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附錄

ブリグス(Henry Briggs)ネピールの友,其對數表は千六百十七年及同二十四年印行せらる.

〇一つの有理數と一つの無理數との和,差,積,商は無理數なり. が無理數にして が有理數なるときは, は盡く無理數なり. 共に無理數なるときは 必しも無理數ならず.

が有理數にして,而も或有理數の 次の冪に等しからずば は無理數なり, は卽ち所謂不盡冪根なり.若干の有理數の間に四則及び開法を施こして作り得べき數,例へば の如き數を現今の數學にて「根數」(Radicalzahl, Wurzelgrösse)と言ふ.

往昔は斯の如き數を代數的の數といへり.現時にありては代數的の數といふ語は一層廣き意義を有し,根數は其特例となれり.(上文參照)

不盡冪根を含める根數は無理數なり.然れども無理數必しも凡て根數ならず.例へば との中間に なる如き數唯一個あり.此數は無理數なり.然れども根數にあらず.

は無理數なれども根數にはあらず.「代數的の數」にてもなし.此種の事實は高等數學の圈內に屬せり.唯無理數と根數との混同すべからざるを忘るべからず.