凡例


一 本書は序說、本文及び附錄の三部より成る。序說と附錄とは槪ね編者の起稿した所、本文は成書よりの抄錄で、半ばゝ羅馬字綴の原文を書改めたもの、半ばゝほゞそのまゝの筆寫である。

二 本文諸編の表題は、假に簡略に從つたので、その原文はそれの解說とともに、序說に記した。

三 本文は、邦字本を本文とするものは、宛字、略字、讀癖、送假字、符號等、勉めて原形を保存した。羅馬字本は、邦字本殊にぎやどぺかどるの書式に成可くならつて書改めた。句讀點は邦字本原本にないが、便宜の爲之を附し、その式は信長記によつた。振假字も同樣にないが、讀癖を見るべきものは、字集によつて之を附した。但し必ずしも字音假字遣いによらない。