡ」である場合) | 어 었 |
④ | ㅡ(その先行音節の母音が「ㅏ, ㅗ」である場合) | 아 았 |
⑤ | ㅡ(その先行音節の母音が「ㅓ, ㅜ, ㅣ」である場合) | 어 었 |
⑥ | , l, ㅐ, ㅔ, ㅚ, ㅟ, ㅢ, (하) | 여 였 |
例: (1)「아」と表記する場合
막다 | 막아 | 막았다 |
얇다 | 얇아 | 얇았다 |
오다 | 와 | 왔다 |
따르다 | 따ᄅힹ | 따ᄅힹᆻ다 |
가 다 | 가 | 가 다 |
고 다 | 고 | 고 다 |
오 다 | 오 | 오 다 |
(2)「어」と表記する場合
넣다 | 넣어 | 넣었다 |
겪다 | 겪어 | 겪었다 |
크다 | ᄏힺ | ᄏힺᆻ다 |
슬프다 | 슬ᄑힺ | 슬ᄑힺᆻ다 |
부 다 | 부 | 부 다 |
치르다 | 치ᄅힺ | 치ᄅힺᆻ다 |
(3)「여」と表記する場合
다 | 여 | 였다 |
기다 | 기여 | 기였다 |
개다 | 개여 | 개였다 |
베다 | 베여 | 베였다 |
되다 | 되여 | 되였다 |
쉬다 | 쉬여 | 쉬였다 |
희다 | 희여 | 희였다 |
하다 | 하여 | 하였다 |
しかしながら,末音節にパッチムがある場合には,「어」と表記する。
심다 | 심어 | 심었다 |
맺다 | 맺어 | 맺었다 |
다 | 어 | 었다 |
이ᇹ다 | 이ᇹ어 | 이ᇹ었다 |
[附記1]語幹の末音節が「ㅗ, ㅜ, ㅡ, ㅏ, ㅓ, 」で終わり,その次に母音吐が来る場合に,次のような母音適応の現象が生じる。
오다 | 와 | 왔다 |
배우다 | 배워 | 배웠다 |
세우다 | 세워 | 세웠다 |
([ㅗ],[ㅜ]は,円唇音であるからその次に時間的間隔がなく母音が来る場合,両唇摩擦音[ ]と変化してその母音と一音節をなすことは,自然な発音法である。)
(3)[ㅡ+ㅏ] > [ㅏ]
오 다 | 오 | 오 다 |
따르다 | 따ᄅힹ | 따ᄅힹᆻ다 |
(4)[ㅡ+ㅓ] > [ㅓ]
크다 | ᄏힺ | ᄏힺᆻ다 |
흐 다 | 흐 | 흐 다 |
거 다 | 거 | 거 다 |
누 다 | 누 | 누 다 |
기 다 | 기 | 기 다 |
([ㅡ]は,その発音時の共鳴腔の形状が舌は自然な位置にあり,唇はほとんど閉じた様相となるために,いかなる母音を発音するときでも,この共鳴腔の形状をその始発点とすると考えることができるから,[ㅡ]のあとに時間的間隔なく母音が来る場合,これが別途発音されないことは,自然な発音法である。このように[ㅡ]の発音規則を正しく修正することにより,従来のいわゆる「르変格用言」及び「으変格用言」は,規則的になる。)
(5)[ㅏ+ㅏ] > [ㅏ]
가다 | 가아(가) | 가았다(갔다) |
사다 | 사아(사) | 사았다(샀다) |
(6)[ㅓ+ㅓ] > [ㅓ]
서다 | 서어(서) | 서었다(섰다) |
켜다 | 켜어(켜) | 켜었다(켰다) |
(同一の音[ㅏ]又は[ㅓ]が連続するときに,その内一方を縮約することは,自然な発音法である。このとき表記法上において吐「아」又は「어」を省略することができる。)
(7)[ㅗ+ +ㅕ] > [ㅚ+여], [ㅡ+ +ㅕ] > [ㅣ+여]
모 다 | 모 여(뫼여) | 모 였다(뫼였다) |
보 다 | 보 여(뵈여) | 보 였다(뵈였다) |
뜨 다 | 뜨 여(띄여) | 뜨 였다(띄였다) |
쓰 다 | 쓰 여(씌여) | 쓰 였다(씌였다) |
([ㅗ+ ] > [ㅚ], [ㅡ+ ] > [ㅣ]と変母音することは,その音理上自然な発音法である。このとき表記法においては,二字を合字して「ㅚ, ㅢ」と表記することが出来る。しかしながら,意味上混同される恐れがあるときは,原形通り表記する。)
例:
쥐다(握) | 쥐여 | 쥐였다 |
다(挾) | 여 | 였다 |
쥐 (被握) | 쥐 여 | 쥐 였다 |
다(被挾) | 여 | 였다 |
[附記2](3)の「여」と表記する場合に次のような発音弱化の現象が働く。
개여서 > 개서 | 개였다 > 갰다 |
메여서 > 메서 | 메였다 > 멨다 |
되여서 > 돼서 | 되였다 > 됐다 |
하여서 > 해서 | 하였다 > 했다 |
{附記3}次のような語は,同族語との相互関連において,その語根が明らかなものは,語根と吐を区別して表記し,その語根が明らかでないものは,語根と吐を区別して表記しない。
例:
(1)その語根が明らかなもの
넘어가다(越) | 어 다(延) |
