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ときは受得し天壽つものなり。また生れながら强く無病なる者も後天の毒とて保養あしければ病 を生じ らー4病名保をを陂しを 天年を保ち得ず、半途にて死る者なり。是草木の風雨にて逢て時ならずし て枯るに同じ。愚老生れ得たる病身にて萬事人なみならず、されど、幸に?家に生れ、少しは養生の道 をも?へ、幼より强たる事をなさず、共?によりてや此年月を無事に經て孫子も生じ、今日にては人 に健なりと羨るゝほどなり。然れども生れ得し病身の治したるにはあらず。元より我身のことなり、 且聲者のことなれば?をも診ひ腹をも探りて見るに、此所宜くなりしと思ふ所もなし。はや來る春は 古稀の年に成事なれば、共しるしには目歯の少しあしきまでなり。共外は不自由の所も覚えす、健な りと鼻らる、にはあるまじ。愚老より年若き朋友どもの丈夫頬に身を特なせし者は皆千古の人 となり・今は此世に在者は少し。前に譬へし草木の生長はあしけれど同じやうに花賞のり・る 時までは持っぺ、、といへるは'老が類ひなるべきか。総て自液の不なるもの次第よくもれ去ぎ る時は、其餘れるもの使よき所に留滞し'積り、て苛烈の惡液に變じ、其極に至りては様結毒な どの多年癒ざる瘡口より流れ出る惡水の如く、臭氣は鼻をつき、味は辛烈にして??の性にひとし。故 に筋肉を腐触し堅硬なる骨を巧第す。是によって鼻柱も落、頭骨も砕く。梅毒のみならす、他の病も

また然あるなり。かく恐怖すべき惡液を貯へながらも多年生命を保つものは、幸に惡液一所に篭