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(四)
基本列數

べきなり.但上述の定理に於て法が なる除法の排斥すべきこと論を俟たず.

最後に尙注意すべき一條あり. の極限 なるとき, の諸項の一部分を除き去るとき,若し尙限りなく多くの項殘留する場合に於ては,此等を と名づくるに の極限も亦 なり.今

と置けば にして なるが故に の極限は 隨て の極限は なり.又 の諸項に若干の(限りある)項數を添加するとき,其極限は依然として變ずることなし.

ワイヤストラス及びカントル,メレーは有理數を項とせる列數の極限として無理數を定めたり.カントルは なる有理列數を基本列數と名づく.此見地を立脚點となすときは基本列數の極限が有理數ならざるときは,此列數は(其極限として)一の無理數を定むるものにして,此一節に於て證明せる諸定理