돌아가다(回轉) | 어가다(入) |
어먹다(乞食) | 붉어 다(漸紅) |
엎어 다(覆) | 어나다(起) |
어버 다(拂) | 어버 다(掃) |
(2)その語根が明らかでないもの
나타나다(現) | 너머 다(倒) |
느러 다(怠) | 도라가다(歸, 死亡) |
바라 다(坼) | 배라먹다(乞食) |
불거 다(凸) | 부러 다(折) |
자빠 다(沛) | 쓰러 다(靡) |
자라나다(長) | 떠러 다(落) |
第二節 語幹と吐
編集語幹と吐が結合するときは,それぞれの形態部を固定的に表記する。
例:
1)体言の語幹と吐
떡이 | 떡을 | 떡에 |
집이 | 집을 | 집에 |
앞이 | 앞을 | 앞에 |
값이 | 값을 | 값에 |
2)用言の語幹と吐
먹다 | 먹고 | 먹어 | 먹으니 |
입다 | 입고 | 입어 | 입으니 |
거ᇫ다 | 거ᇫ고 | 거ᇫ어 | 거ᇫ으니 |
다 | 고 | 아 | 니 |
지ᇹ다 | 지ᇹ고 | 지ᇹ어 | 지ᇹ니 |
다 | 고 | 어 | 니 |
좋다 | 좋고 | 좋아 | 좋니 |
第一項 結合母音「이」と「으」
編集語幹の末音節に付くパッチムの性質に従い,一定の吐と結合するとき,体言の場合には結合母音「이」が,用言の場合には結合母音「으」が現れる。
1)語幹の末音節にパッチムがない場合
末音節が母音となり得る全部の場合を挙げる必要はないので,代表的な例として「ㅗ, ㅐ, 」の場合のみ挙げれば次の通りである。
これによりこの場合においては,結合母音「이」や「으」を必要としないことを知ることができる。
2)語幹の末音節にパッチムがある場合
全ての場合を図表として表示すれば次の通りである。
但し,用言が「되」と結合するときは,「있-」「없-」(「았-, 었-, 였-, 겠-」)の場合に限り結合母音「으」が現れる。
例: | (参考) |
있으되 | 먹되 |
없으되 | 받되 |
받았으되 | 읽되 |
上記図表から次のような事実を知ることができる。
1)語幹の末音節にパッチムがある体言語幹が吐と結合するときは,必ず結合母音「이」を必要とする。
2)語幹の末音節に「 , ㅎ, ㆆ, 」のパッチムがある用言語幹が吐と結合するときは,結合母音を必要としない。(即ち,開音節と見做される。)
3)語幹の末音節に「 , ㅎ, ㆆ, 」以外のパッチムがある用言語幹が「ㄹ, ㅁ, ㅂ」を頭音とする吐及び吐「니」「냐」「 」と結合するときは,結合母音「으」を必要とする。即ち,この場合「ㄹ, ㅁ, ㅂ」以外の音を頭音とする吐「는, 네, 느냐?, 늬?, 나?」,「소, 세, 사와, 사오니, 삽고・・・」と結合するときは,結合母音を必要としない。
第二項 用言語幹と吐の結合時に現れる音韻交替
編集パッチムがある用言語幹は,吐と結合するとき各種の音韻交替を生ずる。これを図表で表示すれば次の通りである。
[附記]「ㅭ」(이ᇙ-)は,方言形であるからこの図表から除外する。
以上の図表で,用言語幹がそれと結合する吐の性質により各種の音韻交替を示し,そこで語幹はいつでも同一の形態で表記されるものとして形態部が固定することとなることが分かる。
いまその個別的場合を見ると,
第1類
編集1)交替[ㅂ]~[ㅂ]→表記「ㅂ」
例: 굽다(屈)
[곱다] | [고바] |
[곱고] | [고브니] |
[곱지] | [고바서] |
このように発音されるものを
곱다 | 곱아 |
곱고 | 곱으니 |
곱지 | 곱아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
굽다(曲), 좁다(狹).
2)交替[ㄷ]~[ㄷ]→表記「ㄷ」
例: 받다(受)
[받다] | [바다] |
[받고] | [바드니] |
[받지] | [바다서] |
このように発音されるものを
받다 | 받아 |
받고 | 받으니 |
받지 | 받아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
걷다(捲), 믿다(信), 얻다(得).
3)交替[ㄱ]~[ㄱ]→表記「ㄱ」
例: 막다(防)
[막다] | [마가] |
[막고] | [마그니] |
[막지] | [마가서] |
このように発音されるものを
막다 | 막아 |
막고 | 막으니 |
막지 | 막아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
녹다(融), 작다(小), 먹다(食).
