善人達のよきこんしゑんしやの悦びの事

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• 底本：村岡典嗣 編『吉利支丹文学抄』,改造社,大正15. 国立国会図書館デジタルコレクション:info:ndljp/pid/971193/1/135
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• 新漢字版　→　善人達のよきこんしゑんしやの悦びの事 (新漢字)

善人達のよきこんしゑんしやの悅びの事

右すぴりつ◦さんちより與へ給ふ內心の悅びの上に◦今一ツ善人達の樂み給ふ事といふは◦よきこんしゑんしやの證據（しようこ）なり。是を辨（わきま）へよ。でうす　の御惠みを以て萬物を養ひ給ひ◦それ〴〵の極めに至らせ給はん爲に◦入程（いるほど）の事を與へ給ふ如く◦人間の上をも達し給はん爲に◦入（いる）べき程（ほど）の事を爭（いかで）か計（はから）ひ給はずといふ事あらんや。去（され）ば人の達するといふは◦あにまの精力の第一となる◦分別とおんたあでの二ツを達するにありと心得よ。分別には諸々（もろもろ）の學問の下地となる智惠を與へ給ひ◦おんたあでには萬の善の種を蒔（まき）給へば◦善には親み◦惡をば嫌ふ自（みづから）の精德を含むが故に◦善を以ては悅び惡を以ては悲しむ者也。此生付の精力（せいりき）の强き事をいはば◦縱（たと）ひ其身の惡（あし）き癖をもて弱る事ありといふとも◦曾（かつ）て其精力の滅ずる〔ママ〕事なし。喩（たとへ）ば人の自由は◦惡趣に落て次第に其精弱くなるといへども◦全く滅する事なし。其（その）證據（しようこ）は昔*じよぶと申（まうす）善人◦樣々の災難をうけ給ふ時◦從類（じゆうるい）眷屬（けんぞく）在々所々にて敵より打亡ぼさるゝといへども◦其（それ）を吿（つげ）る一人の臣下はいつも殘りたると見へたり。其如く惡人も今罪を犯す災ひ起り來り◦諸善を亡すといへども◦善惡を辨ふる智惠はうせずして◦失ひたる吉（きち）事（じ）と淺間しく果（はて）たる進退（しんだい）を吿（つげ）知（し）らする事◦いつも◦こんしゑしや〔ママ〕に殘り留（とゞま）る者也

