• [昭和天皇:人間宣言]
  • [デンツィンガー・シェーンメッツァー資料集] それの資料集のNo._3352番。
  • 校本『どちりなきりしたん』小島幸枝-編、版権所有有。一応メモ留め通しに。自分で容易に読めるように漢字替えしたものです、それで全くは小島さんの編集版権がある本文と同じでは無い。現わしただけである。ここから試訳口語言葉替えする。赦され無かったら撤去も已む無し。

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1.どちりいなDOCTRINAじょ
2.御主をんあるじゼズ・キリストの御在世ございせのあいだ御弟子達みでしたち宣玉のたまをし
3.置玉をきたまこと中(内)なか取分とりはき汝等なんだちをしたまこと汝等なんだち
4.にをしへけるごと一切人間いっさいにんげん後生ごしょうたすかるまことみち
5.みちまことをきてをひろめよとの御事也をんことなりこれまたすなわち学者がくしゃ
6.たちをけのたまごとみっつのきはまるなり
7.ひとつにはしんたてまつるべきことふたつにはたのもしくぞん
8.たてまつるべきことみっつにはつとおこのうべき身持みもちをもっつと

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1.べきことこれなりしかるしんたてまつるべき題目事だいもくことふは人智じんち
2.をよ道理だうりうへなるなれば、+信仰Fidesふのぜんにあたる者也ものなり
3.是人間これにんげん分別ふんべつおよばぬ事也ことなり是等これらことらずばわきま
4.ずんば後生ごしゃうみちまよ事夥多ことおおかるべし。叉頼またたのもしくおも
5.こととは一般希望Efperanc,aふのぜんたる事也ことなり是即これすなわちキリシタン
6.に天主Deusより御約束をんやくそくってキリシタンにあたたまふべき後生ごしょうあた
7.ほど使徒しと御約束をんやくそく事也此ことなりこの一般希望Efperanc,aなくば是等これら
8.らずんば、難儀なんぎあうべき時頼ときたの所無ところなしとおもひてちから

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1.とすこころうしなふこともあるべし。是叉これまたAnimaおおきなるさはなり
2.さてつとをこなふ身持みもちをってつとむべきこととは+御大切愛Charidade
3.と大切たいせつぜんあた事也ことなり是等これら儀事ぎこと心得こころえざれば、
4.天主デウス御掟をんおきてを度々たびゝゞそむこと度々たびゝゞあるべし、是故これゆえ
5.それによって此三このみっつのぜんはにあたことはキリシタンのためもっぱ
6.なるなればなりかかるがゆえ学者がくしゃられしたる善人達ぜんにんたち
7.是等これらつい夥多あまたきゃう書置玉かきおきたま者也ものなり今其いまそ
8.のうちよりに肝要かんようなるところ選取えらびとりてはんひらりばめ

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1.まよひをらすかがみ者也ものなりしかればキリシタンに後生ごしょうもっぱ
2.らなること後生ごしょうためもっぱらなることをキリシタンにをしへんため
3.+会衆Compa/nhia上位者Superiorめいけてつかさより此小経このしょうきょう編立あみた
4.ちいさききょうそなたま者也ものなり名付なづけて+ドチリナキリシタンDoctrina Chrift^u(n)う。
5.是即これすなはちキリシタンのをしへと心也こころなり上下じょうげ万民ばんみん
6.容易たやす此旨このむねしらしめんがため言葉ことばぞくみみちかく、
7.天主Deusたかことはりをあらはす天命てんめいのそこをきはむる者也ものなり
8.此是これによってことはりをすみやかに分別わきまへんがため師弟子Xi.de.問答もんだう

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1.としてしめしてつらぬる者也ものなりこれされば+ドチリイナは一切いっさいのキリシタン
2.の知恵ちゑまなこあきらむるををしため安心あんじん決兆けっちょう一道いちどうなればたれ[し]も
3.ならわきまへって、これ分別わきまへんこと専要也せんようなりしかるにひては、
4.まよひのやみのがまことみちひかりもとづくべし。

