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一頭を打て死衣をうけ屛風を引廻し死骸人に見せぬやうに仕廻すへし此時の屛風ハ表裏白張白緣なるへし一雙上下の文字を書て立樣口傳

一死骸納樣之事屛風の內にて下へ死衣を敷死骸ハ沐浴するに不及其儘入て落たる首を柄拶の柄にてつき置僧をめして刺刀をいたゝかする品まてにて納る也

一桶の事くれ數四十九枚是四十九院にかたとり輪六ツ左輪にする廻に經文蓋にも佛名を書也

一刀拵樣ハ九寸の小脇指切先七八分ほと出し紙又ハ布にて逆に卷佛名を書公卿本マヽの切目の緣を放し切先を左へ刄を切手のかたへなして出すなり若柄其儘置時ハ口傳あり

一往昔ハ敷皮を敷て其上にて討す此時ハ頭神を前へしかする也敷皮の時ハ白革緣刺樣に故實あり近代多くハ疊を用る

伊 勢 貞 丈述

明治三十五年再校了