びイイススが神の右に立てるを見て
五六曰へり、視よ、我天開けて、人の子が神の右に立てるを見る。
五七然れども彼等大なる聲を以て叫びて、耳を掩ひ、心を同じくして彼に擁し逼り、
五八城の外に曳き出して、石を以て彼を擊てり。證者等己の衣を一の少年、サウルと名づくる者の足下に置き、
五九石を以てステファンを擊てり。彼祈りて曰へり、主イイススよ、我が靈を接けよ、
六〇乃膝を屈め、大なる聲を以て呼びて曰へり、主よ、是の罪を彼等に歸する勿れ。此を言ひて寢れり。
第八章
一サウルは彼の殺されしことを可とせり。當日大なる窘逐はイエルサリムに在る教會に及び、使徒の外は皆イウデヤとサマリヤとの各地に散じたり。
二敬虔なる人人ステファンを葬り、之が爲に大なる痛哭を爲せり。
三サウルは教會を殘害し、家家に入り、男女を曳きて、獄に付せり。
四時に散じたる者は徧く行きて、言を福音せり。
五フィリップはサマリヤの邑に下りて、彼等にハリストスを傳へたり。
六民はフィリップが行ひし休徴を聞き且見て、心を一にして謹みて其言ふ所を聽けり。
七蓋汚鬼は大なる聲を以て叫びて、之に憑らるゝ多くの者より出で、亦多くの癱瘋及び跛の者は愈されたり。