対外援助の経済的影響に関するハリー・S・トルーマンの大統領声明
声明
編集我々が現在諸外国に提供しており、あるいは今後提供するであろう援助が国内経済に及ぼす影響は、あらゆる米国民にとって大きな関心事である。民主主義を活性化し民主主義と自由に基づく平和を築くには海外生産の回復が不可欠であるが、国民はこのことに総じて同意してくれると、私は信じている。それは世界貿易にとっても不可欠であり、世界貿易の中では国内の実業家や農家、労働者は相当な輸出から利益を得られるであろうし、彼らの顧客はこれらの商品の代金を払えるであろう。他方、我々がそうした回復への支援をどの程度まで続けねばならないのかについては解明が困難であり、慎重な調査を要する。
これらの問いに対しては既に、種々の政府機関によって、また多くの博識かつ公共心ある市民によって多くの注意がなされてきた。しかし、現在の研究と議論の結果は、国家政策の形成における助言に適した形でまとめられてはこなかったし、客観的に評価されてもこなかった。
そのため私は3つの委員会を直ちに設置し、外国に展開される更なる援助と我々の国内経済の利害との関係について、可能な限り短期間内に私に調査・報告させることとした。これらの調査のうち2つは、政府内で実施される。3つ目は、商務長官[1]を長とする優秀な市民の超党派の委員会によって運営される。
政府内で実施される2つの調査のうち1つは、我々の国家資源の現状を扱い、内務長官の指揮の下、専門家委員会によって作成される。別の政府調査は、諸外国向け援助が我が国の国民経済に及ぼす影響を扱い、経済諮問委員会によって実施される。
無所属の委員会に対しては、諸外国向け経済援助に供し得る合衆国の資源の性質と規模に関する事実を調査すると共に、これらの事実に照らしつつ、合衆国がこうした援助を安全かつ賢明に展開し得る限度や、この援助と国内経済との関係について、私に助言するよう要請する。同委員会は、米国の実業界、金融界、労働界、農業界、及び教育研究機関の代表からなる。任務の遂行に際し、同委員会は政府内でなされる研究の成果や、既に種々の政府機関によって用意された資料を活用する。
委員就任を要請されている人物の名は、以下の通りである。
- ハイランド・バチェラー (Hiland Batcheller) 、アレガニー=ラドラム・スティール社長、ピッツバーグ、ペンシルヴェニア州
- ロバート・アール・ブキャナン (Robert Earle Buchanan) 、アイオワ州立大学大学院学部長、エイムズ、アイオワ州
- W・ランドルフ・バージェス (W. Randolph Burgess) 、ナショナル・シティ・バンク・オヴ・ニューヨーク副頭取、ニューヨーク、ニューヨーク州
- ジェイムズ・B・ケアリー (James B. Carey) 、CIO会計責任者、ワシントンD.C.
- ジョン・L・コリアー (John L. Collyer) 、B. F. グッドリッチ社長、アクロン、オハイオ州
- グランヴィル・コンウェイ (Granville Conway) 、コスモポリタン・シッピング社長、ブロードウェイ42番地、ニューヨーク、ニューヨーク州
- メルヴィル・F・クールボー (Melville F. Coolbaugh)、メイプル・ストリート1700番地、ゴールデン、コロラド州
- チェスター・C・デイヴィス (Chester C. Davis) 、連邦準備銀行総裁、セイント・ルイス、ミズーリ州
- R・R・デュプリー (R. R. Deupree) 、プロクター・アンド・ギャンブル社長、シンシナティ、オハイオ州
- ポール・G・ホフマン (Paul G. Hoffman) 、ステュードベーカー社長、サウス・ベンド、インディアナ州
- カルヴァン・B・フーヴァー (Calvin B. Hoover) 、デューク大学大学院学部長、ダラム、ノースカロライナ州
- ロバート・ケーニッグ (Robert Koenig) 、エアシャー・コリアーズ社長、ビッグ・フォー・ビルディング、インディアナポリス、インディアナ州
- ロバート・M・ラ・フォレット, Jr. (Robert M. La Follette, Jr.|) 、バー・ビルディング、ワシントンD.C.
- エドワード・S・.メイソン (Edward S. Mason) 、ハーヴァード大学政治学部長、ケンブリッジ、マサチューセッツ州
- ジョージ・ミーニー (George Meany) 、アメリカ労働総同盟会計責任者、ワシントンD.C.
- ハロルド・G・モールトン (Harold G. Moulton) 、ブルッキングズ研究所所長、ジャクソン・プレイス、ワシントンD.C.
- ウィリアム・I・マイヤーズ (William I. Myers) 、コーネル大学農学部長、イサカ、ニューヨーク州
- ロバート・ゴードン・スプロール (Robert Gordon Sproul) 、カリフォルニア大学学長、バークリー、カリフォルニア州
- オーウェン・D・ヤング (Owen D. Young) 、ジェネラル・エレクトリック名誉会長、ヴァン・ホーンズヴィル、ニューヨーク州
脚注
編集底本
編集- Statement by the President on the Economic Effects of Foreign Aid (ハリー・S・トルーマン大統領図書館・博物館内資料)
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