[附記] 以上の1),2),3)は,文字上においては交替がないかのようであるが,有声音間に来る無声音は有声音化するから,実は[p]~[b], [t]~[d], [k]~[g]の無声音対有声音の交替が働く。朝鮮語の音韻には,無声,有声の区別がないため,それぞれパッチム「ㅂ」,「ㄷ」,「ㄱ」をもって語幹の形態部が固定されることは当然のことである。
4)交替[ㅂ]~[ㅍ]→表記「ㅍ」
例: 높다(高)
[놉다] | [나파] |
[놉고] | [노프니] |
[놉지] | [노파서] |
このように発音されるものを
높다 | 높아 |
높고 | 높으니 |
높지 | 높아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
갚다(報), 싶다(欲), 엎다(覆).
5)交替[ㄷ]~[ㅌ]→表記「ㅌ」
例: 같다(同)
[갇다] | [가타] |
[갇고] | [가트니] |
[갇지] | [가타서] |
このように発音されるものを
같다 | 아 |
같고 | 같으니 |
같지 | 같아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
맡다(任, 嗅), 붙다(付), 얕다(淺).
[附記] 4),5)においては,無気音対帯気音の交替が働くが,「ㅍ」,「ㅌ」が無声音の前では内破の[ㅂ], [ㄷ]と発音される性質を利用してそれぞれパッチム「ㅂ」,「ㄷ」をもって語幹の形態部を固定させている。
6)交替[ㄱ]~[ㄲ]→表記「ㄲ」
例: 깎다(削)
[깍다] | [까까] |
[깍고] | [까끄니] |
[깍지] | [까까서] |
このように発音されるものを
깎다 | 깎아 |
깎고 | 깎으니 |
깎지 | 깎아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
꺾다(折), 낚다(釣), 묶다(束).
例: 안다(抱)
[안따] | [아나] |
[안꼬] | [아느니] |
[안찌] | [아나서] |
このように発音されるものを
안다 | 안아 |
안고 | 안으니 |
안지 | 안아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
신다(履).
例: 심다(植)
[심따] | [시머] |
[심꼬] | [시므니] |
[심찌] | [시머서] |
このように発音されるものを
심다 | 심어 |
심고 | 심으니 |
심지 | 심어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
검다(黑), 남다(餘), 담다(戴).
[附則]6),7),8)においては,平音対濃音の交替が働く。[ㄱ]~[ㄲ]の場合には,「ㄲ」が無声音の前では内破の[ㄱ]と発音される性質を利用してパッチム「ㄲ」をもって形態部を固定させている。これに反して[ㄴ]~[ ]], [ㅁ]~[ ]]の場合には,それぞれ平音「ㄴ」,「ㅁ」をもって語幹の形態部を固定させていることは,濃音が6)の場合には,母音間において現れるが,7),8)の場合には,無声子音の前においてのみ現れるためである。
9)交替[ㄷ]~[ㅅ]→表記「ㅅ」
例: 웃다(笑).
[욷다] | [우서] |
[욷고] | [우스니] |
[욷지] | [우서서] |
このように発音されるものを
웃다 | 웃어 |
웃고 | 웃으니 |
웃지 | 웃어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
벗다(脫), 씻다(拭).
10)交替[ㄷ]~[ㅆ]→表記「ㅆ」
例: 있다(有)
[읻다] | [이써] |
[읻고] | [이쓰니] |
[읻지] | [이써서] |
このように発音されるものを
있다 | 있어 |
있고 | 있으니 |
있지 | 있어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
겠다(未來 토), 았다, 었다, 였다(過去 토).
[곱다] | [고 ] |
[곱고] | [고 니] |
[곱지] | [고 서] |
このように発音されるものを
다 | 아 |
고 | 니 |
지 | 아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
[附記] 9),10),11)の場合には,破裂音対摩擦音の交替が働くが,[ㄷ]~[ㅅ],[ㄷ]~[ㅆ]の場合には,「ㅅ」,「ㅆ」が無声音の前においては,内破の[ㄷ]と発音される性質を利用してそれぞれパッチム「ㅅ」,「ㅆ」をもって語幹の形態部を固定させている。[ㅂ]~[ ]の場合もこれと全く同じである。即ち,「웃다~웃어」において[t]~[s]の交替を摩擦音「ㅅ」[s]と表示することと同様に「곱다」,「고와」における[p]~[w]の交替を摩擦音「 」と表記するのである。朝鮮語において摩擦音が末音又は連発されない別の音の前においては,同一長音位置の破擦音となる規則があるために「웃어」では[t]と発音される「ㅅ」の字が「웃다」では[t]と発音されることと同様に「 아」では[w]と発音される「 」の字が「 다」では[p]と発音されるのである。
公式で表せば
- s : t = w : p
となる。「웃다~웃어」が全く変格用言でなかったとすれば,同一の論理で「 다~ 아」も全く変格用言でないのである。
の字形に関して言うとすれば,この音が「곱다~고와」,「굽다~구워」のように[ㅂ]と[ㅜ]に交替し,[ ]価([ㅂ]が如く)と硬口蓋音([ㅜ]が如く)において摩擦され両唇調音される音であるために「ㅂ」と「ㅜ」を合字して「[ ]」としたものである。
この文字の新製により,「ㅂ~ 」の交替をいわゆる変則用言と考えず,他の全ての交替と同様に正常なものと考えることができることとなり,また
等の交替が明確に区別されることとなる。
12)交替[ㄷ]~[ㅈ]→表記「ㅈ」
例: 늦다(晩)
[늗다] | [느저] |
[늗고] | [느즈니] |
[늗지] | [느저서] |
このように発音されるものを
늦다 | 늦어 |
늦고 | 늦으니 |
늦지 | 늦어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
꽂다(揷), 낮다(低), 젖다(濕).