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目録もくろく
  • 第一、キリシタンとふは何事なにごとぞといふこと
  • 第二、キリシタンのしるしとなるたっとクルスCruzこと
  • 第三、我等の父よPATER NOSER祈り(オラショ)ORATIO主祷文しゅとうぶんこと
  • 第四、祝されしマリヤAve Mariaこと
たっと処女マリヤVirgen Mariaのロザイロとて百五十ぺん祈りオラショこと
御喜をんよろこびの観念くはんねん五箇条ごかでうこと
かなしみの観念くはんねん五箇条ごかでうこと
栄光GLORIA観念くはんねん五箇条ごかでうこと
転葉ころはのおらしょのこと
  • 第五、救助の女王Salve Reginaこと
  • 第六、信経CREDOならびに信仰告白Fides Artigoこと
  • 第七、天主DEUS御掟をんをきとう誡めMADAMENTOSこと
  • 第八、たっと御母をんはは聖会衆SANCTA ECCLESIA御掟ごおきてのこと
  • 第九、ななつ致命的罪科モルタルとがこと
  • 第十、聖会衆SANCTA ECCLESIAななつサカラメントSACRAMENTOこと
  • 第十一、此外このほかキリシタンにあた肝要かんよう条々でうゞゝ
慈悲じひ所作(業)しょさ
SPIRITVにあたるななつこと
神学上THEOLOGALES有徳VIRTVdesと云うみつぜんあり
枢要徳CARDINALES有徳VIRTVdesと云うよつぜんあり
聖霊SPIRITV SANCTO賜物donesとて御与をんあたへはななつあり
聖福八端BENAVENTVRANCAVA YATCV ARI
あやまりの祈り(オラショ)ORATIO
FINIS(以上)
食前XOCVIEN祈りORATIO
食後XOCVGONO祈りORATIO 
Amen,FINIS(あめん、以上)

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DAIICHI oooo DOCtrina.どちりいな

1.第一、キリシタンと云ふは何事なにごとぞといふこと
2.師匠XIXIO キリシタンにものはそのをし真実しんじつ肝要かんようなるむね聴聞ちゃうもん
3.する事専こともっぱらなればそのはれを汝能なんぢよくやいな
4.の御掟をんおきては真実しんじつ御教をんをしへなれば、キリシタンにものはその
5.はれを聴聞ちょうもんする事肝要也ことかんようなりその御掟ごおきてのことききれける
6.や。
7.弟子Dexi. 御説法ごせっぽう趣向(赴)おもむきの+公教要理Catechifmo聴聞ちょうもんして、天主Deusをん
8.ひかりかふむりキリシタンにたてまつるなる者也ものなり

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1.Xi. そのわきま分別ふんべつせられけること如何いかん?
2.De. 分別ふんべつせしこと夥多おほきなり
3.Xi. そのむねことゞゝはるゝにおよばずたゞその御分別ごふんべつ
4.ほどるために第一だいいち肝要かんよう題目だいもくもうされよ。
5.De. ひとつには一物いちもつところより種無たねなくして天地万象てんちばんしょう
6.創造つくりあらせたまひふよろずさくもの思召おぼしめすまゝに御進退ごしんだい
7.さるゝその御作為ごさくなされては諸善しょぜん万徳まんどく御源をんみなもはかりなき
8.御知恵をんちゑ万事ばんじかなたま御自由ごじゆう自在じざい御主をんあるじ御作者ごさくしゃ天主Deus御一体ごいったい

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1.のみにしてします事也ことなりふたつには是即これすなは我等われら現世後生げんせごしょう
2.ともはからい善悪ぜんあく御返報ごへんぽうたゞしくあたたま御主也をんあるじなり
3.此御一体このごいったいをがたっとたてまらずしては後生ごせう御扶をたすけに
4.あづか事更ことさらみっつには御主をんあるじ天主DeusPadreFilho
5.と聖霊Spiritu Sanctoもうたてまつりて個体Perfona(英語:Person)はみっつにてましませども
6.実体Subftantiaもう御正体ごしょうたいたゞ御一体ごいったいにてましますなりよっつには、
7.天主DeusFilho一切人間いっさいにんげんとがおくたまひ(ローマ5:15-1711:32後生ごしょうたすかみち
8.をしたまはんため天下あまくだたま人間性Humanidadeとて我等われらひとしき