如此（かくのごとく）◦でうす　より眠る事なき起手（おこして）◦無言する事なき談義者◦草臥（くたびれ）る事なき師匠を與へ給ふを以て◦深く善德を御大切に思（おぼし）召（めさ）るゝ御（お）計（はから）ひ◦微（み）妙（めう）の御（ご）內證（ないせう）を知（しら）せ給ふ者也。是をよく辨（わきま）へたる*ゑぴてとといふ學者の云（いは）く◦親は◦子に惡を退き善に勸むる道を敎へんが爲に◦若年の時より師匠の手に渡すごとく◦でうす　人を御（ご）作（さく）なされし初より面々生（うま）れ付（つき）によしあしを覺ふる心の精德を◦こんしゑんしやと號（かう）して師匠と渡し給ふ事は◦常に惡を退け善を行へと心をおこし勸むべき爲なりと。去（され）ば此（この）こんしゑんしやは◦善人の爲の守手（まもりて）◦師匠なるが如く◦惡人の爲には心の責（せめ）手（て）◦訴手（うつたへて）◦苛（か）責（しやく）の人と成（なり）て◦悅びの中に苦しみを交（まじ）ゆる者也。去（され）ば惡人のこんしゑんしや心にくひつく事は◦荊棘（けいきよく）のさし苦しむるに異ならず。此（この）荊（いばら）を知らんと思はゞ◦其謂（そのいは）れ數（あま）多（た）あり。一ツには科（とが）は自（おのづから）不淨にして無道也。是を指て學者の曰（いは）く◦人のおもはくにも拘（かかは）らず◦でうす　の御照覽なしといふとも◦科の不淨を知るにをひては◦一惡を犯すべからずと。二ツには科（とが）といふは人の仇（あだ）なり。卽（すなはち）身（み）の仇（あだ）を求むる者也。三ツには科（とが）は惡名を遁（のが）れず◦生得◦人は他人に讃められん事を望み◦憎まるゝ事を嫌ふ者なれば◦科（とが）の惡名たゝずして叶はざる事を知るが故に◦身に悲しみをいだかずといふ事なし。或學者の云（いは）く◦萬民に憎まるゝに勝りて余に苦しき事なしと。四ツには一命の不（ふ）定（ぢやう）◦最期の悲み◦其御（ご）糺決（きうけつ）と終りなき苦（く）患（げん）の恐れ◦皆以て惡人の心をさし苦しむる荊（いばら）也。かほど定めなき露の命の◦必死すべき事を思へば◦ゑけれじやすちこに見へたる如く◦其日はわが科（とが）の報（むく）ひをうけ◦諸惡邪惡の終りなりと知るが故に◦愁（うれひ）をいだかずといふ事なし。惡人の習ひは◦縱（たと）ひ少の苦惱を以ても必（かならず）最期來るべき事を思ひ◦心の騷ぎ絕（たえ）ざるが故に◦一命を惜む苦しみ甚（はなはだ）しく◦墓（はか）なく空しき影に恐れて震（ふる）ひをのゝく者也。或は國に疫癘（えきれい）をこりて萬民死しはて◦又は雷電地震の難に逢（あひ）ても◦忽ち身の上かと恐るゝ者也。是皆あしきこんしゑんしやの證據也。如此（かくのごとく）茂りたる荊棘ち〔ママ〕一ツに群りて・悪人の心をさし苦しむる者也。是に付て*じよぶの經（きやう）に見へたる如く◦惡（あし）きこんしゑんしやは常に心を喰（くら）ひ◦訴ふる叫びの聲やむことなし。又心易く居るといへども◦畢竟（ひつきやう）敵の謀略を恐るゝ者也。誠に惡人はいつも案（あん）堵（ど）の樣に見ゆるといへども◦終に惡しきこんしゑんしやの恐れ絕（たゆ）る事有（ある）べからず。*じよぶの云（いは）く◦闇より光へ出（いづ）る事を難しと思ふなりと。此心は今住しける惡きこんしゑんしやの闇より出（いで）て◦無事案堵に移り◦あにまは　でうす　の御光をうけ奉る淸きこんしゑんしやに住すべき事難しと思ふ者也。ゆへを如何といふに◦惡人の心は常に白刃（はくじん）をふむが如く◦恐れを懷かずと云事（いふこと）なし。死するとじゆいぞの恐れ心を動かし◦倍す科（とが）の御（ご）糺決（きうけつ）の緊（きびし）かるべき事を思へば◦飮食（をんじき）の隙も更に心の寬（くつろ）ぎといふ事なし。喩（たと）へば大將の陣頭を守る兵は前後左右を圍むごとく◦惡人は常に騷がしき心の恐れに圍まれずといふ事なし。是皆惡（あし）きこんしゑんしやに付て*じよぶの親みのいへる辭（ことば）也。或學者の云（いは）く◦でうす　の終りなき御（ご）掟（おきて）は◦常に惡人の心に責（せめ）かゝると。又ぽろぺるびよといふ經（きやう）の廿八に◦Fugit impius, nemine persequente; justus autem quasi leo confidens absque terrore erit. Proverb. 