日本赤十字社条例

日本赤十字社条例（にほん せきじゅうじしゃ じょうれい）

公布日　1901年12月3日（明治34年12月2日勅令第213号）

交付時枢密院議長　西園寺公望

関連資料

• Wikisource:熊本洋学校

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底本　『官報 第5526号』、大蔵省印刷局。1901年12月3日,日本マイクロ写真,明治34年. 国立国会図書館デジタルコレクション:info:ndljp/pid/2948827

凡例　

• 現代表記について

JIS第一水準の範囲内で元の文字に最も近いものをなるべく用い、現在は漢字で表記されることが例外的である代名詞、副詞、接続詞、助動詞はなるべく仮名に改め、送り仮名、句読点を補充する。片仮名は外来語を除き平仮名に改め、発音に基づき濁点を加える（「あらざる」、「べし」等）。また漢数字は条文番号や日付、数字については算用数字、西暦に改める。

旧表記

朕日本赤十字社条例を裁可し茲に之を公布せしむ

　御名御璽

　　　　明治三十四年十二月二日

海軍大臣　　　山本権兵衛
陸軍大臣　男爵兒玉源太郎

勅令第二百十三号

　　　日本赤十字社条例

第一條　 日本赤十字社ハ陸軍大臣海軍大臣ノ指定スル範圍内ニ於テ陸海軍ノ戰時衞生勤務ヲ幇助スルコトヲ得

第二條　 日本赤十字社社長及副社長ノ就任ニ付テハ勅許ヲ與ヘラルヘシ

第三條　 陸軍大臣海軍大臣ハ第一條ノ目的ノ爲日本赤十字社ヲ監督ス

第四條　 第一條ノ勤務ニ服スル日本赤十字社ノ救護員ハ陸海軍ノ紀律ヲ守リ命令ニ服スルノ業務ヲ負フ

第五條　 戰時ニ於ケル日本赤十字社ノ人員材料ノ官設鐵道ニ於ケル輸送ハ陸軍海軍軍人及軍用品ニ準スヘシ

第六條　 戰時服務中日本赤十字社ノ理事員、醫員、調劑員及看護婦監督ハ陸海軍將校相當官ノ待遇ニ、書記、調劑員補、看護婦長、看護人長及輸長ハ下士ノ待遇ニ、看護婦、看護人及輸送人ハ卒ノ待遇ニ準ス

第七條　 戰時ニ於ケル日本赤十字社救護員ノ宿舍糧食車馬ハ場合ニ依リ官給トス

現代表記

朕日本赤十字社条例を裁可し茲に之を公布せしむ 　御名御璽

　　　　明治三十四年十二月二日

海軍大臣　　　山本権兵衛
陸軍大臣　男爵兒玉源太郎

勅令第213号

　　　日本赤十字社条例

第1条　 日本赤十字社は、陸軍大臣海軍大臣の指定する範囲内において陸海軍の戦時衛生勤務を幇助することを得。

第2条　 日本赤十字社社長及び副社長の就任については、勅許を与えらるべし。

第3条　 陸軍大臣、海軍大臣は、第一条の目的のため日本赤十字社を監督す。

第4条　 第1条の勤務に服する日本赤十字社の救護員は、陸海軍の紀律を守り命令に服するの業務を負う。

第5条　 戦時における日本赤十字社の人員材料の官設鉄道における輸送は、陸軍海軍軍人及び軍用品に準ずべし。

第6条　 戦時服務中日本赤十字社の理事員、医員、調剤員及看護婦監督は陸海軍将校相当官の待遇に、書記、調剤員補、看護婦長、看護人長及輸長は下士の待遇に、看護婦、看護人及輸送人は卒の待遇に準ず。

第7条　 戦時における日本赤十字社救護員の宿舎、糧食、車馬は、場合により官給とす。