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附錄

の無理敷 を定むるものとなす.

が竟に超過し得べき自然數は其數限あり,其中最大なるを と名づけ, 個だけ含めりといふ.又 なる幹分數をとり を以て が竟に超過し得べき分母 の分數の中最大の者となし, 個含めりといふ.

との相等しとは 及び凡ての幹分數を同數だけ含めるを言ふ.大小の意義亦同樣にして定むべし. の和は にして の積は なり.以下類推すべし.

カントル(G. Cantor, Mathematische Annalen, 5.)は第十章(四)に略述せる所謂基本列數を以て數の定義とせり.ハイネ(E. Heine, Crelle, 84),メレー(Ch. Méray, Nouveau précis d'analyse infinitésimale, 1872)亦大同小異なり.

デヾキンド(上出)は有理數切斷を以て無理數の定義となせり.第九章を看よ.

此等の諸說に於てはいづれも有理數を旣知の觀念となし,之を基礎として無理數の觀念を定む,其方法開發的(genetisch, heuristisch)なり.

ヒルベルト(D. Hilbert, Göttinger Nachrichten, 1900)は之に反し,「アキシオマチツク」(axiomatisch)(幾何學的)に數の觀念を組み立てたり。卽先づ數の觀念の內容を旣定とし,若干の相互獨立せる公理を立し之を分析して數の觀念を闡明せんとするなり.ヒルベルトによれば數とは,比較の法則,算法(四則)の法則及連續の法則に從へる者なり.但連續の法則はデヾキンドの法則と異にして「アルキメデス」の法則及完備の法則(Axiom der Vollständigkeit)より成る.

此書に於てはデヾキンドの連續の法則を採りて,アキシオマチツクの方法に準じ以て數の觀念を說明