13)交替[ㄷ]~[ㅊ]→表記「ㅊ」
例: 쫓다(逐)
[쫃다] | [쪼차] |
[쫃고] | [쪼츠니] |
[쫃지] | [쪼차서] |
このように発音されるものを
쫓다 | 쫓아 |
쫓고 | 쫓으니 |
쫓지 | 쫓아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
좇다(從).
14)交替[ㄷ]~[ㄹ]→表記「ㅿ」
例: 거ᇫ다(步)
[걷다] | [걸어] |
[걷고] | [거르니] |
[걷지] | [거러서] |
このように発音されるものを
거ᇫ다 | 거ᇫ어 |
거ᇫ고 | 거ᇫ으니 |
거ᇫ지 | 거ᇫ어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
기ᇫ다(汲), 무ᇫ다(問), 드ᇫ다(聽), 부ᇫ다(殖).
[附記] [ㄷ]~[ㄹ]の交替を「ㅿ」をもって表記する理由は次の通りである。
訓民正音創制当時制作された「ㅿ」の字の音価については,各種の議論があるが,最も根拠となる「訓民正音」に「ㅿ 半齒音 如穰字初發聲」と明示されているように本来中国の「日」母の漢字音を表示するためのものである。この音は,語音学的には,有声舌面摩擦音[ʒ]であるが、今日「日」簿の漢字音を中国新文字において「rh」と表記するように、母音間においては、[ㄹ]に近似して聞こえる。この「ㅿ」の字が母音間においては[ㄹ]、無声子音の前においては他の摩擦音と同様に内破の「ㄷ」と発音されることは、
大同江・・・共一出自陽德縣北文音 그ᅀᅳᆷ山(龍飛御天歌 卷1, 39)
において「그ᅀᅳᆷ山」が[글음山]と発音されていたことと
ᄒᆞᄫᆞᇫ {ᄒᆞ읏 - 흣(-저고리) (單) ᄒᆞ을 - 흘(-아비) (獨)}
の音韻変化の例を挙げることでも証示することができる。
ㅿの字を復活させることによって, [ㄷ]~[ㄹ]の交代をいわゆる変格用言と考えず,他の全ての交替と同様に正常なものと考えることができることとなり,また
- 걷다(捲)[걷다] - 걷어[거더]
- 거ᇫ다(步)[걷다] - [거러]
- 묻다(埋)[묻다] - 묻어[무더]
- 무ᇫ다(問)[묻다] - 무ᇫ어[무러]
等の交替が明確に区別されることとなる。
第2類
編集15)交替[ㅂ]~[ㅄ]→表記「ㅄ」
例: 없다(無)
[업다] | [업서] |
[업고] | [업스니] |
[업지] | [업서서] |
このように発音されるものを
없다 | 없어 |
없고 | 없으니 |
없지 | 없어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
가엾다(憐), 부질없다(漫), 시름없다(愁貌).
例: 밟다(踏)
[밥다] | [ 바] |
[밥고] | [ 브니] |
[밥지] | [ 바서] |
このように発音されるものを
밟다 | 밟아 |
밟고 | 밟으니 |
밟지 | 밟아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
例: 읊다(詠)
[읍다] | [ 퍼] |
[읍고] | [ 프니] |
[읍지] | [ 퍼서] |
このように発音されるものを
읊다 | 읊어 |
읊고 | 읊으니 |
읊지 | 읊어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
"읊다"以外にはなし。
例: 밝다(明)
[박다] | [ 가] |
[박고] | [ 그니] |
[박지] | [ 가서] |
このように発音されるものを
밝다 | 밝아 |
밝고 | 밝으니 |
밝지 | 밝아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
굵다(太), 늙다(老), 읽다(讀).
例: 핥다(舐)
[ 따] | [ 타] |
[ 꼬] | [ 트니] |
[ 찌] | [ 타서] |
このように発音されるものを
핥다 | 핥아 |
핥고 | 핥으니 |
핥지 | 앑아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
훑다(挾扱).
例: 옳다(可)
[ 타] | [ 네] | [오라] |
[ 코] | [ 쏘] | [오르니] |
[ 치] | [오라서] |
このように発音されるものを
옳다 | 옳네 | 옳아 |
옳고 | 옳소 | 옳으니 |
옳지 | 옳아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
뚫다(穿), 싫다(厭), 앓다(病).
例: 삶다(烹)
[삼따] | [삼네] | [ 마] |
[삼꼬] | [ 므니] | |
[삼찌] | [ 마서] |
このように発音されるものを
삶다 | 삶네 | 삶아 |
삶고 | 삶으니 | |
삶지 | 삶아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
굶다(飢), 닮다(似), 옮다(移).
例: 앉다(坐)
[안따] | [안네] | [안자] |
[안꼬] | [안즈니] | |
[안찌] | [안자서] |
このように発音されるものを
앉다 | 앉아 |
앉고 | 앉으니 |
앉지 | 앉아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
얹다(置上), 끼얹다(撒).