28　惡人は誰も追ざるに逃げ◦善人は獅子王の如く强く猛き者也と。*さんと◦あぐすちいによ是を注し給ひて◦如何に御主◦誠に是御身の御定め也。惡人の亂れたる心はそれ卽（すなはち）身の苦しみ也と宣（のたま）ふ也。見よ◦惡人はこんしゑんしやのみに限らず◦常の進退（しんだい）皆もて如此（かくのごとし）。萬事に﨟（らつ）次（し）をみだしながら◦爭（いかで）か案（あん）堵（ど）の思ひに住すべきぞ。手足筋骨のつがひ〳〵違（たが）ふ時は◦其痛み尤（もつとも）たへがたき者也。又四大それ〴〵の陶（すわ）り所を離るゝ時は◦如何（いか）計（ばかり）の騷がしき事をなすと思ふや。又色身の血氣亂れて血の道違（たが）ふ時は◦如何ほどの病をか生ずると思ふや。生得人は道理をもととするがゆへに◦道理に隨（したが）つて勤めず亂行不法なるにをひては◦爭（いかで）かなやみ亂るゝ事のなからんとは思ふぞ。誠なる哉◦貴（たつと）き*じよぶの金言　Quis restitit ei, & pacem habuit. Job. 9　でうす　に背き奉りて◦誰（たれ）か案（あん）堵（ど）の思（おもひ）には住すべきぞと。*さん◦げれごうりよ是を注し給ひて◦でうす　の大なる御奇（き）特（どく）を以て◦萬物を御（ご）作（さく）なされし如く◦面々其身を巢立んが爲に次第たゞしく定め給へば◦御作者の御（ご）掟（おきて）を背きてそれぞれの次第なきにをひては◦ともに無事を失ふべき者也。でうす　の定め給ふ御（ご）掟にもれて◦爭（いかで）か無事を得んと思ふぞ。でうす　に隨（したが）ひ奉るを以て◦萬事案堵の思ひをなし◦又御法度に違（たが）ふ時は◦こと〴〵く覆（くつがへ）りて﨟（らつ）次（し）正しからざるが故に◦眞の無事を失ふ者也。是卽（すなはち）惡のあんじよと人の元祖の上に見へたり。私（わたくし）の望みを本とし◦でうす　を背き奉り◦御法度に隨（したが）はざりしあんじよは◦天上の位を飜（ひるがへ）していみじき無事を失ふ者也。人も又◦天の御掟を背かざる以前◦善の位に住して其身を無事に保（たもつ）といへども◦御掟を背きて後は◦忽ち心亂れ騷ぎて色身ともに戰ふ者也と。是皆*さん◦げれごうりよ注し玉ふ也。*さん◦とますも又◦是に等（ひとし）き道理を注し給ふ者也。然（しから）ば　でうす　の御憲法を以て◦現在より惡人に與へ給ふ殃（わざはひ）の一ツといふは◦右に顯（あら）はす心中の苦（く）患（げん）是也。*さんと◦あんほろじよの宣（のたまは）く◦こんしゑんしやの疵（きず）に勝りて何事か苦しき事あらんや。但（たゞし）此苦しみに替るにをひては◦或は失墜◦或は火事◦或は病◦又は如何なる痛みをもても厭ふべき事に非ずやと。*さん◦じどろの云（いは）く◦惡（あし）きこんしゑんしやに勝りて苦しき事なし。故に汝常に悲しみを遁れんと思はゞ◦行跡を正しくせよと宣（のたま）ふ也。又此道理眞實なる證據として◦ひいですの光をうけざるぜんちよの學者までも◦惡人の上に定（さだま）りたる苦慮ありといふ事を知るが故に*せねかの云（いは）く◦人目を凌ぎ惡名を厭ふ事は何事ぞ。只汝がこんしゑんしやよきにをひては◦世界をも證據とせよ◦悪しきこんしゑんしやあるにをひては◦獨（ひとり）なりとも心騷ぎくるしむべし。汝善事を爲すにをひては◦縱（たとひ）人は知らずといふとも◦汝はそれを知るが故に◦隱すに益なし。嗚呼（あゝ）かほど明白なる證據を蔑如（べつじよ）にする汝は◦さても不（ふ）便（びん）なる者哉。其故は諺（ことわざ）に云（いは）く◦自己のこんしゑんしやは他の千人の證據に同じと。又云（いは）く◦第一罪の報ひと云（いふ）は則（すなはち）罪を犯す事也。汝が罪の恐敷（おそろしき）證人と云（いふ）は◦則（すなはち）汝が身より外（ほか）になし。他人をば皆逃る事叶ふべし。我身よりは逃（のが）る事更に叶ふべからず。其罪則（すなはち）身の苦しみとなれば也と。又*つうりよの曰く◦善惡に付てこんしゑんしやは大强の者なるが故に◦犯さゞれば恐れなし◦犯せば恐れのたゆる事なしと。是常に惡人の凌ぐ苦しみの一ツ也。現世より初（はじめ）て未來までうけ續く苦（く）患（げん）是なりと。いざいやすといふ經（きやう）に◦永劫（えうがう）不（ふ）退（たい）死する事なき蟲（むし）といふは◦惡人のこんしゑんしや◦かみ付（つき）苦しむるとあるも是也