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1.+魂Anima色身しきしん御身をんみはせたまひ、夫婦ふうふまじはたっと
2.き処女VirgenマリヤよりまことひとうまたまつゐクルスCruzかけられ、
3.ひとにてします御所をところたまこといつつには叉此またこれ後生ごしょうみち
4.キリシタンのをしへにのみ御掟をおきてにのみにきはまるなりそれによりてキリシタン
5.にらずんば後生ごしゃうたすかることあるべからずと分別致ふんべついたこと
6.是也これなり
7.Xi. 人間にんげんことをばなに分別ふんべつせられけるぞ?
8.De. 人間にんげん色身計しきしんばかりにあらず、はつ事無ことなアニマ

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1.なりこの+Anima色身しきしん生命いのちあたたと色身しきしんつち
2.はいるとふともこの+Animaはる事無ことなたゞ善悪ぜんあく
3.にしたがって後生ごしょう苦楽くらくあづかるものなり
4.Xi. 分別ふんべつせられたり、+公教要理Catechifmoはじめ談義だんぎことはりより
5.ほかにもキリシタンのらずしてかなはざる事夥多ことおほなり
6.De. そのたまはざればこそ御教化ごけうかあづかりたきとぞんずるなれ。
7.Xi. 是我等これわれらねご所也ところなりづキリシタンにらるゝこと
8.如何いかなるひと仕業しはざとかれるや?

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1.De. 天主Deus恩寵Grac,aってキリシタンに者也ものなり
2.Xi. 天主Deus恩寵Grac,aってとは何事なにごとぞや?
3.De. その儀未ぎいま詳細(具体)つぶさならず、それをこまかに分別ふんべつせずねがはくは
4.をしたまへかし。
5.Xi. 天主Deus恩寵Grac,aってとは我身わがみ父母ちゝはゝ御作ごさくのものゝ
6.ちからあらたゞ天主Deus+御善Bondade御慈悲をんじひうへよりと叉御またをん
7.あるじゼズ・キリストの御功力ごくりきってキリシタンに事也ことなり
8.De. 人々ひとゞゝキリシタンにらるゝときなにたるくらいけらるゝぞ。

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1.Xi. +至善Benc,an天主Deus御養子ごやうしてん御譲をんゆづりをたてまつ
2.なる者也ものなり、そのゆへバウチズモ+Baptifmo御授をんさづけをさづかる
3.人々ひとゞゝこのくらゐ上玉あげたまはんと思召おぼしめすによってなり
4.De. さてキリシタンにあらざるひと如何いかん?
5.Xi. +バウチズモBaptifmoさづからざるによって御養子ごようしたまはずてん
6.御譲をんゆづりを間敷まじたま者也ものなり
7.De. キリシタンとは何事なにごとぞや?
8.Xi. 御主をんあるじゼズ・キリストの御教をおしへを心中しんちゅうより信仰フィデスくる

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1.のみならず言葉ことば身持みもちをってあらはす人也ひとなり
2.De. なにゆえにか御主をんあるじゼズ・キリストの御教をんをしへを信仰フィデスけ、
3.言葉ことば身持みもちをってあらはすひととはふべきはれけるぞや?
4.Xi. 諸々もろゝゝのキリシタン御主をんあるじ+ゼズ・キリストのたっと御事をんこと
5.こゝろより心中しんじゅう信仰Fidesけずしてかなはぬのみならず肝要かんようとき
6.するとふとも、言葉ことばにも、身持みもちにもあらはすべきとの覚悟かくごある
7.事専こともっぱなり
8.De. キリシタンとふはなにかたどりたるぞや?