例: 많다(多)
[만타] | [만쏘] | [마나] |
[만코] | [마느니] | |
[만치] | [마나서] |
このように発音されるものを
많다 | 많소 | 많아 |
많고 | 많으니 | |
많지 | 많아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
끊다(絶), 검잖다(偉), 언짢다(不好).
[附記]第2類においては,単子音対複子音の交替が働くが,「ㅄ, ㄼ, ㄿ, ㄺ, ㄾ, ㅀ, ㄻ, ㄵ, ㄶ」が無声子音の前においては,それぞれ「ㅂ, ㅂ, ㅂ, ㄱ, , , (ㅭ), ,(ㅁ), (ㄴ), ㄶ( )」と発音される性質を利用してパッチム「ㅄ, ㄼ, ㄿ, ㄺ, ㄾ, ㅀ, ㄻ, ㄵ, ㄶ」をもって語幹の形態部を固定させている。
第3類
編集24)交替[ㅎ], [ㆆ]~0→表記「ㅎ」
例: 좋다(好)
[조타] | [조ᇹ네] | [조아] |
[조코] | [조쏘] | [조-니] |
[조치] | [조아서] |
このように発音されるものを
좋다 | 좋네 | 좋아 |
좋고 | 좋소 | 좋-니 |
좋지 | 좋아서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
낳다(産), 넣다(入), 쌓다(積).
25)交替[ㆆ]~0→表記「ㆆ」
例: 지ᇹ다(造)
[지따] | [지어] |
[지꼬] | [지-니] |
[지찌] | [지어서] |
このように発音されるものを
지ᇹ다 | 지ᇹ어 |
지ᇹ고 | 지ᇹ니 |
지ᇹ지 | 지ᇹ어서 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
그ᇹ다(劃), 나ᇹ다(優, 癒), 저ᇹ다(攪).
[ 다] | [부니] |
[ 고] | [부ㅂ니다] |
[ 지] | [부 니] |
[부러] | [부오] |
このように発音されるものを
다 | 니 |
고 | ㅂ니다 |
지 | 니 |
어 | 오 |
と表記することによりそのそれぞれの形態部を固定させることができる。
これに属する例:
[附記1]第3類においては,黙音の現象,即ちゼロ(0)音の交替が働くが,先ず「ㅎ」は咽頭音として有声音間においては,黙音となる性質を利用してパッチム「ㅎ」として語幹の形態部を固定させている。
このとき無声子音の前において
- ㅎ+ㄱ=ㅋ, ㅎ+ㄷ=ㅌ, ㅎ+ㅈ=ㅊ
であるので,「좋고」,「좋다」,「좋지」が[조코], [조타], [조치]と発音されることは,当然である。
次に[ㆆ]~0の交替をパッチム「ㆆ」一字をもって表示する理由は次の通りである。訓民正音創制当時制作された「ㆆ」の字の音価が咽頭破裂音(声門閉鎖音)であることは,こんにち議論の余地がなく,また「ㅎ」のように咽頭音であるために有声音間においては,黙音となり,無声子音の前においては,ㆆ+ㄱ=ㄲ, ㆆ+ㄷ=ㄸ, ㆆ+ㅈ=ㅉであるから,「지ᇹ고, 지ᇹ다, 지ᇹ지」を[지꼬], [지따], [지찌]と発音されることは当然であるから,「ㆆ」字を復活させることによって,「ㆆ-0」の交替をいわゆる変格用言として考えず,他の全ての交替と同様に正常なものと考えることができることとなる。
に対して
となり,「ㄹ」音が[ㄴ], [ㅂ], [ㅅ], [오]の前では必ず黙音となる。このようになることからここに用いられる「ㄹ」の字の音価が他の「ㄹ」の字とは異なるものであることが分かることとなる。
即ち,名詞「불」-(火)は「나니」(出)の前においても[불나니]となり「ㄹ」が発音されるが,動詞「 」-(吹く)は吐「나니」の前においては[부나니]となり「ㄹ」が黙音され,「물」-(水)は「소」(牛)の前においても「물소」となり「ㄹ」が発音されるが,「물」-(咬)は命令の吐「소」の前においては[무소]となり「ㄹ」が黙音される。
また同一の「불」であるにも拘らず「불」(不)に「ㄴ, ㅂ, ㅅ, ㅗ」の頭音を有する「노(怒), 법(法), 소(少), 오(娛)」がそれぞれ結合すると,
- 不怒[불노] 不法[불법] 不少[불소] 不娛[불오]
となるが,「 」-(吹)に「ㄴ, ㅂ, ㅅ, ㅗ」の頭音をもった吐「노라, ㅂ니다, 소, 오」がそれぞれ結合すれば必ず「ㄹ」が黙音され,
となる。
以上により用言語幹の「ㄹ」パッチムは,他の「ㄹ」と同一でなく(語音学的に見れば舌端半顫音[ɾ]である),吐によって黙音がなされるから,これを「 字で表示し,その語幹の形態部を固定させれば[ ], [ㄹ]~0の交替をいわゆる変格用言として考えず,他の全ての交替と同様に正常なものと考えることができる。
[附則2]以上第1類,第2類,第3類の交替を見るとそれぞれその性質が異なる。