§一　善人の樂みとなるよきこんしゑんしやの悅びの事

然るに善人達は◦右に顯（あら）はす惡（あし）きこんしゑんしやの苦しみを遁れ給ひ◦則（すなはち）すぴりつ◦さんと彼（かの）あにまにうへ置（おき）給ふ德本の善の實（み）を味（あじは）ひ試み給ふ者也。喩（たとへ）ば◦ぱらいぞ◦てれあるに定め置（おき）給ふ花園は◦すぴりつ◦さんとの御翫（もてあそ）びなさるゝ御園に等き也。是に付て*さんと◦あぐすちいによ◦ぜねじすといふ經（きやう）の注に宣（のたまは）く◦善人のよきこんしゑんしやの悅びはそれ則（すなはち）ぱらいぞなりと。爰（こゝ）を以て◦諸善備り給ふ善人達を指てゑけれじやと呼（よび）給ひ◦同じくがらさと潔（いさぎ）よき心の悅び充々（みちみち）給ふゑけれじやを指て◦ぱらいぞとよび給ふ事◦其道理ある儀也。又云（いは）く◦來世にて眞の甘味を尋る汝◦則（すなはち）其を約束し給ふ御（おん）主（あるじ）の御（ご）掟（おきて）を保つにをひては◦現在にて何たる辛苦艱難の中（うち）にありとも◦其甘味を見付べしと思へ。惡より生ずる子に勝りて◦善の實（み）の味ひある事をば◦時節を經（へ）ずして試み知るべし。又惡きこんしゑんしやを以て身の樂みを極むるよりも◦よきこんしゑんしやを以て辛勞を凌ぐは◦猶眞の甘味となる悅びのほどを◦試み知るべしと宣ふ也。故によきこんしゑんしやの悅び◦如何（いか）計（ばかり）深きぞといふ事を辨（わきま）へよ。喩（たとへ）ば蜜は生得甘きものなるが故に◦苦き物をも甘くなすごとく◦よきこんしゑんしやの悅びは◦現在の辛苦を甘くして悅びと變（へん）ずる者也。又惡は生得無道にして不淨なる物なれば◦惡人の苦しみとなるごとく◦善の美しく淸きを以ては◦善人の悅びとなる者也。是を指（さし）てさるも百十八に　Im via testimoniorum tuorum delectatus sum, sicut in omnibus divitijs. Psal. 118　御（おん）主（あるじ）の御掟は◦眞實まさに廉直也。金玉よりも價（あたひ）高く蜜よりも尙（なほ）甘しと。是御（ご）掟（おきて）を保つをもて悅（よろこ）びを得（う）と知らせ給はんが爲に◦如何に御主◦御（ご）掟（おきて）の道は世界にあるほどの實に等（ひとし）く◦われ悅（よろこ）ぶと宣（のたま）ふ也。*ぱろへたの御子さらもんも是を述べ給ひて　Gaudium jusuto est facere judicium. Prov. 21　善事を爲す事は◦則（すなはち）善人の悅び也と。去（され）ば此悅びの由來多しといへども◦分て善の美しく堆（うづたか）きよりをこる物なれば◦更に凡慮の及ばざる儀也。是を指て*さんと◦あんぼろじよ◦今生にて善人の果報はよきこんしゑんしやに極（きはま）るなりと宣へり。是則◦我等は一命を無事に榮ふるほど◦善の美しさと光を持（もつ）者也

去（され）ばぜんちよの學者さへ◦惡（あし）きこんしゑんしやに苦しみある事を辨（わきま）へ◦よきこんしゑんしやには悅びありといふ事を知るが故に◦つうりよの云（いは）く◦よく生涯の隙を貴き勤めに使ふ人は大なる悅を得る也。それを行ひすますにをひては◦辛勞の重荷を覺へず◦却（かへつ）て輕くなすといへり。*せねかの云（いは）く◦知者は常に悅ぶ者也。是よきこんしゑんしやの水上より出（いづ）る也と。右ぜんちよの學匠は◦後生の德を樂まずといへども◦よきこんしゑんしやの悅びある事をば大に讃めあげけるに◦況や◦現當二世ともに大なる吉事と御返報を定めおき給ふ◦天の快樂を辨（わきま）へ奉るきりしたん◦爭（いかで）か是を益々樂まざらんや。又爰（こゝ）に勘辨すべき事あり。縱（たとひ）よきこんしゑんしやの證據（しようこ）ありといふ共◦貴き恐れを兼（かね）ずんば有べからず。此貴き恐れあるを以て◦正路（しやうろ）なる賴母しきを得るが故に◦弱き心を强（つよ）らして◦信力も堅固になる者也。此恐れなきあにまは◦眞の道を失ひ◦僞りたる無事高慢の基（もとゐ）となる也。故に◦善人達の樂み給ふよきこんしゑんしやの證據（しようこ）といふは◦善より出（いづ）る德儀の內の一ツなりと勘辨せよ。是をさして*さん◦ぱうろ　Nam gloria nostra haec est, testimonium conscientiae nostrae. 2. Corint. 1　我等が樂しみといふは◦よきこんしゑんしやの證據（しようこ）なりと宣へり。此心は正直にして潔（いさぎ）よく◦わが智惠を本とせず。行跡（かうせき）を正しくするにありと宣ふ儀也

