<< 知識の第二階級。 >>
人が第一の級を棄てて真実なる思慮と願望とに占有せらるるときは、霊性の光により、身体の官能を以ても、預め経画せる左の卓越なる行為を成さん即禁食なり、祈祷なり、矜恤なり、神聖なる書を読むなり、道徳上の生活なり、慾と闘ふなり云々。けだしすべて善なる行為と、霊中に発見せらるべきすべての美なる特質と、ハリストスの庭に於て奉事に充てらるる神妙なる方法とは、此の知識の第二の級に於てその力の活動により、聖神は之を成就せしむるなり。此知識は我らを信仰にみちびく経路を心に指示して、来世の為に旅装を支度せしめん。さりながら此に於ても知識は尚外形的なり、複雑的なり。彼はただ我らをみちびきて信仰に送致する途なるのみ。之に反して知識の更に高上なる階級のあるあり。もし誰か大に発達し、黙想を以て人々に遠ざかると、聖書を読むと、祈祷とその他すべて第二の知識に関するものの成就せらるべき善なる行為とにその活動の基を据えるときはハリストスの助により、彼の階級にも昇せらるべき力を発見せん。すべての秀美なるものは此知識により行はるべくして、彼は亦行為の知識とも名づけらる、何となれば身体の官能に頼り感覚的作用を以てその行為を外部の階級に於て成せばなり。