即ち,第1類の交替においては,互いに交替する音がただ一種の標識の点においてのみ対立し,[1),2),3)は,無声音対有声音,4),5)は無気音対帯気音,6),7),8)は平音対濃音,9),10),11)は破裂音対摩擦音,12),13)は破裂音対破擦音,14)は破裂音対顫音]相関的関係がある。
第2類の交替においては,互いに交替する音が一種以上の標識の点において対立され分離的関係にある。
第3類の交替においては,互いに交替する音中一は0(ゼロ)音となり消滅的関係にある。
従って第1類の交替を相関的交替,第2類の交替を分離的交替,第3類の交替を消滅的交替とも言う。
第三項 類似するパッチムの比較
編集いま体言と用言を通して近似した語幹パッチムを代表的なものを比較してみると次の通りである。
例(意味) | 表記 | 発音 | 表記 | 発音 |
---|---|---|---|---|
낟-(穀) | 낟과 | [낟과] | 낟에 | [나데] |
낱-(個) | 낱과 | [낟과] | 낱에 | [나테] |
낫-(鎌) | 낫과 | [낟과] | 낫에 | [나세] |
낮-(晝) | 낮과 | [낟과] | 낮에 | [나제] |
낯-(面) | 낯과 | [낟과] | 낯에 | [나체] |
例(意味) | 表記 | 発音 | 表記 | 発音 |
---|---|---|---|---|
업-(負) | 업고 | [업고] | 업어 | [어버] |
엎-(覆) | 엎고 | [업고] | 엎어 | [어퍼] |
없-(無) | 없고 | [업고] | 없어 | [업서] |
믿 -(可信) | 고 | [업고] | 어 | [어워] |
例(意味) | 表記 | 発音 | 表記 | 発音 |
---|---|---|---|---|
곱-(屈) | 곱고 | [곱고] | 곱아 | [고바] |
-(姸) | 고 | [곱고] | 아 | [고와] |
도우-(" "의 方言) | 도우고 | [도우고] | 도와 | [도와] |
-(助) | 고 | [돕고] | 아 | [도와] |
例(意味) | 表記 | 発音 | 表記 | 発音 |
---|---|---|---|---|
나ᇹ-(癒) | 나ᇹ고 | [나꼬] | 나ᇹ아 | [나아] |
낳-(産) | 낳고 | [나코] | 낳아 | [나아] |
낫-("드 "의 方言) | 낫고 | [낟고] | 낫아 | [나사] |
나-(出) | 나고 | [나고] | 나아 | [나아] |
例(意味) | 表記 | 発音 | 表記 | 発音 | 表記 | 発音 |
---|---|---|---|---|---|---|
묻-(埋) | 묻고 | [묻고] | 묻어 | [무더] | 묻으니 | [무드니] |
무ᇫ-(問) | 묻고 | [묻고] | 무ᇫ어 | [무러] | 무ᇫ으니 | [무르니] |
-(咬) | 고 | [물고] | 어 | [무러] | 니 | [무니] |
例(意味) | 表記 | 発音 | 表記 | 発音 |
---|---|---|---|---|
물-(水) | 물’가(邊) | [물까] | 물’소 | [물쏘] |
-(咬) | ㄹ까? | [물까] | 소(명령토) | [무소] |
불-(火) | 불’가(邊) | [불까] | 불나니(出) | [불나니] |
-(吹) | ㄹ까? | [불까] | 나니(토) | [부나니] |
가-(行) | 가니 | [가니] | 가고 | [가고] |
-(耕) | 니 | [가니] | 고 | [갈가] |
第四項 いわゆる「変格用言」の処理
編集以上各条項における叙述で分かるように,従来のいわゆる「変格用言」は,設定する必要がなくなった。いまこれを総合的に漸くすれば次の通りである。
(1)従来の「ㄹ変格用言」は,「 」字の使用により規則的になる。
例:
다(遊) | 고 | 아 | 니 | ㅂ니다 | 니 |
다(吹) | 고 | 어 | 니 | ㅂ니다 | 니 |
[附則]通俗的な綴字法により 字を用いないところでは,黙音される場合「 」字を用いず,
놀다 | 놀고 | 노니 | 놉니다 | 노시니 | 노오 |
のように表記することが出来る。
しかしながら,このように表記すれば語幹の形態素が「놀-」「노-」と動揺し朝鮮語綴字法の基本原則に反することは勿論である。
(2)従来の「ㅅ変格用言」は,「ㆆ」字の使用により規則的になる。
例:
지ᇹ다(造) | 지ᇹ고 | 지ᇹ어 | 지ᇹ니 | 지ᇹ늬? |
나ᇹ다(癒) | 나ᇹ고 | 나ᇹ아 | 나ᇹ니 | 나ᇹ늬? |
[附記]通俗的な綴字法により「ㆆ」字を用いないところでは
짓다 | 짓고 | 지어 | 지으니 |
のように表記することができる。
しかしながら,このように表記すれば語幹の形態部が「짓-」「지-」と動揺し朝鮮語綴字法の基本原則に反することは勿論である。
(3)従来の「ㅎ変格用言」は,いかなる吐の上においても「ㅎ」パッチムを使用することにより規則的になる。
