Page:Shinshiki Sanjutsu Kogi 00.djvu/425

このページは校正済みです
409
(五)
連續的算法の擴張

て上の間隙の幅を相當に縮小し,以て此間隙內に於ける有理數につきての の變動を 以下に限ることを得べきことは先に證明せる所なり.是に至て此證明は洽く同一間隙內に於ける凡ての數の上に及べり.卽ち擴張せられたる の仍ほ連續的算法たるを失はざるを確め得たり.

上述の定理を特別の場合に應用して次の結果を得. 等の數の間に成立する等式には畢竟 なる形を與ふることを得べし.さて若し にして連續的算法ならば此關係が の有理數なる凡ての場合に證明せられたる上は,直に之を數の全範圍に及ぼすことを得.例へば乘法の交換の法則は なる等式によりて表はさる,さて乘法及び減法隨て は連續的算法なること,及び交換の法則の有理數の場合に成立することよりして直に此法則の凡ての數につきて成立すべきを推知し得べきなり.是畢竟上述の定理に於て が常に なる場合に外ならず.

之を要するに,有理數に關係せる連續的算法の意義及び其諸性質は,上述の定