後光厳天皇宸翰 (陽明文庫所蔵)

先日面談返󠄁々爲悅候、此間又必可有光臨候也、世上事、如今者雖無特事候、心中全󠄁分未無安堵之思候、凡武家不可有等閑如在之條、雖勿論候、乍同事其下にて誰そ取別懸申意輩も候ぬとも不存候、先日も粗申候し心省ニ便󠄁宜も候ぬへくハ、無何事樣をも被仰置候へかし、如此とりわき被仰候も、中々なにとやらん覺候へとも、旁進退󠄁をも失步之樣候之上、今者云其仁、又公家事をもさすか意に懸申候ぬへき者にて候へは、自然時に相構、別可懸申意之由被仰置候之條、可然存候、其間事定得御意候歟、尙々世上事心苦覺候也、恐惶謹言、

十月十八日               (花押)(後光嚴天皇)


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