例:
하얗다(白) | 하얗니 | 하얗ㄴ | 항얗면 |
커다랗다(大) | 커다랗니 | 커다랗ㄴ | 커다랗면 |
参考: 좋다(好) | 좋니 | 좋ㄴ | 좋면 |
(4)従来の「ㄷ変格用言」は,「ㅿ」字の使用により規則的になる。
例:
거ᇫ다(步) | 거ᇫ고 | 거ᇫ어 | 거ᇫ으니 | 거ᇫ늬? |
누ᇫ다(焦) | 누ᇫ고 | 누ᇫ어 | 누ᇫ으니 | 누ᇫ늬? |
드ᇫ다(聽) | 드ᇫ고 | 드ᇫ어 | 드ᇫ으니 | 드ᇫ늬? |
(附記)通俗的な綴字法により「ㅿ」字を用いないところでは,
걷다 | 걷고 | 걸어 | 걸으니 |
又は | |||
것다 | 것고 | 걸어 | 걸으니 |
のように表記することができる。
しかしながらこのように表記すれば形態部が「걷(것)-」,「걸」と動揺し朝鮮語綴字法の基本原則に反することは勿論である。
(5)従来の「ㅂ変格用言」は,「 」字の使用により規則的になる。
例:
가 다(近) | 가 아 | 가 니 | 가 네 | 가 늬? |
다(臥) | 어 | 니 | 네 | 늬? |
다(辛) | 어 | 니 | 네 | 늬? |
가깝다 | 가까와 | 가까우니 | 가깝네 |
のように表記することができる。
しかしながら,このように表記すれば,語幹の形態部が「가깝-」,「가까오-(가까우-)」と動揺し朝鮮語綴字法の基本原則に反することは勿論である。
(6)従来の「여変格用言」は,99頁で見たように「여」吐の使用規則を整理することにより規則的になる。
例: 하다(爲) 하여 하여도 하였으니 하였다
(7)従来の「러変格用言」は,「 」字の使用により規則的になる。
例:
이 다(至) | 이 어 | 이 었다 |
푸 다(靑) | 푸 어 | 푸 었다 |
누 다(黃) | 누 어 | 누 었다 |
このとき,「 」を「ㄴ, ㅂ, ㅅ, 오」以外の子音との上においても発音しない場合があるが([이르다], [이르고]・・・),「 」を発音することを原則とし,発音しないことも許容する。
이르다 | 이르러 | 이르렀다 |
のように表記すれば語幹の形態部が「이르-」「이르ㄹ-」と動揺し朝鮮語綴字法の基本原則に反することは勿論である。
(8)従来の「르変格用言」は,100頁で見たように「ㅡ」音の発音規則を整理することにより規則的になる。ここに従来の「ㄹㄹ」の代わりに(갈ᄅힹ, 갈ᄅힹᆻ다・・・),「 」字を使用する。
例:
가 다(分) | 가 | 가 | 가 |
오 다(登) | 오 | 오 | 오 |
흐 다(流) | 흐 | 흐 | 흐 |
기 다(養) | 기 | 기 | 기 |
このとき[ ]を[르]と発音することもあるが([가르다][오르다][흐르다][기르다]),[ ]と発音することを原則とし,[르]と発音することも許容する。
갈르다 | 갈ᄅힹ | 갈ᄅힹᆻ다 | 갈릐다 |
のように表記することが出来る。
しかしながらこのように表記すれば「ㄹㄹ」によって舌側音「 」を代替することとなるが,音「ㄹ」をいくら重ねても舌側音となる理由がないから,音理の上からみて不合理である。
また,「ㅡ」音の発音規則を整理しないと,
가 다 | 가 | 가 다 | 가 다 |
のように,語幹の形態が「가 」,「가 」と動揺し,朝鮮語綴字法の基本原則に反することとなる。
(9)従来の「ㅜ変格用言」は,53頁で見たように「ㅜ」音の発音規則を整理することにより規則的となる。
例:
푸다 | 풔 | 풨다 |
このとき「ㅜ」音の発音規則を整理しなければ,
푸다 | 퍼 | 펐다 |
のように語幹の形態部が「푸」「푸」と動揺し,朝鮮語綴字法の基本原則に反することとなる。
(10)通俗的な綴字法により「 」字(41頁以下参照)を用いないところでは
지고 | 져서 | 졌다 |
のように表記することができる。
しかしながらこのように表記すれば,形態部が「지」「ㅈ-」と動揺し,朝鮮語綴字法の基本原則に反することとなる。
第五項 語幹及び吐の縮約
編集語幹と吐の結合において個別的な場合,母音又は子音が脱落し,語幹と吐が縮約されることがある。このとき縮約された通りに縮約することとするが,語幹の形態部をなるべく保存するようパッチムを整える。
例:1)語幹の縮約
-本来の語- | -縮約語- |
---|---|
아기야 | 악아 |
기러기야 | 기럭아 |
어제저녁 | 엊저녁 |
가 고 | 갖고 |
미 고 | 및고 |
디 고 | 딛고 |
온가지 | 온갖 |
2)語幹と吐の縮約
나를 | 날 |
너를 | 널 |
무엇이 | 무에 |
무엇을 | 무얼 |
그것이 | |
그것으로 | 그걸로 |
第三節 連音と絶音
編集それぞれの形態部が結合するとき前にある形態部の末音が子音であり,後ろにある形態部の頭音が母音である場合,発音上の連音や絶音の現象が観察される。
