べし、此に過ぐる者は惡よりするなり。三八爾等言へるあるを聞けり、目を以て目を償ひ、齒を以て齒を償へと。三九然れども我爾等に語ぐ、惡に敵する勿れ、乃人爾の右の頰を批たば、他の頰をも之に向けよ。四〇爾を訟へて、爾の裏衣を取らんと欲する者には、外服をも取ることを聽せ。四一人爾を强ひて、偕に一里を行かしめば、之と偕に二里を行け。四二爾に求むる者には與へ、爾に借らんと欲する者を郤くる勿れ。四三爾等言へるあるを聞けり、爾の隣を愛し、爾の敵を憎めと。四四然れども我爾等に語ぐ、爾等の敵を愛し、爾等を詛ふ者を祝福し、爾等を憎む者に善を爲し、爾等を虐げ、爾等を窘逐する者の爲に禱れ、四五天に在す爾等の父の子と爲らん爲なり、蓋彼は其日を惡しき者と善き者の上に照し、雨を義なる者と不義なる者の上に降らす。四六蓋爾等若し爾等を愛する者を愛せば、何の賞かあらん、稅吏も是くの如き事を行ふに非ずや、四七爾等若し爾等の兄弟にのみ安を問はゞ、何の過ぎたることかを爲さん、異邦人も是くの如く行ふに非ずや。四八故に爾等純全なること、爾等の天の父の純全なるが如く爲れ。
第六章
一爾等愼みて、
人に
見られん
爲に、
施濟を
其前に
爲す
勿れ、
然らずば
天に
在す