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1.Xi. +キリストをかたどたてまつりたる名也ななり
2.キリストとは如何いかなる御主をんあるじにてしますぞや?
3.Xi. まこと天主Deusまことひとにてしますなり
4.De. まこと天主Deusにてしますとは何事なにごとぞや?
5.Xi. 万事叶ばんじかなたま御親をんおや天主Deusまこと御独子をんひとりご
6.にてしませばますなり
7.De. まことひとにてしますとは如何いかん
8.Xi. たっと御母をんはゝ処女VirgenDominaSanctaマリヤMariaまこと御独子をんひとりご

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1.にてしますなりそれによって天主Deusにてします御所をんところ
2.をひて御母をんはゝたまはぬごとひとにてします御所をんところ
3.いては御父をんちゝたまはぬなり
4.De. なにゝよってかキリストとはとなたてまつるぞ?
5.Xi. キリストとはたっと+油Oleoられたまふと心也こゝろなり
6.その[:父なる]かみ[:יהוהヱホバ?によって(コリント第一15:27,8)]帝王ていわう祭司Sacerdote預言者Propheta此三このみさまの人貴ひとたっとき[:聖霊の]あぶら
7.Oleoられたまひしなり御主をんあるじゼズ・キリストひとにて御座まします
8.御所をんところ帝王ていわうなか帝王ていわう祭司Sacerdoteなか大祭司Sacerdote

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1.預言者Prophetaなか預言者Prophetaにてしますによってcuda^nたっと
2.Oleoはりに聖霊Spiritu fancto恩寵Garac,a満々みちゝゝ
3.たまふがゆへによってベアト油注がれた者Chriftoとなたてまつなり

DAINI CHRISTAN NO XIRVXI TONARV TATTOQI CRVZ NOCOTO.

4.第二、キリシタンのしるしとなるたっとクルスCruzこと
5.Xi. いずれのキリシタンも我等われらひかりなる御主をんあるじゼズ・キリストの
6.たっと御クルスをんCruzたいたてまつりてこころおよほど信心しんじん
7.つべき事専こともっぱなり其故そのゆへは我等われら罪科とがよりのがたまはん
8.ためクルスCruzかゝりたく[:全く自発的に、父なる神の命令でも無くっても本当はある(命だ!)けれども]思召おぼしめたま者也ものなりそれによって我等われら

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1.がうへクルスCruzしるしつねとなへること肝要也かんようなりクルスCruz
2.もん三所みつところとなへるなりひとつひたいふたつにはくち
3.みっつには、胸也むねなり
4.De. キリシタンのしるしとは何事なにごとぞや?
5.Xi. うへいしごとたっとをんクルスCruzなり
6.其故そのゆ如何いかん
7.Xi. 我等われら御主をんあるじゼズ・キリストはクルスCruzうへにて我等われら自由じゆう解脱げだつ
8.したまへばふによってなりかゝるがゆへいづれのキリシタンも我等われらひかり

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1.と御主をんあるじゼズ・キリストのたっとクルスCruzたいたてまつりてこころ
2.およ程信心ほどしんゞゝつべき事専こともっぱなり我等われら[罪]科とがよりのが
3.たまはんためクルスCruzかかりたく思召おぼしめたまへばなり
4.De. 自由じゆうたま解脱げだつとは何事なにごとぞや?
5.Xi. 堕天使てんぐとらはれびとりたる我等われら普代ふだい(奴隷で罪に仕えている所の)のところのがたまうに
6.よってなり。ooooooo
7.De. なにたるひと自由じゆうるぞ?
8.Xi. とらはれ人既びとすで奴隷やっこりたるもの自由じゆう

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1.なり
2.さては我等われらとらはれびとりたるか?
3.Xi. 中々なかゝゝとらはれたる奴隷やっこなり
4.De. とらはれびとりたるはれは如何いかん?なにたるもの奴隷やっこりた
5.るや?
6.Xi. 堕天使てんぐ我等われら罪科とが奴隷也やっこなり御主をんあるじ御言葉みことばに:
7.罪科とがをかもの堕天使てんまエフェゾ、6:12)の奴隷也やっこなりヨハネ伝8:34)と宣玉のたまなり
8.れば故如何ゆへいかんればひと致命的罪科mortalとがをかせば堕天使即てんぐすなはち

