シリヤの聖イサアク全書/第八説教

第8説教

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<< 衰弱すいじゃくして怠慢たいまんなる人々ひとびとよりおのれまもりてせいすべきことかれしたしむにより怠慢たいまん衰弱すいじゃくひとしゅとなりて種々しゅじゅなるけつよくたさるゝこと放蕩ほうとうなるねんもつこころけがされざらんがため少年しょうねんちかづくよりおのれまもるべきこと。 >>


そのくちひとするをきんずるものはそのこころ慾念よくねんよりまもらん。しかしてこころ慾念よくねんよりまももの時々じじしゅん。つねかみねんずるものは、魔鬼まき遂出おいいだし、うらみしゅたん。その霊魂れいこん時々じじかんするものこころもくたのしまん。そのかくまとめておのれない集中しゅうちゅうするもの自己じこおい霊的れいてき天映てんえいん。そののすべて高超こうちょうにくものはそのこころないおいおのれ主宰しゅさいん。もし清潔せいけつあいし、これりて萬物ばんぶつ主宰しゅさいるをば、何人なんびとをもするなかれ、その兄弟けいていするものくなかれ。もしひとなんぢまえおい争論そうろんするあらば、みみふさげ、かつ其処そこよりけよ、いかものことばかざらんためなり、かつなんぢ霊魂れいこん生命せいめいうばはれてせざらんためなり。げきやすこころかみおうれず、しかれども温柔おんじゅうにして謙遜けんそんなるものしんかいおういづみなり。

よ、清潔せいけつなるをば、なんぢないてんありて、てん使とそのひかりとを自己じこおいるべく、かれともに、かれによりて、てん使主宰しゅさいをもん。当然とうぜん称賛しょうさんするものがいけざらん。さりながらもし称賛しょうさんかれためたのしくんば、かれ報酬ほうしゅうようせざるこうしゃなり。謙遜けんそんなるものたからはそのないにあり、しゅなり。そのした畢生ひっせいかたあもものは、ぬすられざらん。沈黙ちんもくするくちかみおう解釈かいしゃくすれども、ことばたくみなるものはその造成ぞうせいしゃよりとほざかる。善良ぜんりょうなるものたましい太陽たいようよりもひかり、神聖しんせいなるもく現象げんしょうたのしまん。かみあいするものしたがものかみおうもつまされん、しかれども不義ふぎにしておごものしたがものかみよりとほざかり、そのともきらはれん。したもくするものは、すべてのがい謙遜けんそんなる秩序ちつじょけ、ようよくせいせん。だんおもいかみひそむるによりよく剿滅しょうめつせられて、敗走はいそうせん。よくころすのつるぎなり。有形ゆうけいなるうみ寂然せきぜんとしてしづかなるとき海豚いるかおどりて、ゆうするごとく、心中しんちゅううみ憤激ふんげき忿ふんじょう寂然せきぜん鎮静ちんせいして如何いかなるときにもこころかいなるときは、おう神聖しんせいなるもくとはそのなかおどらん。おのれないしゅんをねがものだんかみおくするをもつて、そのこころきよむるに尽力じんりょくす、かくのごとくなればそのりょく清明せいめいなるにより、かれ時々じじしゅん。みづよりいづうおところのものはかみおもおくだっして世事せじおくただよりょくにもこれあらん。人々ひとびと会談かいだんするにとほざかればとほざかるほどひとじつりょくもつかみだんするをたまはるべく、このなぐさめおのれよりとほざかるほど聖神せいしんによりかみよろこびたまはらん。うおみづとぼしきによりほろぶるごとく、かみによりておこさい活動かつどう人々ひとびと数々しばしば交際こうさいしてときおく修道しゅうどうこころ消失しょうしつせん。

生活せいかつじょうためくるしこう俗人ぞくじつは、俗人ぞくじんともときおくこうなる修道しゅうどうよりまされり。ゆるがごとくなる熱心ねっしんもつひるよるこころかみたづてきによりておこ攻撃こうげきものは、魔鬼まきため寒心かんしんせらるべく、かみとその使つかいおほいのぞまれん。たましいきよものにはそのないそうさかいありて、彼処かしこ太陽たいようすなはちハリストスなり、ひかりよりのひかりちちよりのひかりなり。かくのごとものはそのこころ現象げんしょうまいたのしみて、じつ太陽たいようひかりよりも百倍ひゃくばいひかかがやれいおどろかん、これぞわれないかくるゝイエルサリムにして、かつかみくになることは、しゅたまひしごとし〔ルカ十七の二十一〕。このきょうこれすなはちかみ光栄こうえいくもにして、ただこころきよものこれりて主宰しゅさいかんばせるべく、主宰しゅさいひかり光線こうせんもつてそのかがやかさん。