連音とは,「옷-이」が[오시]と発音されるように,前にある形態部の末音(子音)が後ろにある形態部の頭音に移ってくる二形態部が発音連結されることをいう。
絶音とは,「옷-안」が[옫-안]と発音されるように,前にある形態部の末音(子音)が一旦そこで終わって,後ろにある形態部と結合され二形態部が発音上断絶されることをいう。
いまその例を挙げれば次の通りである。
1.聯音される場合
編集1)語幹+吐
編集ㄱ)体言の例:
떡이[떠기] | 떡을[떠글] | 떡에[떠게] |
손이[소니] | 손을[소늘] | 손에[소네] |
맏이[마지] | 맏을[마들] | 맏에[마데] |
팔이[파리] | 팔을[파를] | 팔에[파레] |
밤이[바미] | 밤을[바믈] | 밤에[바메] |
집이[지비] | 집을[지블] | 집에[지베] |
옷이[오시] | 옷을[오슬] | 옷에[오세] |
땅이[따ᅌᅵ] | 땅을[따ᅌᅳᆯ] | 땅에[따ᅌᅦ] |
낮이[나지] | 낮을[나즐] | 낮에[나제] |
꽃이[꼬치] | 꽃을[꼬츨] | 꽃에[꼬체] |
부엌이[부어키] | 부엌을[부어클] | 부엌에[부어케] |
밭이[바치] | 밭을[바틀] | 밭에[바테] |
앞이[아피] | 앞을[아플] | 앞에[아페] |
밖이[바끼] | 밖을[바끌] | 밖에[바께] |
넋이[넉시] | 넋을[넉슬] | 넋에[넉세] |
홁이[흘기] | 흙을[흘기] | 흙에[흘게] |
여덟이[여덜비] | 여덟을[여덜블] | 여덟에[여덜베] |
곬이[골시] | 곬을[골슬] | 곬에[골세] |
값이[갑시] | 값을[갑슬] | 값에[갑세] |
ㄴ)用言の例:
곱아[고바] | 높아[노파] |
아[고와] | 없어[업서] |
받아[바다] | 같아[가타] |
웃어[우서] | 거ᇫ어[거러] |
있어[이써] | 늦어[느저] |
쫓아[쪼차] | 막아[마가] |
깎아[까까] | 아[가라] |
밟아[발바] | 읊어[얼퍼] |
읽어[일거] | 핥아[할타] |
삶아[살마] | 안아[아나] |
앉아[안자] | 심어[시머] |
2)語幹+接尾辞
編集3)語幹+語幹,接頭辞+語根において前にある形態部の末音が「ㄱ, ㄴ, ㄷ, ㄹ, ㅁ, ㅂ, ㅇ」である場合
編集속옷[소곧] | 딱안반[떠간반] |
손아귀[소나귀] | 눈웃음[누누슴] |
맏아들[마다들] | 낟알[나달] |
물오리[무로리] | 홀아비[호라비] |
밤알[바말] | 참외[차뫼] |
집안[지반] | 탑위[타뷔] |
방안[바ᅌᅡᆫ] | 강아래[가ᅌᅡ래] |
2.絶音される場合
編集1)語幹+語幹,接頭辞+語根において前にある形態部の末音が「ㅋ, ㄳ, ㅌ, ㅅ, ㅈ, ㅊ, ㅍ, ㅄ」である場合。
編集このとき「ㅋ, ㄳ」は[ㄱ]と,「ㅌ, ㅅ, ㅈ, ㅊ」は[ㄷ]と,「ㅍ, ㅄ」は[ㅂ]と発音される。
부엌안[부억-안] | 넋없다[넉-업다] |
팥알[팓알] | 숫음식[숟-음식] |
것어미[걷-어미] | 꽃아래[꼳-아래] |
므릎아래[므릅-아래] | 값없다[갑-업다] |
2)語幹+語幹において後ろにある形態部の頭音が「야, 여, 요, 유, 이」である場合。
編集このときアクセント現象とともに口蓋化した「ㄴ, ㄹ」音が生ずる。
속'잎 | 편'윷 | 물'약 | 밤'윷 | 콩'엿 |
겹'이불 | 옷'임자 | 공'일 | 낮'일 | 밤'이슬 |
꽃'잎 | 부엌'일 | 밭'이랑 | 놋'요강 | 앞'이마 |
この団体著作物又はその原文は、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(北朝鮮の場合は2003年4月28日)の時点で公表の翌年から起算して50年を経過しており、北朝鮮においてパブリックドメインの状態にありました。
この団体著作物又はその原文は、本国若しくは著作物の最初の発行地又は日本国の著作権法において保護期間が満了しているため、日本国においてパブリックドメインの状態にあります。(北朝鮮著作権法第24条及び日本国著作権法第58条参照。)
この著作物又はその原文は、アメリカ合衆国外で最初に発行され、及びその後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず、並びに1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行され、又は1978年より後に著作権表示なしに発行され、並びにウルグアイ・ラウンド協定法の期日に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。
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