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1.其者そのもの進退しんだいローマ6:16-20)するがゆへ奴隷やっこりたる者也ものなり
2.しかれば、クルスCrusかゝたまみちってさだたまバウチズモBaptifmo
3.さづけをけるかまた告解白ConfessioサカラメントSacramentoをなりとも
4.たてまつれば其者そのもの御主をんあるじゼズ・キリストのあたたま恩寵Grac,aって
5.其人そのひと諸々もろゝゝ罪科とがゆるのがはなたまふによってその
6.クルスCruz御功力ごくりきって御主をんあるじゼズ・キリストは堕天使てんま奴隷やっこ
7.たるところかへたまふとまをなりればひと奴隷やっこ
8.たるものかへして解脱げだつ自由じゆうことまことふか

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1.柔恩也ぢうおんなり叉奴隷またやっこしたるひとつらさをふかおも
2.にいては今請いまうかへされたるところ音読をんどく分別わきまふべきもの
3.なり奴隷成やっこなりしとき主人情しゅじんなさけなくりたる程請ほどうかへされ
4.たるをんふかきものなりしかるに我等われら御主をんあるじゼズ・キリストの
5.恩寵Grac,aって堕天使てんぐより罪科人とがにん恩寵Grac,aって取返とりかへたまひて
6.自由じゆうたま御恩ごおんこと幾何いかばかりのことおもふや
7.ならんや?
8.キリシタンはクルスCruzもん幾様いくさまとなふるぞや?

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1.Xi. 二様ふたさまとなふるなりひとつにはみぎ大指おほゆびにてクルスCruz
2.もんひたひくちむねとなゆるなり+破Perfinalれとふ、ふたつ
3.には+好意Benzerなり
4.De. +破壊Perfinalとは、何事なにごとぞや?
5.Xi. みぎ大指おほゆびにてクルスCruzもんひたひと、くちと、むね
6.となゆるなり
7.De. 其三そのみっつもんとなゆるときなにたることもうあぐるぞ?
8.Xi. 『ヘルPer シイヌンfignum サンテfanctae クルシスCrucis デ イニミシスde iminicis ナフチリスnoftris リヘラ ナフスlibera nos

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1.デウス ナフステルDeus nofter 』この言葉ことばこゝろは:「我等われらが(の)天主Deusサンクタ クルスSancta Cruz
2.の御徴をんしるしって我等われらてきを[:より]破逃やぶれのがたまへ」ととなふるなり
3.と心也こころなり我等われらが(の)天主Deusサンタ クルスfancta Curuz御徴をんしるしってとふ、+ヘルPer
4.シイヌン サンテfignum sanctae クルシスCrucis一句いっくとなへて、ひたひクルスCruzむすなり
5.『我等われらてきを』と+デ イニミシズ ナフスチリスDe iminicis noftris一句いっくってにはくち
6.クルスCruzとなふるなりのがたまへともうす、リヘラ ナフスLibera nos デウス ナフズテルDeus nofter の
7.一句いっくってにはむねクルスCruzとなふるなり
8.ひたひと、くちと、むねと、この三所みつところクルスCruzとなふこと

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1.なにたる子細しさいぞや?
2.Xi. ひたひとなゆること天主Deusより妄念まうねんのぞきけたまはんため
3.なりくちとなゆること悪口あっこう妄語まうごくちよりのがたまはん
4.為也ためなりまたむねとなゆることこゝろよりいづしき所作(行為)しょさ
5.のがたまはんためなり堕天使てんまクルスCruz程怖ほどおそたてまつこと
6.ければ我等われらうへクルスCruzしるしつねとなゆる事肝要ことかんよう
7.なり。しそのゆへ堕天使てんま霊者Spirituなれば、如何いかなるつるぎもとてもおそるゝ
8.事無ことなし:刀剣たうけん矛盾むじゅんかれちゆる道無みちなし。しかどもをん

