ばれて、遂に信と聖神とに滿てられたる人ステファン、又フィリップ、プロホル、ニカノル、ティモン、パルメン、及びアンティオヒヤの進教者ニコライを選びて、
六之を使徒等の前に立て、彼等祈禱して、手を其上に按せたり。
七神の言增長じ、門徒の數甚イエルサリムに增加し、司祭の中にも多く教に順ひし者あり。
八信と能とに滿てられたるステファンは、大なる奇蹟休徴を民間に行へり。
九時に「リベルティン」と稱ふる會堂、及びキリネヤ、アレキサンドリヤ、キリキヤ、アシヤ人の諸會堂に屬する或人人起ちて、ステファンと辯論せり、
一〇然れども智慧と彼が由りて言ひし所の聖神とに敵する能はざりき。
一一其時私に人に勸めて、言はしめて曰へり、我等は彼がモイセイ及び神を謗る言を語るを聞けり。
一二是に於て民と長老等と学士等とを動かし、突に來りて、彼を執へ、公會に曳き至り、
一三誣妄の證者を立てゝ、言はしめて曰へり、此の人は此の聖なる所及び律法を謗る言を語りて已めず。
一四蓋我等は彼の言ふを聞けり、曰く、イイスス・ナゾレイは此の所を毀ち、モイセイが我等に授けし例を易へんと。
一五公會中に坐せる者、皆彼に目を注ぎて、其面を見るに、天使の面の如し。