然（しかる）に此內心の悅びの大なる事は◦昔今の善人達の上に多く見へたり。如何程の難儀◦如何程の辛勞をか凌ぎ給ひ◦苦痛逼迫の中（うち）に在ませども◦其善心に立歸り給へば◦明らかなるこんしゑんしやの無事を見付◦忽ち悅びを懷き給ひ◦信力堅固の心を發（おこ）し給ふ者也。其故は只此一儀あるにをひては◦余は皆さもあらばあれ◦世界の損得ともに益なしと辨（わきま）へ給ふ故也。右こんしゑんしやの證據（しようこ）明かなる事は◦現在にをひて知る事難しといへども◦曙日に先立て輝く時は四方朗になる如く◦こんしゑんしやの明（あきら）かなる光を以てあにまを照（てら）し◦現在より其悅びを生ずる者也。*さん◦きりぞすとも是を述（のべ）給ひて◦よきこんしゑんしやは何たる悲み來るといふとも◦深き淵に落（おつ）るほのこの如く◦やがて消（きゆ）ると宣ふ也

脚注

巻末附録「第三　欧語抄」より

○あぐすちによ〔さんと〕　Agostinho　人名

○あにま　Anima　「たましひ」　霊魂

○あんじよ　Anjo　「天人」　天神

○あんぼろじよ　Ambrosio, S.　人名

○いざいやす　Isaias　人名

○ゑけれじや　Ecclesia　教会

○ゑけれじやすちこ　Eclesiástico　集会書

○ゑぴてと　Epitetto, Epictetus　人名

○おんたあで　Vontade　「憎み愛するに傾く（あにまの）精」

○がらさ　graça　聖寵

○きりしたん　Christão　基督教人

○きりぞうすとも〔さん〕　Chrysostomo, S.　人名

○げれごうりよ　ぱつぱ〔さん〕　Gregorio Papa S.

○こんしゑんしや　Consciência　良心

○さらもん　Salomon　人名

○さるも　Salmo　聖詩

○じどろ〔さん〕　Jsidoro, S.　人名

○じよぶ　Job, S.　人名

○じゆいぞ　Juizo　「御糺明」審判

○すぴりつさんち、すぴりつさんと　Spiritus Sanctus, Espiritu Santo, Espirito Santo　聖神

○せねか　Seneca　人名

○ぜねじす　Genesis　創世記

○ぜんちよ　Gentio　異教徒

○つうりよ　Cicero　つうりよ

○とます　Thomas, S.　人名

○ぱうろ　Paolo, S.　

○ぱらいぞ　Paraiso　天国

○ぱらいぞ　てれある　Paraiso Terral　「でうすあだんをおき給ひし悦び充満のところ」　地上楽園

○ぽろへた〔ぽろへいた〕　Propheta　豫言者

○ひいです　Fides　「でうすの御教をまことに信じ奉る善」

○ぽろへるびよ　Proverbio　箴言

巻末附録「第四　聖書引用文句索引」より

155頁　11行以下　百　15章以下

156頁　3行以下　百　15章22節

157頁　1行以下　箴　28章1節

157頁　12行以下　百　9章4節

160頁　9行以下　賽　66章24節

162頁　9行以下　詩18章10,11節（19章9,10節）。拉丁文は次に入るべきなり

162頁　12行以下　詩118章14節（119章14節）

163頁　1行以下　箴21章15節

164頁　9行以下　哥後1章12節

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