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へられ、もてはやされてゐる名歌です。

宣長の門人は、全國にわたつて五百人に近く、いづれも師の志をついで、その說を世にひろめました。中でも、出羽の平田篤胤は、幕府をはばかることなく、盛んに尊王の大義を說き、人々に深い感銘を與へました。

篤胤と同じころの學者賴山陽は、二十年の心血を注いで、日本外史といふ本をあらはし、特に、楠木氏や新田氏らの忠誠をたたへました。尊王の熱情にみちあふれたその文章は、人々を深く感動させました。

かうした學者の硏究や主張が、しだいに世の中にひろまるとともに、一方尊王の運動は、早くも、桃園天皇の御代に起りました。すなはち、京都に竹內式部、江戶に山縣大貳らが現れ、ひそかに尊王の