これはんしてげきするものいかものこのもの貪慾どんよくなるもの貪食どんしょくするもの俗人ぞくじんまじわもの我意がいげんとほっするものいかやすくしてよくたさるゝものすべてかくのごとものかんたたかもの同様どうよう混乱こんらんうちく、生命いのちひかり境域きょういきほかりて、暗黒あんこく辿たどらん。けだし此域このいき善良ぜんりょう謙遜けんそんにしてそのこころきよめたるもの領分りょうぶんなり。ひとがいにある如何いかなるをもきらふて、これしゅうせざるあいだは、げてただちかみむかあたはざるべし。おのれいやしめて抑損よくそんするものしゅえいさん。これはんしておのれえいなりとおもものかみえいよりはなる。したげんよりせいするほどは、さいてらされて、ねん弁別べんべつせん。されどもっともりょあるさいげんためみだされん。

ぞくするものまづしきものは、かみおいまん。されど富者ふしゃともかみおいまづしかるべし。貞潔ていけつ謙遜けんそんにしてことばほしいままにするをきらひ、忿ふんこころよりものこれしょうす〉とうつやただちにその霊中れいちゅう聖神せいしんひかりるべく、そのひかりもつてらかがや光線こうせんうちおどるべく、光栄こうせん現象げんしょうとそのへんとをたのしみ、これもつ自己じこするにいたらん。かみおけ現象げんしょうはたらきごと汚鬼おきぐんしりぞくべきものは、これあらざるなり。

しんあり、かたることつぎごとし、いはく『一日いちにちしたりしに、しん現象げんしょうためとらへられたり。しかしておのれにかえるや、いた嘆声たんせいはっせり。されどわれ対立たいりつする魔鬼まきこれくやでんまるゝものごとおそれ、何物なにものにかはるゝものごとく、切迫せっぱくあまさけんで遁走とんそうせり。』

生涯しょうがいよりることをわすれずして、このたのしみ恋々れんれんたるをみづから抑制よくせいするものさいわいなり、なんとなれば幾回いくたびぞうせられたる尊崇そんそう自己じこときけて、その尊崇そんそうかれため減少げんしょうせざればなり。かれかみによりてうまれて、聖神せいしんかれ養育よういくしゃたり、かれしんふところより生命せいめいあるしょくすすり、その馨香けいこうぎて、みづからたのしまん。しかれどもぞくするものと、と、その安息あんそくとにつながれ、だんするをあいするもの生命せいめいうばはるべし。かれのことについてはいつふべきところなし、ただなぐさむべからざるかなしみもつ涕泣ていきゅう号哭ごうこくして、聴者ちょうしゃこころいたましむるあらんのみ。

暗黒あんこくものこうべげよ、なんぢ出迎いでむかへ、その奥密おうみつ役者えきしゃなんぢくさりくをめいぜん、なんぢそのひかり追随ついずいしてちち進行しんこうせんためなり。かなしいかなわれなにもつしばられ、何物なにものわれかれさかえるをさまたぐるか。ああわれくさり切断せつだんせられ、たづねてわれかみるをさいわいなり。人間にんげん秘密ひみつらんとほっし、精神せいしんもつこれ洞察どうさつするまでにはいたたっせずとも、もしなんぢけんならば、各人かくじんげんと、生活せいかつ状態じょうたいと、そのきょとによりこれしんせん。たましいきよくして生活せいかつ状態じょうたいてんなるものは、つね貞潔ていけつもつしんことばはっすべく、そのかいおうじて、神聖しんせいなることをも自己じこぞくすることをも判断はんだんせん。しかれどもよくこころいためられたるものしたこれうごかさるゝなり。もしかれ霊神れいしんじょうことはんとほっするならば、不義ふぎにしてかちめんがために、よく影響えいきょうにより判断はんだんせん。賢者けんしゃはかくのごときものをその初回しょかいときみとめ、潔者けつしゃかれ悪臭あくしゅうがん。