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1.あるじゼズ・キリストクルスCruzうへにてたまふをって堕天使てんぐ彼等かれらをば
2.からたまひ、ひと自由じゆうたまへば、かれちかづかんとする
3.ものよりほかあたことかなはぬやうにたまふがゆへに、
4.によって、おほきにクルスCruzをそたてまつるものなり
5.De. 堕天使てんぐからたまふにいてはなにとて彼程人かほどひとあたをば
6.けるぞや?
7.X たとへをってこれへばつながれたるとらおほかみ彼等かれら
8.そばものにのみくらくがごとく、御主をんあるじゼズ・キリストは

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1.クルスCruzうへひて堕落天使てんぐからたまふとへども、をひてよりのちは、
2.罪科とがってかれ堕天使てんぐそばものにのみあたなり
3.いづれの致命的mortal罪科とがをなりともをかとき堕天使てんぐそば立寄たちより、
4.とがてんとするとき堕天使てんぐそばより退しりぞ也此等なりこれら
5.事皆ことみなクルスCruzうへにてたま御主をんあるじゼズ・キリストの御功力ごくりき
6.って出来いできたると堕天使てんぐりたるによっておほきにクルスCruzおそるゝ
7.なりサン・ゼラウニモS.Hieronymo宣玉のたまごといはいぬうたれたるつえ
8.をそれてぐるごとなりサン・ゲレガウリヨS.GregoriuあるジュデヨIudeoniつゐ

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1.宣玉のたまふは:かれ信仰FidesをもたずクルスCruzをももちゐず、かへってかろ
2.しむるといがしろにするとへども或時あるとき夥多あまた堕天使てんぐむらがりたる
3.ところり、-おほきにをそあたされじがためかねてより
4.うへクルスCruzもんとなへければ堕天使悉てんぐたちま逃去にげさっていは
5.信仰FidesもたざるむなしきうつけものなりへどもクルスCruzもん
6.となふるがゆへに、あた事叶ことかなはずとへりすなはちあたさんと
7.すれどもついかなはざりしとなりしかれば信仰Fidesたいせざるものさへ
8.クルスCruzもんとなふるをって堕天使てんぐ追払をひはらにがしけるに、

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1.キリシタンのうへとなたてまつらば如何いかゞあるべきぞや?
2.D. ひとつさまのクルスCruzPerfinalりたるととなへは分別ふんべつ聴聞ちょうもんせり。
3.今一いまひとつ+好意Benzerとなへやうををしたまへ。
4.X. 今一いまひとつにはみぎってひたひより胸迄むねまでひだり
5.かたよりみぎ肩迄かたまでクルスCruzもんとなふるなりとなふる
6.言葉ことばにはくちにてとなゆるぶん+イン ナウミネ パアチリスIn nomine Patrisヱツ フィリイEt Filijヱト スピリツEt Spiritus サンチ、アメンSancti Amen此心このこころ天主Deusパアテレ フィリヨ、スピリツPadre Filho, Spiritu
8.サンチSancti御名みなってともう意也こゝろなり+イン ナウミネ パアチリスIn nomine Patris

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1.となゆるときひたひし、+ヱツ フィリイEt Filhijもうときは、むね
2.+ヱツ スピリツEt SpirituもうときひだりかたサンチSanctiもうときみぎ
3.かたなり
  • 一応写真制版のどちりなきりしたんがあるのですが、どうも江戸時代の筆記で、解らないところがありますが、A.D.1600年丁度の写真製版があるのでそちらを見ながら小島版のを参照して、第三章のパアテルノーステルをここに忘れ止めの為に文語で書き、口語訳をウィキソースに出したいと思います。慶長五年長崎版、ローマ・カサナンテ図書館蔵です。106.130.55.71 2020年5月17日 (日) 10:37 (UTC)