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(十)
比例に關する定理

と同時に

なる二對の數與へられたるとき

なる如き有理數 存在するときは より大なりとし,又若し斯の如き有理數 存在せざるときは とは相等しといふ.

比の相等大小を定むるに,有理數を用ゐたりと雖,こは只言語の簡約を期するの意に出でたるに過ぎずして,內容に於ては上の定義はユークリツドのそれと異なることなし.

が有理數に等しからざるときは,此比は有理數の範圍を兩斷す,此兩斷は或一個の無理數 によりて惹起さるゝ者にして,此場合には上述の比の相等の定義に從て と相等し,或は は無理數 に等し,(三)を看よ.然れども吾人は此處に姑らく に等しとなすてふ現代の思想を離れ,ユークリツドと同一の見地に立ち,專ら上述の定義に固着して次の諸