れいたいとがつね空談くうだんふけさい高超こうちょうにんずるもの淫者いんしゃなり、かれあいしてことともにするもの姦通かんつうしゃなり。しかしてかれともまじわもの偶像ぐうぞう崇拝そうはいしゃなり。少年しょうねんなれちかづくは淫行いんこうなり、かみこれしゅうとす。かくのごとひとやわらぐるにくすりなし、これはんして同情どうじょうにより衆人しゅうじんひとしあいして、べつてざるものは、完全かんぜんたっせん。少年しょうねん少年しょうねんあとはばりょあるものをして、かれためかつこくせしめむ、しかるにもし老人ろうじんにして少年しょうねんあとはば少年しょうねんよくよりもさらしゅうなるよくん。かれ少年しょうねん道徳どうとくことろんずといへどもそのこころそこなはる。少年しゅねんはもし謙遜けんそんとくありて、沈黙ちんもくするものならば、もしそのこころ羨慾せんよく忿ふんよりきよまり、すべてのひととほざかりておのれかえりみるものならば、怠慢たいまんなる老人ろうじんよくすみやかさとらん。しかしてもし老人ろうじん老人ろうじんをも少年しょうねんをも一様いちよう敬愛けいあいせずんば、ちからつくしてかくのごとものしんせざらんことをつとむべく、ことかれよりとほざかるべし。

清潔せいけつ外貌がいぼうよそおふてそのめんおのれよくやしな怠慢たいまんしゃわざわいなり。ねん清潔せいけつ善良ぜんりょうなる生涯しょうがいした節制せっせいとをもつ白髪はくはつたっしたるものは、このおいては、認識にんしきかんたのしむべく、肉体にくたいよりいでるときは、かみさかえけん。霊魂れいこんせいにするがため聖神せいしんもつしゅうどうこころ吸収きゅうしゅうするのひややかにするは人々ひとびとまじわるとげん種々しゅじゅだんとにまさるものあらず、ただかみるの認識にんしきちょうじ、かみ親近しんきんするにたすくるかみ奥密おうみつ子等こらだんするはこのかぎりにあらず。けだしかくのごときのだん生命せいめいためこころ覚醒かくせいよくきてかいなるおもいねむらしむること、ことごとくの徳行とくこうよりもちからあるなり。かくのごともののぞくのほかは、ともをもみつともにするものをもおのれにもとむるなかれ、おそらくはその霊魂れいこんつまづきかみみちよりはなれん。なんぢかみ一致いっち連合れんごうせしむるあいなんぢこころ増々ますますくわはるべし、おそらくはその原因げんいんとそのおわりとは敗壊はいかいなるぞくあいなんぢとりこにせん。彼此ひし苦行くぎょうしゃともともまじわるは、かみおうまん。これはんして怠慢たいまんなるものらんなるものあいするはたがいさい高超こうちょうまかし、はらあくまでたしめて、なからん。かくのごとものともくしてしょくするを不愉ふゆかいなるごとはん『どくにしておのれぱんあじわものわざわいなり、なんとなればかれためうまからざればなり』と。かれたがい宴会えんかいまねき、これもつこうおつむくゆることさながやといにんごとし。きらはしきあい適当てきとう敬虔けいけんとにときおくるをわれよりとほざけよ。兄弟けいていよ、かくのごときことに慣習かんしゅうせしものけよ。たとひなんぢ余儀よぎなくせらるゝとも、かれともしょくするをがえんずるなかれ、なんとなればかれ晩餐ばんさんきらふべく、そのかたわらには魔鬼まきするあればなり、新郎にいむこなるハリストスともこれあじわへざるなり。

屡々しばしば宴会えんかいもうくるもの放蕩ほうとうれいなり、かれ謙遜けんそんなるものたましいけがさん。てんなるもの晩餐ばんさんそなへたるていなる『パン』は種々しゅじゅこうによりてしょくものたましいきよめん。貪食どんしょくしゃ晩餐ばんさんよりはっするこう食物しょくもつあぶりものとみにあり。おろかにしてりょなきものこれ引誘いんゆうせらるゝこといぬ肉店にくてん引誘いんゆうせらるゝごとし。つねとうもっぱらなるもの晩餐ばんさん麝香じゃこうよりはっする如何いかなるこうよりもこうよりはっする薫香くんこうよりもかいなり、愛神あいしんしゃこれねがふことあたいすべからざるたからねがごとし。

禁食きんしょくして儆醒けいせいつとめ、しゅためろうするもの晩餐ばんさんより生命せいめいりょうほうりておのれ霊魂れいこんしゃごとくなれるよりかんすべし。けだし愛者あいしゃかれせいにしつつかれうちせきす、ゆえにかれくるしむるの苦味くみへんじてべからざるかんとなり、霊界れいかい天上てんじょうほうしゃかれとそのせいなる食物しょくもつとをおほはん。兄弟けいていはそのもつあきらかこれ目撃もくげきしたるはところなり。

おのれ造成ぞうせいしゃよりはなれしむるすべてのしゃためにそのくちふさものさいわいなり。あわれみにより、ちちふところよりいづ生命せいめい雨路うろおのれ田中でんちゅうて、かれぐるものさいわいなり、けだしこれ飲尽のみつくすときは其者そのものこころ欣々きんきんとしてさかえ、よろこかつたのしまん。おのれ食物しょくもつおいしゅものはすべてのひとよりかくれ、とうなるものともにせずして、ひとしゅ領食りょうしょくせん、かれ関係かんけいしゃとならざらんためなり、およしゅ光線こうせんてらされずしておわらざらんためなり。しかれども食物しょくもつ致死ちしどくこんぜられたるものは、ともなくしてはかいくらあたはざるべし。はらため親睦しんぼくするものがいたんしょくするおほかみなり。おろかなるものよ、なんぢなんかざるありて怠慢たいまんしゃ晩餐ばんさんはらみたさんをねがふか、彼処かしこなんぢたましい種々しゅじゅよくたされん。はらせいするをくするものためかいなり。

禁食きんしょくしゃ馨香けいこうきわめてかいにして、かれ面会めんかいするはりょあるものこころたのしましむるなり。しかれども貪食たんしょくしゃかれまじわるにより突然とつぜんおそれしょうず、ゆえにかれ禁食きんしょくしゃともくらはんがためにあらゆる方法ほうほうもちふ。

節制せっせいしゃ生活せいかつ状態じょうたいかみあいせらるゝ。これはんしてかれとなりするは貪食たんしょくしゃためはなはくるし。黙想もくそうしゃハリストスおほい称賛しょうさんせらる、しかれどもしん浮戯ふぎ高超こうちょうへんして、魔鬼まきとらふるところとなりしものためにはかれちかづくはかいならず。謙遜けんそんにしておんじゅうなるものたれあいせざらん、ただ驕傲きょうごうなるもの悪言あくげんするものしからず、けだしかれところむによる。

ひとあり、自己じこ経験けいけんによりかたれることごとし、いはく『いづれにか何人なんびととなりともだんさんに、そのおいてはほし麺麭ぱんさんあるい四顆しかづつしょくす、しかしてしいとうつや、しんかみむかひてゆうゆうせず、おもいかれむかはしむるあたはざるなり。しかれども会談かいだんしゃわかれて黙想もくそうるや、初日しょにちにはほし麺麭ぱんいつはんしいしょくし、じつにはいつしょくす、しかしてしん黙想もくそう確立かくりつするや、いっほし麺麭ぱんしいまったしょくせんとするもあたはず、されどしんひずといへども、ゆうにしてえずかみだんし、神性しんせいこう減少げんしょうせずしてわれてらし、われをして神聖しんせいなるひかりこれたのしましむ。しかれども黙想もくそうときあたたれきたりて、いちかんたりともわれふあるや、そのときしょくちかづかざらんことも、そくるものをはいせざらんことも、ひかりちょくかくするがためりょくよわらざらんこともためあたはざるなり』と。るべし、兄弟けいていよ、忍耐にんたい独居どくきょとは如何いかうるはしくかつ有益ゆうえきにしてぎょうしゃ如何いかなるちから如何いかなる便べんとをあたふるや、かみため黙想もくそうもっぱつとめてひとみづからおのれのパンをくらものさいわいなり、なんとなればかれつねかみだんすればなり。かれ光栄こうえい権柄けんぺいす、いま何時いつ世々よよに、「アミン」。